マイホーム
お読み頂き誠にありがとうございます。
頑張って1日1話の短いスパンで投稿できるように頑張ります。
よろしくお願いいたします。
ギルドに入った途端にザ・職人さんが声をかけてきます。
「やっと来たか!!」
そう言ってザ・職人さんは椅子から立ち上がり早く素材を見せろと言わんばかりです。
うさ耳のお姉さんに解体は終わってるか確認をして解体場へ向かいます。
「おうマサト、解体は終わってるぞ・・・。ってデムズ何でお前がここに居るんだ!!!」
どうやらバンズさんとは知り合いのようです。
「おうバンズ、俺は受注生産の素材を見に来たんだ、文句あるか?」
そう言ってザ・職人さんことデムズさんは何故かけんか腰でバンズさんと話しています。
「二人はお知り合い?」
そう聞くとバンズさんが答えてくれました。
ようは幼馴染で昔の喧嘩友達のようです。てか今にも喧嘩始めそうですけど・・・・。
「バンズ!早くアトゥロォゥシャスタートルの素材を見せろ。」
そう言ってデムズさんはバンズさんをせかします。
バンズさんも諦めたように素材を置いてあるところに案内をしてくれました。
「おぉ~!これは」
そう言ってデムズさんは目を輝かせ素材を見ています。
「マサト、この背中の鱗の部分と足の部分の表皮、そして爪、あと頭部の表皮だ!!腹の部分の表皮や他は要らん!」
そう言ってほしい部分を指定していきます。
うん、あげるとは言ってないんだけど・・・もう自分の物みたいな感じになってますよね?。
「マサト、いいのか?コイツ腕はいいがこんな性格だから残りの素材を寄越せとか言い出すぞ?」
そう言ってバンズさんはあきれた感じで声をかけてきます。
「まあいいですよ、ゾルス達4人分と自分が使う希望通りでしっかりとした防具が出来ればあとはあげても問題ないですし。」
「は~、お前は欲が無いんだか、バカなんだか・・・。」
そう言ってバンズさんはあきれています。
「それに、デムズさんはいい素材で作った防具を高額で冒険者に売るって感じの人でもなさそうですし。」
「まあな、気に入った客が手の届く範囲でしか売らんだろうな・・・。」
そう言ってため息をついています。
「バンズさん、デムズさんが選んだ素材と魔石だけ貰ったらあとはギルドに上げますんで」
そう言うとバンズさんはまた呆れています。
「そう言えばマサト、アトゥロォゥシャスタートルの魔石なんだが・・・。」
そう言ってバンズさんが魔石の所に案内してくれます。
「これを見てみろ、魔石の半分が魔力石化しているんだ。」
そう言って目の前に出された魔石を見ると上半分が赤く下半分は金色っぽく透き通っています。
「何か透き通った金色の部分が赤い部分を侵食しているように見えますね?」
「確かにな。解体しているとき腹の部分が魔力石で背中の方が魔石だったんだ。」
そう言って考え込むような感じのバンズさんですが何か条件があったんでしょうか。それともたまたまだったのでしょうか。
確か回収した時は腹側が上で裏返った感じで死んでましたが関係あるのでしょうか?
そう思いながら魔石をアイテムBOXに収納しバンズさんにあとの素材処理をお願いします。
「返せって言っても返さんぞ?眼球だって解体して加工すればかなり遠くまで見える遠眼鏡だって出来るし骨も腹の表皮も骨も歯も相当な素材だぞ?」
「うん、大丈夫です。遠眼鏡っていうか双眼鏡とかありますし。」
そう言ってアイテムBOXから双眼鏡をだしてバンズさんに見せます。
「これは?遠眼鏡か?」
そう言って中をのぞき込んだバンズさんは唸ります。
「これは・・・これが日本の技術か?」
そう言って色々遠くを見ています。
うん、ご近所さんを覗き見とかしてないよね?
