使節団の帰国
晩餐会も終わり会議室に主要な人が集まり再度得た情報を纏めます。
とは言え初日に収集した情報から更に踏み込んだ情報もなく、話し合いはすぐに終わりました。
「流石にそう簡単に情報をくれたりはしないか」
そう言ってグランバルさんは分かってはいたけど成果無しなのが残念なようです。
「そうですね、食料事情は分かりましたがその程度ですし今回は親交を深め次回に期待ってとこでしょうかね」
そんな感じで話合いもすぐに終わり自宅に戻ることにします。
明日は朝のうちに使節団がプレモーネを出発するそうなので、早い時間に迎賓館に向かう事にします。
97日目
今朝は使節団が出発準備を整えているうちに迎賓館に行き土田に風呂用の魔道具を渡します。
「ありがとう、昨日風呂の作りを見て大体の設計図を書いたからこれでバイルエ王国にも風呂が作れるよ。」
「それは良かった、とりあえず男風呂と女風呂用の2個な、あと出るお湯の量は迎賓館に設置しているのと同じぐらいだから、もう少し大きめの浴槽を設置しても大丈夫だぞ。」
「そうか、助かる、しかも男風呂と女風呂用に2個も用意してもらえるとは」
「まあな、男女兼用だと色々問題だろ、コンテナの中に女性用の衛生用品も入っているから女性陣に分けてやってくれ。あと魔道具は分解するなよ、自分の特殊スキルで作ってるから分解したら壊れてもとに戻らないと思えよ」
「わかった。そこは気を付ける、確かにこの魔道具、継ぎ目とかがないな・・・」
「迎賓館の風呂場と浴槽を作ったスキルと同じだよ」
「まあ固有の特殊スキルなら聞いても使えるわけではないから聞くだけ無駄か、だが本当に助かった。これならバイルエ王国にいる日本人にも嬉しい土産になるな」
「それと一つ忠告だ」
「忠告っていきなり何だよ」
「まあ自分が1位で町に到着した時ネレースと会う機会があって色々質問をしたんだけど、この世界の兵士や冒険者の中には300レベルに近い人間がそれなりに居ると言っていたのと、現在存在する人間の最高は700レベル位らしい。自分が言いたいことは分かるよな?」
「ああ、俺のレベルは決して高くないって事だろ」
「そうだ、自分の250レベル超えもそう考えると安心できるレベルとは言えない。もし自分より高いレベルの人間と戦う事になったら逃げろよ」
「忠告は感謝する。まあ俺だって馬鹿じゃないから危険を感じたら逃げるようにするよ」
そう言って土田は使節団の帰還準備に戻りました。
それじゃあ自分もグランバルさんの所に行って見送りに加わりますか・・・。
「マサト、今回は世話になったというべきかな、いや感謝しているというべきか」
そう言って使節団を見送り終えたあとグランバルさんの執務室で今後の話をしています。
「そうです、まあ無事話もまとまり使節団が帰ってくれたので今回は成功と言うべきですかね」
「ああ、ただ俺の息子の婚姻の話まで纏まりかけてるのは予定外だがな。」
「まあそこは話の成り行きで・・。それに悪い話ではないですからそこも含めて良しとしましょう」
そう言うとグランバルさんはヤレヤレと言った感じです。
「とりあえず、今後の方針としては、まず今日から石材を採掘に行ってプレモーネの拡張を行います。予定としては今の町を丸く円を描くように城壁で囲む感じを予定しています。その後隣の領主の統治する地域に通じる道を拡張し、その後にバイルエ王国への道作りとそれを塞ぐような砦の外壁を作成する感じになります」
「ああ、それでいいんだが、昨日ウェース聖教国から前触れが来てな、使節団が予定では10日後に着くそうだ」
「10日後ですか?面倒ですね、森で魔物に襲わせて追い返しますか?」
「いや、それは止めてくれ、とりあえず使節団を友好的に受け入れて相手の出方を見る、ウェース聖教国の際も頼むぞ」
「わかりました、とりあえず10日後に使節団が到着する際は町に居るようにします。あと相談なんですが、町を拡張したら、大通り沿いに広い土地2.3箇所程と自分の家用に広い土地貰いますけどいいですよね?」
「まあそうだな、さすがに駄目だとは言えんな」
「ありがとうございます。あと自分の家の建築費の支払いもお願いします」
「おい、まて、それは自分で出すべきだろう」
