急報
お読み頂き誠にありがとうございます。
頑張って1日1話の短いスパンで投稿できるように頑張ります。
よろしくお願いいたします
日が傾きだしてきたので平坦な場所を探して野営の支度を始めているとイルチが合流しました。
「イルチどうしたの?」
「マサト様、グランバル殿より至急の連絡をとの事で参りました」
「何があった?」
「はい、ウェース聖教国とバイルエ王国との間で小競り合いが発生しその後小規模の戦闘が始まりました」
「戦闘?小競り合いでしょ?それが至急な用事なの?」
「グランバル殿の話では両国とも兵を国境に集結させ始めているとの事で、今後中規模から最悪大規模な戦争になる恐れがあるとの事です」
「まあ確かに隣国で戦争が起きればこっちも巻き込まれる恐れがあるからね~」
そうのんびり構えている自分ですがイルチは話を進めます。
「それが、今回の小競り合いの原因がバイルエ王国がウェース聖教国内で確保していた日本人を教国から連れ出そうとした際に事が発覚し教国の警備兵と国境付近に伏せていたバイルエ兵とが戦闘になったようで、さらにその戦闘のさなか転移が発生したようで・・・。」
「その戦闘に転移者が巻き込まれたってこと?」
「はい、ただ両国とも転移者確保が最優先のようで幸いにも転移者に死者は出ていないようですが戦乱を避けてドグレニム領に退避をしてきたとの事です。」
「そういう事・・・」
「でも道はあるけど森を抜けるとなると魔物がうようよ居るから森を抜ける前に魔物に襲われるんじゃない?」
「はい、通常ならばそうなのですが、グランバル殿が今回の転移のどさくさに紛れて教国内で保護している日本人を領内に招き入れる計画を立てておりまして国境付近の森に密かに兵を配置していたようです」
「ようは教国内に転移者が大量に現れればそちらの対応にあたるから国境が手薄になる。その隙に保護している日本人を領内に連れてくる計画を立てていて、そして偶然かバイルエ王国も同様の計画を立てていたと、そしてバイルエ王国側の保護した日本人が運悪く教国側の警備兵に見つかり小競り合いから小規模戦闘になり現在は国境に兵力を集中して一触即発状態であると・・」
「はい、そうです」
「そして戦乱を避けて退避してきた転移者の日本人を漁夫の利を得る形でドグレニム領側で保護してしまった。そんなとこだね?」
「はい、そのとおりでございます。」
「っで、本来連れてくるはずだった日本人も保護できたの?」
「はい、そちらも無事保護しプレモーネに向かっているとの事です。」
どうやらグランバルさんが危惧しているのは、バイルエ王国とウェース聖教国との戦争の推移によっては勝った方がその勢いでドグレニム領に攻め込んでくる、または両国が手を組んでドグレニム領の日本人を狙って攻め込んでくる事っぽいです。
恐らく両国が本格的な戦争状態になる分にはお互いの国力を削りあうだけなので特に問題は無いですが、片方が圧勝した場合や両国が手を組むと少しどころか、かなり分が悪くなります。
「グランバルさん的にはどちらに分があるとか両国が手を組む可能性はどの位ありそうとか言ってた?」
「いえ、そこまでは言われていませんでした。」
「う~ん、確かに一大事だね・・・。」
「マサト様、あとウルチがグランバル殿の依頼で両国状況、戦闘状況を偵察し国境付近に向かっております。」
「ウルチが?よくグランバルさんの依頼を了承したね。」
「はい、グランバル殿がマサト様なら確実にサンダーウルフ達を偵察に走らせると言って説得をしていました。」
「うん、グランバルさんグッジョブ!!」
とはいえ、この事態は予想外だった為、今後の行程を考え直さないといけなくなりそうです。
「う~ん、どうしたもんか・・。」
「武内さん、何かあったんですか?」
イルチと話をしていると女子高生の松本さんとサラリーマンの山本さんが心配そうに話しかけてきます。
「そうですね、結構まずい事になりそうな事態が発生しました。」
そう言って状況をかいつまんで話します。
「なんで日本人を各国が戦争までしてして確保したがるんですか?」