「まあそんな感じなので他の素材はギルドで有効活用してください。」
そう言って双眼鏡を回収しアイテムBOXにしまいます。
「マサト、今の双眼鏡っていうのはいくらだ?一つ売ってくれ!!」
今度はバンズさんの目が血走ってます。
「気になる女の人の家を覗き見するのに使うんですか?」
「ば、バカ野郎!!そんなことに使うか!!」
「いやだってね~守備隊が欲しがるならわかるけどギルドマスターが欲しがるって・・・。」
「いや俺だって有事の際は冒険者率いて町の防備にあたるんだぞ!」
うん、覗き疑惑晴らすのに必死だこの人・・・。
「まあとりあえずまだ在庫ありますから上げますよ。ただしバンズさんじゃなくてギルドにですよ。」
「ギルドにだな?」
「そうです、ギルドで必要に応じて使用するために差し上げます。」
そう言うとバンズさんは二つ返事で了承します。
「これはギルドで必要な時に使う、それでいいな?」
そういってもう自分の物のように首から双眼鏡を下げてます。
まあいっか・・・。
そう思いながらデムズさんが選んだ素材をアイテムBOXに収納していきます。
「マサト、とりあえずゴブリンキングとロード、そしてシャーマンを連れてきた時に素材を寄越せ!」
そう言ってデムズさんは店に戻ろうとしています。
「自分とハンゾウの防具には使わないの?」
「お前たちとシャーマンは一角地竜の表皮を使う!お前の持ってきた一番いい素材ならアトゥロォゥシャスタートル程じゃないがいいものが十分作れる。それにお前たちは重装備より軽装備だろう!」
そういって店にもどっていくので自分もついて行きます。
「マサト、明日でもいいからギルドに顔を出せ!新しいギルドカード用意しておくからな、必ず来いよ!!」
バンズさんが叫んでいます。
取敢えず大声出すのは面倒なので手を振っておきます。
なんか面倒だけど明日の朝一でギルドに顔を出すか・・・。
そう思いながらデムズさんの店に行き、ハンゾウと自分の装備の再採寸と可動域の確認をしてもらいます。
「じゃああとはこっちで調整と黒に染める作業をするから3日後に来い!」
そう言うとそそくさと奥に行き作業を始めようとしています。
「デムズさん、制作費用は?」
「制作費用だぁ?そんなもん余った素材を頂くから要らん!!」
そう言って3日後に来いと再度言われ店を追い出されました。
余った素材あげるなんて一言もデムズさんに言った覚え無いんだけど・・・・。
そう思いながら兵舎に帰ることにします。
うん、やっぱり何かおかしい・・・確かに防具作って余った素材は要らないけどさ・・。
まあ地竜の角は渡してないしいいか。でもこの角は何に使おう。
45日目
本日はギルドに呼ばれているし領主館にも行きたいし不動産屋さんに家の鍵を貰いに行って家の中を自分の好みに作り替えないとだし結構忙しい一日になりそうです。
とりあえず昨日バンズさんが必ず来いと叫んでいたのでギルドに向かいます。
朝一でギルドに来るのは初めてですが皆さん日雇いの仕事選びである意味殺伐としています。
うん、少しでも割のいい仕事をしようと必死なんだな・・・。
そう思いながら受付に行くと今日もうさ耳のお姉さんが居ます。
うん、この人いつが休日なんだろう?
「バンズさん居ますか?なんか昨日必ずギルドに来いって言われたんですが」
そう言うとうさ耳のお姉さんは一枚のカードを出してきました。
「マサトさん、Bランク昇格おめでとうございます。こちらがBランクのギルドカードになります。」
そう言って今まで持っていたギルドカードを取り上げられ新しいカードを渡されます。
「いや、自分何の仕事も依頼もしてませんけど?」
「町を襲撃してきたオーガの撃退、オーガの討伐、貴重な素材の売却に素材の寄付がギルドに功績として認められた結果です。」
そう言ってうさ耳のお姉さんは笑顔でカードを押し付けてきます。
うん、とりあえずギルドによる囲い込みか他の冒険者に対する発破か、そんなところでしょうか・・。
「まあ頂いておきます。」
そう言って半ば強引にですが新しいギルドカードを受け取りギルドを出ます。
Bランクになっても特に何もいいことないしどうでもいいんだけどな~。
そう思いながら領主館に向かいます。
「お前、暇なのか?」
第一声がこれです。
「いや、暇じゃないですよ。やる事目白押しでこの後不動産屋に行って家の改築です。」
「そうか、てっきり暇つぶしに茶でも飲みに来たのかと思ってな」
そう言ってグランバルさんはお茶の用意をメイドさんに依頼してます。
「いや、相談役になった月山部長は何処で相談受け付けてるのか聞きたくって来たんですよ。それに他の人達も気になりますし。」