「まあ町が今よりかなり広くなったうえ交易で潤うんですから細かい事気にしてたらハゲますよ?」
「お前な~、ハゲるは無いだろう、俺の家系はハゲが居ないんだから俺も大丈夫なんだよ。それで?どんな家を建てるんだ?」
「豪邸ですけど何か?、それに家系的にハゲは居なくてもハゲる場合もありますから気を付けた方がいいですよ」
「豪邸だと?どのくらいの費用がかかるんだ?それに日本には毛を生やす薬とかはあるんだろうな?」
「さ~?とりあえず城壁を作った後に区割りをしてその後に場所を決めてから職人に希望を言って作ってもらうんで、どの程度の大きさの屋敷になるか、費用がどのくらいかかるかはその時に分かるでしょうね。因みに育毛剤とかはありますが、急に毛が生えてくるわけでは無いんでハゲてからでは遅いですね」
「お前、屋敷代を人に払わせるとなると気楽に言ってくれるな・・。あととりあえず育毛剤を少し分けてくれ」
さすがにグランバルさんも諦めたようで渋々了承してくれたようです。
ついでに育毛トニックを4本程渡して置きます。
「じゃあ自分はこれからこの前教えてもらった採石場に行って石材を採ってきますね、かなりの量が必要そうなので2.3日は町を開けますんで」
「わかった、サンダーウルフは1匹ぐらい置いていけ、何かあったら走らせる。あとこれはどう使うんだ?」
「それは風呂上りに頭皮にスプレーしてマッサージするんです。じぁあとりあえず採石に行ってきますんで」
うん、異世界の人もハゲるのが嫌なんだな・・・。
そう思いながらも領主館を後にして月山部長に10日後に今度はウェース聖教国の使節団が来る旨を伝え自分は2.3日採石場に行くんで不在にすると伝えてからプレモーネを出て採石場に向かいますが、イルチにはゾルスへの伝令としてニホン砦に向かってもらいます。
ゾルス達には人間に見つからないように隣り領への道の拡張と整備を指示しておき、採石に向かいます。
今回は前回まで採石していた場所からは採石せずにグランバルさんに教えてもらった新しい採石場所に向かう為森の奥へカウア達に木を引き抜いてもらいながらを歩みを進めます。
3時間程森の奥に進むと石の崖が聳え立つ場所にでます。
「カウア達とアルチ達は周りの魔物を狩っておいて」
そう言って自分は採石を始めます。
見る限り山が丸々石のようなので遠慮なく採掘をしても大丈夫そうです。
前回は錬成術で5×5メートル程の大きさの石材にしましたが今回は更に大きく10×10メートルほどの大きさにしてアイテムBOXに収納して行きます。
夕方まで採石をした後、アイテムBOXから野営用の家を出し今日は休むことにします。
98日目
朝食を済ませ野営用の家を出ると今回も魔物の死骸が山のようになっています。
カウア達から魔石を受けとり死骸をアイテムBOXに収納した後。採掘を開始します。
それにしてもプレモーネを丸く囲む様な城壁を作るとなるとどれだけ石材が必要なんでしょうか・・。
そう思いながらも採石を始めます。
カウア達とアルチ達が周辺の魔物を狩ってくれているので魔物に襲われることもなく黙々と採石をしていきますが、前回採掘した分で約1000メートル分、今回は5倍の大きさの石を同数採っても出来る城壁は5000メートル分、合計6000メートル分の城壁が出来る計算です。
そうなると前回の倍6千個ぐらい石を採らない足りなさそうですが、予備を含めて7、8千個ぐらいは欲しいところです。
幸い採石が出来る岩山はかなり大きいので石が取れなくなる心配は無いのですが、なんせ数が数なので時間がかかりますので、一心不乱に採石を続けます。
99日目
予定では今日の午前中に町に帰ろうかと思っていたのですが、まだ数が足りないので本日も採石をすることになります。
結果的に今日も夕方まで一心不乱に採石を続け最終的にアイテムBOXを確認すると1万個ぐらい収納されていました。
まあ取り過ぎだ分は砦を作る際に使用をするとして今回はこれぐらいで終了する事にします。
ラルに跨りプレモーネに向かうと2時間位で町に帰ってました。
グランバルさんに報告すべきでしょうが、面倒なので今日は自宅に戻り明日領主館に向かうことにします。
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