各国の対応
自分と繋がりのある国に融合が始まった事を伝えると、反応は様々でしたが、最近頻発している地震の事もあり、即座に対策を講じ出します。
とは言え今更出来る対策と言っても国民に国境の外に出ないようにすること、国境となっている川は船を陸にあげて漁などに出ない、海洋国家も船を岸壁に係留し海辺から離れると言ったぐらいです。
そして、隣国へは国境まで使者を出し、国境で隣国の兵士に書状を渡し、使者が融合時に他国に取り残されないようにする事、そして各国から大使として来ている要人を即座に帰国させ、自国の大使にも即座に帰還するように指示を出します。
「それにしてもグランバルさん、このバタバタで息子さんとバイルエ王国のお姫様の結婚話が先送りになったのは残念ですね~」
そう茶化すように執務室でお茶を飲みながらグランバルさんに声をかけますが、グランバルさんはいたって真顔でまだお互い子供だから結婚の話は先でいいと言い切ります。
「まあ確かに、この世界と自分達が元居た世界が融合するなんて事にならなければ問題は無いですけど、流石にこんなゴタゴタの中じゃ結婚の話どころじゃないですもんね」
「ああ、結婚どころか今後、マサト達の世界、地球ってとこに融合された後の事を考える方が重要だ、話を聞く限りじゃ各国が虎視眈々とこの世界の国家を取り込もうと狙っているって話じゃないか」
「まあ、そうですね、とはいえネレースがそれなりに制約というか脅しをしてるんで強引な事は無いと思いますし、国を滅ぼして乗っ取ろうなんて事は無いと思いますよ。 それに自分達が住んでた日本の太平洋側にドグレニム領と、バイルエ王国、パルン王国とクルセルをくっつけた状態で融合されるんで一番近い国が日本になりますから」
「そうだな、その太平洋ってのがどこなのかよく分からんが、マサト達の居た国が一番近い国ってだけで他国よりはましと言った感じか」
そう言って溜息交じりに話すグランバルさんですが、実際の所は融合後にどうなるか分からない部分が多い為、楽観視が出来ない状況のようです。
そだよね…。
一個人ならまだしも領主と言う立場だと領民の生活なんかの事まで考えないといけないからね。
「それはそうとマサト、ロータンヌ共和国の他の領主が治める土地はどうなるんだ? プレモーネみたいに個別で地球に融合されるのか?」
「ああ~、その辺はネレースに聞いてなかったですね、どうなるんでしょう? ロータンヌ共和国としてまとめて融合されるか、バラバラで融合されるか、その時にならないと分からないですね」
そう言うとグランバルさんはそうか、とだけ言って各領主に宛てた書状を作成し始めます。
そうだよね、ロータンヌ共和国として融合されると思ったらバラバラに融合されたなんて事になったら混乱するもんね…。
とりあえず話も済んだので領主館を後にして、月山部長の相談所に向かい、融合の話を伝えます。
月山部長的には地球に戻れる喜びと、異世界が地球と融合する事への不安を口にしていますが、意外とプレモーネの生活にも馴染んでいる感じで恐らく家族と連絡さえ取れれば直ぐに日本に帰りたいとは言いださなさそうです。
まあ自分の手でいろんな事業を立ち上げてそれが形になったからね、今更日本に戻ってサラリーマンってのも物足りないかもしれないな。
後は野生化して二ホン砦に住み着いた滝山さんとか異世界だ~!! って言ってチートを満喫してる人達はどうするんだろう?
まあチートで無双してる日本人は暫くの間はそこそこ需要ありそうだけど、あの痛い格好はどうするんだ?
異世界だから微妙に許されてる感はあるけど地球に戻ったら、魔物とガチで戦えるレイヤーに成り下がるような気がするんだが…。
まあ本人達の意思を尊重してそのまま好きにさせればいいんだけど…。
うん、自分なら絶対にあの格好をして地球で魔物狩りはしたくないな。
ていうか日本に送り届けようかな…。
スケルトンが出没してるって言うし、痛い人を送り込んでスケルトン退治させるのもありな気がしてきた。
ただ日本政府的には一般人だから危険のあるスケルトン狩りに参加させて怪我でもしたらって考えるだろうから送り込んでも無駄な気もするけど。
とりあえずは日本政府のお手並み拝見と言った感じかな。
スケルトン相手にてこずってたら普通の魔物なんか相手に出来ないし…。
いや、銃火器が通用するなら普通の魔物の方が倒しやすい?
どちらにしても、魔石の回収を徹底して貰わないと、上位種がバンバン現れて対応が大変になるからその辺だけは注意してもらいたいもんだね。
うん、自分はクルセルをまともな国として機能させる方に力をいれよう。
日本やその他の国々は自分達で何とかするでしょ。
次回更新は12日(月)を予定いたしております。
更新が遅くなり申し訳ございません。
尚、どなたかレビューを書いてくださる猛者は居ませんでしょうか?
と思う今日この頃…。 自分でもこの物語のレビューをうまく書ける自信がありません。
そんな中でも読んで頂き、ブックマーク・評価、また、感想を頂き誠にありがとうござます。
拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。
あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。
また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。