松本さんの質問は転移して来た全員の疑問でもあったようで全員の視線が集中します。
「そうですね、ウェース聖教国を除く他の国々は日本人の知識、技術を欲しているんですよ。地球はこの世界より発達した文明がありこの世界はよく言って中世ぐらいです。そんな世界に日本の知識を持った人たちが来たらどの国も確保して知識や技術を手に入れたいってとこですかね。」
「それは今から向かっているプレモーネ町でも私たちに求められることですよね?」
なんか松本さん鋭い子だな・・。
そう思いながら話を続けます。
「そうですね。確かにプレモーネ、いやドグレニム領も知識や技術は求めています。ただ他国は知りませんがドグレニム領では日本人には自活をしてもらいその中で技術や知識を広めて行って欲しいという方針です。まあ領主が直接雇用して技術や知識を活かしてもらうという方法も採ってますが基本的に拒否も出来ますし直接雇用でも自活をすることになります。まあ他国は分かりませんが恐らく欲深い国ならば軟禁状態で知識や技術だけを要求され必要無くなれば処分される可能性も高いですし、それにウェース聖教国では日本人を異端者として処刑しています。」
「そ、そんな・・・。」
松本さんは転移して来た日本人を取り巻く現状にショックを受けてるようです。
「武内さん、少しよろしいですか?」
山本さんが口を開きます。
「自活をと言いますがこんな異世界で仕事はあるんですか?そもそも提供できる知識も技術も無い場合はどおなるんですか?」
「そうですね、ただ知識は全員持っていると思いますよ。日本人は基礎教育を受けています。計算や読み書きができるだけでこの世界では十分な知識です。さいわいなぜか日本語と違うこの世界の言葉も文字も読み書きできますし、普段使っている日用品を試作して売り出すとかでもお金は稼げ自活が可能です。」
「そうなんですか?」
「ええ、多分皆さんはまだ日本人以外の人間と会っていないので実感が無いと思いますがこの世界の人と話したりすれば実感はわきますよ。」
「それならば・・少しは安心しました。」
「まあ、常に土木関係の仕事はありますから仕事を選ばなければいくらでも働き口はありますし、すでに日本人の何人かは自活を始めてますよ。」
そう言うと全員安心したようです。
「それはそうと、自分は急いでプレモーネに戻らないといけなさそうな雰囲気なんで今後の方針を考えてないと。」
「それは?」
山本さんが不安そうに声をかけ全員が固唾をのんで自分の言葉を待っている感じです。
「そうですね、このペースで真っすぐ町に向かうとあと8.9日はかかると思います。ただその間に戦況が変われば町に着いたときすでに町が無くなってる可能性もあります、なので自分は先に町に戻り皆さんには皆さんのペースで町に向かって来てもらいます。」
「そんな!!こんなところで放り出されたら俺たちどうなるんだよ!!」
そう言って男子高生達が騒ぎます。
「皆さんだけを残していくわけではありません。ゾルスとバルタ、そしてゴブリン軍団とサンダーウルフ10匹を皆さんの護衛に付けます。このメンツならオーガだろうとオーガキングだろうと皆さんには手が出せませんから安全に町まで来れます。」
「それはわかりますが、武内さんは大丈夫なんですか?」
「はい、ミノタウロスのカウア達とアルチ達残りのサンダーウルフにフォレスホースのラルも居ますので大丈夫です。ていうか一人でも確実に大丈夫です。」
「一人でもって・・・それは何でも・・。」
そう言って山本さんは心配そうにしています。
「とりあえず自分はレベル258なんである意味チート状態なんですよ。だから走れば恐らく朝か昼ぐらいまでに町まで着きますし。」
「レベル258ですか?どうやったらそんなレベルに?」
「まあ完全に偶然ですね。むしろ事故というか自然災害というか・・・。」
そう言って話を濁します。
うん、山の上から大岩転がしたら広域土砂崩れが起きてそれに巻きもまれた魔物を倒したことになって膨大な経験値が得られたなんて言えないですよ・・。
