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集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

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バイルエ王国の国王

132日目


朝食を済ませると、王都の近くまでラルに乗っていき、そこから徒歩で王都の門をくぐります。

とはいえ門の前で門番の兵士が身分証の確認などをしていて王都に入ろうとする人で朝から行列が出来ています。


「次!!何をしに首都ドイルズに来た!」

「はい、ドグレニム領のプレモーネから観光で来ました」


そう言ってギルドカードを出して、適当に王都に来た目的は観光と王都にしかなさそうな品を買いに来たと言ったらすんなり入れました。

うん、思っていたよりずいぶんとゆるいな・・・。


王都に入ると流石にプレモーネと規模が違うだけあって大通り沿いには人が多く、かなり賑わっています。

とはいえどこに何の店があるか調べるのも面倒ですし、とりあえず王城へ向かい案内人を確保する事にします。


王城の正門の前に行くと門の前には町に入る際に居た兵士とは違い槍を持った重武装の兵士が数人目を光らせてますとりあえず正門に向かって歩いて行くと兵士が槍を構え行く手を遮ります。


「貴様何者だ!!」

「あの~すいませ~~ん、お手数なんですが、土田を呼び出してもらえますか?」


「ツチダ?ツチダ殿の事か?貴様、ツチダ殿に何の用だ!!」

「とりあえず、この王都観光の案内をさせる為?」


「観光の案内だと?我々を馬鹿にしているのか?ふざけた事を言っていると捕えて牢に入れるぞ!!」

「まあそれはいいんですが、とりあえず土田にマサト=タケウチがプレモーネから遊びに来たって伝えてくれる?」


「ふざけるな!貴様のような怪しい奴を取り次ぐわけにはいかん!!」

そう言って門番の兵士さんは鬼気迫る顔で追い返そうとします。


「そう言われてもね~、土田か村上さんかロ二ストさんにプレモーネからマサト=タケウチが来たって伝えてもらわないと、後で皆さんが大変な事になるんですけど・・・・」

「ふん!何を寝ぼけた事を、なぜ我々が咎められるのだ!そんなふざけた脅しが通じると思うのか?」


「いや、脅しじゃなくて、まあとりあえず、伝えてくれるだけでいいんで急いで伝えてもらえません?それで知らないとか言われたら捕えるなり牢に入れるなりすればいいんじゃない?ていうか無駄な時間使いたくないんで取り次いで貰えます?」


そんなこんなで門の前で騒いでいるとわらわらと兵士や城勤めっぽい人達がやじ馬をしに集まってきます。

「本当に頭硬い人たちだな~、だから土田か村上さんかロ二ストさんに武マサト=タケウチが来たって取り次いでって言ってるでしょ」

「黙れ!今すぐ立ち去らないと本当に捕えるぞ!!」


「だから、一言プレモーネからマサト=タケウチが来たって伝えてくれればいいんだからそのくらい出来るでしょ?」

そう言って門の前でごねていると一人の兵士仲間の兵士たちと会話を交わした後、馬に乗り城の方向かっていきます。

「とりあえず特別にロ二スト様へ使いを送った、これで知らないなど言われたら捕えて牢に入れるからな!!覚悟しろ!!」


そう言って怒り呆れたような感じの表情の兵士さんは自分が逃げないように見張る為か、周りの兵士に指示をだし自分を取り囲むように包囲します。


自分はと言うとアイテムBOXにからキャンピングチェアーを出して座って待ちます。


「お前、今それはどっから出したんだ」

「アイテムBOXからだけど?それがどうかした?」


「いやアイテムBOX持ちは珍しいからな、それにその椅子のような物も見た事ないものだが・・」

「これはキャンピングチェアーって言う折り畳みが出来る椅子ですよ。まあ土田とかが見たらすぐにわかるんだけどね」


そんな感じで2.30分程たった頃、馬に乗って城に向かった兵士が戻ってきて門番の兵士たちに何かを伝え、伝えられて兵士は驚きながら慌ただしく動き出します。

「おい!お前、プレモーネから来たマサト=タケウチとか言ったな、どういう訳か知らんがロ二スト様がお会いになるそうだ、今馬車を用意させてるからもう少し待ってろ!!」


そう言って仲間の元に戻った兵士が何かを言われ慌てて戻ってきて(少々お待ちください。)と言い直しに来ました。


その後、用意された馬車に乗り城に向かい、その後豪華な応接室に通されます。

流石王城と言うべきでしょうか、豪華な応接室には専属のメイドさんまで居て、テキパキとお茶やお菓子を目の前に置いて行きます。


出されたお茶を飲みくつろいでいると応接室にロ二ストさんがやってきます。

「これはマサト殿、何の前触れもなく首都ドイルズに来られるとはいかがされたのですか?」

「ああロ二ストさん、こんにちは、急でスイマセン、何かあった訳ではないんですが、交易と観光をしに来たんですが土田を町の案内人にしようかと思って・・」


「それで門の前で騒ぎを起こされたのですか?使いを送ってから来られればお迎えの準備をしておりましたのに」

「いや~、土田に取り次いで貰えれば騒ぎにならなかったんですけど相手にしてもらえなくて・・。それに、そうだバイルエ王国に行こう、と思いついたのが一昨日で昨日プレモーネを出発したんで」