そう言うと出されたお茶を一口飲みます。
「ツキヤマには宿舎になってる館の近くに拠点を作ったからそこで相談を受けることになる。あとで地図を渡すから行ってみるといい。」
そう言ってグランバルさんはそんなことを聞きに来たのか?と言う感じで笑ってます。
「あと日本人が数人冒険者志望だったり露店を開いたり、薬屋で働いて居たり、店を開こうとしてるのって把握してます?」
「おまえ俺を何だと思ってる?仮にも領主だぞ?日本人に関しては大体どこで何をしているかは把握している。」
「それならいいんですが。」
まあグランバルさんが把握してるって事は月山部長も把握してると思うので良しとします。
「そう言えばお前、家を買ったんだよな?」
「買いましたよ?それがどうかしました?」
「税金払えよ。家には大きさに応じて税が課せられるからな。」
「払わないといけないの?むしろこれだけドグレニム領に貢献してるのに金とるの?」
「当たり前だ!!示しがつかないだろう!それにお前が売買した穀物で得た利益には税を課していないだろう。せめて家の税金ぐらい払え!」
どうやら売買にも税がかかるようです。
まあそうだよね・・・。
「税っていくらぐらい?」
「お前が買った家なら毎年10万レンだ」
10万レン、年間維持費100万円か・・・・そこそこの値段だな・・・。
そう思っているとグランバルさんは笑いながら話してきます。
「10万レンなら余裕だろ。何なら市場価値の1/2で穀物払いを受け付けるぞ?」
「1/2の価格で穀物払いするくらいなら商家に売りに行きます。」
そう言って笑いながら雑談をしたあと領主館を後にします。
うんさすが領主、日本人からも税を取るとは抜け目がない。
そう思いながら今度は不動産屋さんに向かいます。
そうです念願のマイホームです。
そして不動産屋さんに行き鍵を貰いマイホームに向かいます。
「さて、どこから手を付けるか・・・。」
そう独り言を呟いて家の中を見て周ります。
昨日清掃をしておいてくれたようで室内は綺麗になっています。
「とりあえず、寝室とその次は風呂だな、ハンゾウ出てきていいよ」
そう言ってハンゾウを影から呼び出し作業を依頼します。
一応窓にはカーテンが備え付けられていますが薄く微妙に白くない感じの物なのでハンゾウに頼んでアイテムBOXから出したカーテンを寝室と1階に設置してもらい、吊り下げ型の魔道具ライトを寝室、トイレ、リビング、キッチン、それとこれから作る脱衣場と浴室に設置をしてもらいます。玄関はランタン型のライトを2個置いてきます。
うん、どうせ来客も無いから暫くこれでいいや・・。
そして自分は2階の寝室にベッドや家具を設置して行きます。
寝室が終われば次は風呂の設置にかかります。
一階にある広めの石造り貯蔵室、大体14畳くらいでしょうか、ここにお風呂を作ろうかと思いますが排水口が無いことが発覚しました。
「う~んしまった、排水は風呂場の基本条件なのに見落としてた。」
そう呟いてどうしようか考えます。
一旦家の外に出て貯蔵庫の辺りを外から見るとどうやら貯蔵庫は後から増築したようで家から石造りの貯蔵庫が飛び出している感じです。
「よし、」
そう言ってアイテムBOXから捜索時に拾い集めた岩を出していき錬成術で石と貯蔵庫に魔力を流し込み石積の建物に使われている石と岩を融合させさらに部屋拡張と部屋の高さを1メートル位高くして行きます。
大体1.5倍くらいの広さになったでしょうか。
まあ外からの見た目より機能重視なので気にはしませんが、家から飛び出した感じの貯蔵室がさらに大きくなり外から見るとアンバランスな家になってしまいました。
今度はもう一度中に入り貯蔵室内にアイテムBOXから岩を出していき貯蔵室を嵩上げして行きます。
イメージとして貯蔵室を改装したお風呂には、階段を5段位上がり脱衣所がありそして一段降りて浴室がある感じのイメージです。
階段と脱衣場は合計で7畳くらいで浴室部分は14畳そのうち浴槽は5畳ぐらいの広さにします。そして排水ですがホームセンターから頂いて来た塩ビパイプを浴室、浴槽に錬成術で埋め込んで下水道につなげ、最後に錬金術で貯蔵室だった建物全体を一つの石になるようにすべてを融合して行きます。
そして脱衣所と浴室の扉は大型ショッピングモールに行った際、入っていたテナントのスライド式ドアを頂いてきていたのでそれを設置します。
こんなこともあるかと商品以外にガラス製品、金属製品を色々頂いてきていたんですよ。
うん、錬成術サイコ~!!後からでも魔力を流してイメージして作業すれば排水管も設置できるし塩ビパイプのつなぎ目も錬成術で融合させれば水漏れの心配もない、そして万が一破損して水漏れが起きても錬成術で魔力を流して修理も出来る。
