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忍び寄る影。
窓から差し込む光で目を覚ます。
昔から、光が嫌いだった。
こちらを照らしたかと思うと、
どん底に突き落とされる。
暗い場所は良い。
俺を優しく包み込む静かな場所だ。
光の様に眩しくなければ、
惨めな気持ちになる事もない。
「…やっと見つけたんだ、俺のお姫様。」
逃しはしない。
お前も、ここまで落ちてくるべき宿命にあるのだと。
俺の力で思い知らせてこそ、意味がある。
「恨むのなら、あいつらを恨め。」
いつぶりだろうか、多幸感に胸がいっぱいになるのは。
これから起こるであろう不幸に、胸が高鳴るばかりだ。