「昨日プレモーネを出発されて今日この首都ドイルズに到着されたのですか?」

そう笑いながら話すとロ二ストさんは少し驚いたような呆れたような顔でため息をつきます。


「まあ、ツチダ殿には今使いを送っておりますので暫くお待ちください」

「ありがとうございます。それにしても首都と言うだけあってドイルズは活気がありますね」


「ははは、プレモーネもかなり活気がありましたよ。それに栄えていても町が大きければ大きいほどトラブルや悩みの種が多いですしね」


そんな雑談をしながら今回穀物を売りに来たので大量に卸せる商家を数件教えてもらい紹介状を作ってもらい道作りの件などを話していると、バタバタと足音が聞こえ応接室に土田が飛び込んできました。


「武内、ついにバイルエ王国に住む気になったのか?」

「いや、穀物の卸売りと観光に来ただけだから、用が済んだらプレモーネに帰るよ」


そう言うと、そうかと言って肩を落とし土田もソファーに腰を下ろします。

「土田にロ二ストさんもいるんで今のうちに話しておくんですが、ちょっとまずい事があるんですよ」


そう言って2人にネレースから聞いた歪みの件を話します。

「武内、それって今以上に魔物が現れるという事か?」

「そういう事だね、魔力の活発化と言っていたから魔物が強力になる可能性もあるかもしれんね」


「それが48日後、俺たちが転移してから180日経過したら起きるって事か」

「そうだね、どの程度の規模になるかは分からないけど、転移に伴う魔力の活発化よりは規模が大きいらしい。まあ本音を言うとその件と道作りの件で今回来たんだけどね」


話を黙って聞いていたロ二ストさんは腕を組んで何かを考えていたようですが、意を決したように口を開きます。

「マサト殿、国王陛下にお会いして今の話をして頂けませんか?」

「それは構いませんが、礼儀とか知らないですよ?あとで不敬罪だとか言われても知りませんよ?」


「それは問題ない、非公式にお会い頂くつもりだから安心してくれ」

そう言うとロ二ストさんは席を立ち足早に応接室を出ていきます。


「土田、王様ってどんな人?堅苦しい人とか神経質な人とか面倒くさいんだけど」

「そうだな、まあ普通の人って感じだな、ロ二ストさんが言うように非公式だから気にしなくていいと思うぞ?」


「そうか、まあならいいんだけど、それはさておき、土田は総合順位何位だった?」

「俺は9位だった。武内は何位なんだ?」


「総合順位が発表された際は1位だったが今は2位になってる。それに順位発表後レベル300を超えた際の順位は2位だった。ネレースが1位と2位は僅差と言ってたけど、自分以外にもレベル300越えが居るみたいだね」