「まあ、ちょっと緊急事態なので自分は先に町に戻らせてもらい、皆さんの護衛はゾルスとバルタとゴブリン軍団とサンダーウルフに任せます。砦に到着したらロゼフというゴブリンシャーマンも護衛に付けますんで皆さんの安全は確実に保証します。というか砦に日本人一人いるんでその人も連れて町まで来て貰う事になると思います。」
「ゴブリンの砦にも日本人がいるんですか?」
「はい、居ますよ、いまゴブリンに燻製作りや保存食づくりを教えてもらってます。」
「はっ?」
「いや、ゴブリンに燻製作りや保存食づくりを教えてもらってるんですけどなにか?」
「いえ、まさかゴブリンにそんな事教えてるとは思ってなくて」
「まあそうですよね・・・。滝山さんって言うんですが自分の同僚で2回目の転移で皆さんと同じ所に転移させられた人です。アウトドアが好きでそう言う知識があるので今回保存食作りの講師としてお願いしたんですよ。」
そう言って笑う自分に全員が唖然としています。
というかゴブリンに囲まれてゴブリンに保存食作りを教えてるとか信じられないのでしょう。
「安全が確保されるのならゾルスさん達を信じて町を目指します。ただ食料が・・・。」
「食料はとりあえず皆さんのアイテムBOXに収納してもらってそれをゾルスとバルタが調理をするという事で何とかなると思います。」
「確かに、それなら荷物にもならないし食料に困る事もなさそうですね。」
「はい、それにゴブリン砦に行けば米や小麦が備蓄してありますし、鹿っぽい動物や猪っぽい動物も甜瓜もどきな果物もゴブリンが取ってきてくれますから。」
「そ、そうですか?その鹿っぽいとか猪っぽいって・・食べても大丈夫なんですか?」
「はい、自分が転移した際ほぼ毎日味付けなしでそれらの肉が主食でしたので大丈夫です。」
そういうとなんか全員から憐みの目線が送られます。
まあ今となっては何でもありますが当時は塩すらなかったんですよ・・・。
話が終わりゾルスとバルタ達に転移者を任せて町に向かう準備をします。
「ハンゾウ、とりあえず砦に戻ったらハンゾウが砦をまとめて、ロゼフにはゾルス達と一緒に町に向かうように伝えて。」
「はい、かしこまりました。」
「あと滝山さんだけど、しばらく残るって言うようだったら残していいから。」
「いいのですか?」
「いいよ、その代わり迎えが遅くなるかもしれないって伝えといて。」
「わかりました。お気を付けて。」
ハンゾウに指示をだしゾルスとバルタにも指示をだします。
「じゃあ後はお願いね。」
「はい、かしこまりました。必ず無事に町までお連れ致します。」
「うん、お願い。あと毎朝魔物を刺すのは続けさせてね。」
「はい。」
そういうゾルスとバルタに背を向けアルチ達に声をかけます。
「アルチ、サンダーウルフ10匹をゾルスとバルタの指揮下に入れて護衛と警戒をさせて、イルチは来てすぐで申し訳ないけど砦に行って状況をロゼフに伝えて、その後自分たちを追ってきて。」
「はい、かしこまりました。」
「じゃあいこうか、カウア達は影に潜ってて」
「かしこまりました。」
「じゃあ自分は一足先に町に向かいますんで、皆さんは自分達のペースで向かって来てください。」
そう言うとアルチ達残りのサンダーウルフとラルを連れて走り出します。
うん、とりあえず今は町に着くまでに状況が変わっていないことを祈るしかないか・・。
お読み頂きありがとうございます。
またブックマーク・評価を頂きありがとうございます。
拙い文章・誤字脱字が多く読みづらいかと思いますがお読み頂ければ幸いでございます。
あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。
また、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。
誤字のご指摘ありがとうございます。
出来るだけ1日1話を目指しますが仕事の関係で2日に1話になる日もあるかもしれませんがこれからも頑張って書いていきます!!!