我ながら便利な職業を頂いたもんだ。
そう心の中で自画自賛してしまいます。
最後に脱衣所の入り口に木で扉を作って完成です。
なんか異世界生活始めましたって感じになってきた気がします。
あとは水魔法で水を溜めて火魔法でお湯にすればいつでも入れます。
脱衣所には服やタオルを置く棚を、壁に大型の鏡を設置し部屋の一角に掃除用具入れを作ってデッキブラシと水切り、大きめのスポンジを数個入れておきます。
うん、完成!!と思ったんですが浴槽内が密閉空間なのを思い出しました。
しまったと思いながら浴槽に一段高くした部分を作りそこから手の届く範囲に錬成術で窓を設置し防犯対策として外から鉄を使って窓に格子を付けます。
今度魔道具で換気扇作ろう・・・。
そう思いながら完成した家の中を見て周ります。
光源が少なく少し薄暗いですが、今度ハノンさんの所でライトを量産して設置しましょう。
気付くともうすぐ夕方なので兵舎に行ってアモンさんに引っ越しの挨拶して月山部長が居る相談所に向かいます。
「こんにちは~月山部長いらっしゃいますか~?」
そう言って部屋の中に入るテレビなんかでよく見るどこぞの社長室みたいな窓辺にデスクと椅子があり、その正面に応接用ソファーとテーブルが置いてある感じのレイアウトになっています。
「あ~武内くんか」
そう言ってデスクから立ち上がり応接用のソファーを勧められます。
「どうですか?相談役の仕事は?」
そう言う自分に苦笑いをしながら現在の状況を話してくれます。
「いや、相談役と言っても何にもしていないよ。とりあえずこの町に居る日本人全員と話をして何処に住んで何の仕事をしてるか?何をしようとしてるかのリストを作ってるところでね。」
そう言って一人一人の名前や現在の状況が書かれた紙を指さします。
「相談役っていっても今の所トラブルもないんですることがないって事ですね?」
そういうと月山部長は苦笑いをしています。
「月山部長、書類を管理するならファイルとかあった方がいいですよね?」
そう思ってアイテムBOXから2穴式のファイルを10個と穴あけパンチ、そしてA4のコピー用紙500枚入りを2個差し出します。
「武内君これは?」
「ファイルとパンチとコピー用紙ですが?あ~あとボールペンもいくつかお渡ししますね。」
そう言って4色ボールペンを10本ほど渡します。
「いや、私はこれを武内君がどうして持っているのかが知りたかったんだが。」
そう言えば特に聞かれても居なかったので話していませんでしたので、ネレースと邂逅したこと、望みを叶えてくれるとの事、スキルの替わりにスキルを強化して貰った事を話します。
「そうか、あの神と話をしたのか・・。そにしてもよくそんな要求思いついたな?それにアイテムBOXの特殊フォルダーか・・・。」
そう言って月山部長は感心しているのか呆れているのか分からない顔になってます。
「この話を聞いたら野田君が騒ぎ出しそうだな・・・。」
「そうですね。騒ぎ出すでしょうね。とはいえ在庫に限りはありますんで他人にホイホイあげる量はありませんし。とりあえず自分が日本の生活水準を維持したかったんで思いついた結果ですよ。ただ特殊フォルダー5個のうち残りの3個はまだ空きになっているんで今後慎重に選びます。」
そう言ってついでとばかりにウイスキーのボトルと焼酎のボトルをアイテムBOXから出して月山部長に渡します。
「まあみんなで飲んでください。」
「ああすまんね。」
そう言って月山部長はお酒を自分のもとに引き寄せます。
その後雑談をした後男性用下着や肌着、女性用の下着やインナー、生理用品を箱単位で月山部長に預け相談所を後にします。
月山部長も大変だ。
そう思いながら外に出るともう日が沈みかけているんでどこかの食堂で晩御飯を食べたあとマイホームで寛ぎましょう。
うん、家も買ったし、なんか異世界生活始めました!!って感じになってきた。
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拙い文章・誤字脱字が多く読みづらいかと思いますがお読み頂ければ幸いでございます。
あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。
また、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。
誤字のご指摘ありがとうございます。
出来るだけ1日1話を目指しますが仕事の関係で2日に1話になる日もあるかもしれませんがこれからも頑張って書いていきます!!!