「レベル300超えが2位か・・・、俺ももっと努力しないとまずいな」


「土田は今レベルいくつになったん?」

「今はレベル194だ、とはいえ武内とは100以上の開きは変わってないのはショックだな」


「まあそれは仕方ないだろう、自分もレベル上げはするし、まあそれだけあれば魔物が溢れても土田は何とかなるだろ」

「俺が良くても他の人間がそうはいかんぞ、そこが問題じゃないか?」


「そうなんだよね~、こっちも冒険者志望組は着実にレベルを上げてるみたいだけど、面倒な人たちが居てゴタゴタしてるよ」

「なんでだ?転移して来た日本人の中でもプレモーネに居る奴らは相当恵まれてるだろう」


そう言い驚いている土田に野田課長の社会主義みたいなことを転移者に押し付けようとしていることを話します。

「いくら自分で生活費を稼いで自立させようとしたからって、どうしてそんな考えが浮かぶんだ?そんなんじゃ真面目に働くのが馬鹿らしくなるじゃないか」

「まあな、まあ自分達は楽して甘い汁を吸おうって考えなんだろうけど、こんな馬鹿げたことにどのくらいの人間が同調するか読めないからな」


そんな雑談をしていると、使いの人が来て、国王の執務室へ案内するとの事でしたので土田と共に執務室に向かいます。


「プレモーネのマサト=タケウチ殿をお連れしました」

案内の人がそう声をかけると、扉が開き中に入るよう促されます。


「どうも、転移して来た日本人のマサト=タケウチです」

「そうか、私がバイルエ王国、国王のウィル=ファイン=バイルエだ、君がツチダと互角にやり合ったと言うマサトか」


「そうですね、まあ地の利が此方にありましたからね、平地での戦闘だったら勝敗はどちらに転ぶか分からない所でしょうね」

「ははは、君はお世辞も嗜むんだな、ツチダから聞いているよ、戦いはツチダの完敗だったってな」


「まあ勝負は時の運っていいますから」

そう言って笑いながら言葉を交わしますが、土田の言う通り、なんか普通の人です、ただ頭の回転は速いようでテキパキと仕事をこなすタイプに見えます。


「どうした?私の顔に何かついているか?」

国王のウィルさんの顔をまじまじと見ているとウィルさんも気づいたようでそう声をかけられます。


「いや、国王って言うと椅子に座って臣下が提案した事を、うむ良きに計らえ、とか言うだけの人かと思ってたんで」

「ははは、タケウチは面白い事をいうな、まあそう言う王も居るだろうがそんな国はろくな国じゃないだろう、それに私は自分で内容を確認したうえで納得しなければ裁可を下したくないのでな」


「そうですか、じゃあプレモーネのと友好と交易、そして道の建設は納得の上って事ですか?」

「ああ、そうだ、実際現状で周りに敵を作りたくはないし、交易が盛んになれば景気も良くなるだろう、戦争するよりも国を富ませる近道だと私は思うが、そうではないか?」


「確かに、戦争して領土を占領してもその後の統治やらなんやらで実収入になるには時間がかかりますからね、まあ自分としては、バイルエ王国の王様がまともな人で安心しました」

「そうか、それは良かったが、ツチダもそうだが、日本人は結構言いたい事を言うな」


「まあ自分はバイルエ王国に世話になってませんし、これが元で戦争になるような国だったら手を結ぶに値しない国という事で見切りますし、そして何よりもう暫くしたら人間同士で戦争なんて言ってる暇なんて無くなりそうですしね」


「それだ、その件について私は聞きたいんだが、48日後に大地の魔力が活発化すると言うのは、わざわざバイルエ王国まで直々に言いに来たのだから本当なのだろうが、具体的にどんな事になりそうなんだ?」

「そうですね、まず今いる魔物が活発になる、魔力を得て強化や狂暴化する、あとは洞窟や迷宮、遺跡、森などに魔力が溜まりそこで魔力が具現化して魔物が生まれる、そんなとこですかね、実際ドグレニム領で見つけた迷宮を調査しましたが、魔物が具現化し、その魔物は倒したら肉体が霧散し魔石だけが残りました」


「そうか、その具現化したそうした場所から溢れ出す可能性があるという事か?」

「ええ、そうですね、それとネレースいわく、具現化した魔物は時間が経てば肉体を得て繁殖も可能になるそうです」


「その魔力の活発化が収まるにはどの位の日数がかかるんだ?」

「それは分かりません、今後ずっとなのか、数日なのか、ただ今まで以上なのは間違いないと思われます」


「では、その際にドグレニム領とバイルエ王国とが共闘して魔物に立ち向かう事は可能と思うか?」

「そうですね、可能かもしれませんが、お互い自国に手一杯で、それ処ではない可能性が高いかもしれません」


「確かにな、とはいえ後ひと月半で兵士を徴募して訓練をしてもたかが知れているからな、助け合う事が出来るならそれに越したことはない、ドグレニム領の領主殿には良しなに伝えておいてくれ」

「わかりました、伝えておきます」


そう言い、軽く挨拶をし執務室を出ようと思いましたが、お土産ぐらい渡しておかないとなんか悪いんで、4ℓ入りのウイスキーボトルを3本程渡しておきます。

「これが日本の酒か?」

「ええ、ウイスキーと言う酒です。お口に合うか分かりませんが、飲んでください」


「ロ二ストから聞いているが、日本の酒はどれも美味しいそうじゃないか、今晩辺り飲ませてもらうよ」

そう言う国王のウィルさんの執務室を後にして再度応接室に戻ります。


「な?言ったとおり普通の人って感じだろ?」

「そうだな、ただかなりやり手って感じがするな、まああの人が治める国だったら安心して友好を築けるだろうね。それはそうとこの城に風呂は作らなくていいのか?今なら安くしとくぞ?」


「いくらだ?」

「そうだな~、使用人用と王族用セットで150万レンでどうだ?」


「わかった150万レンだな、ちょっと国王に聞いてくるから待っててくれ」


そう言うと土田が走って王の執務室に向かったようです。


セットで150万レン、日本円だと大体1500万ぐらいだけど、安かったか・・・・。

ブックマーク・評価を頂きありがとうございます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

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