表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

193/252

捕縛報告と帰還準備

屋敷を制圧し、捕縛した人間の連行の手配をしていた兵士長さんに自分はプレモーネに戻る旨を伝え、転移魔法のゲートでプレモーネの自宅に戻ります。


兵士長さんはワンダムさんや国王と会って、お礼をと言ってましたが、近いうちに王城に顔を出す旨を伝えると、納得してくれます。

まあ頭を潰したし、本も大量に出回っているから反乱も下火になって近いうちに火も消えるでしょう。


そう思いながらも自宅のソファーに身を投げ出してお茶を飲んでからゲートを開きます。


「あっ、武内さん、この前言っていた反乱を煽動してる人の件ですか? どうなりましたか?」

自分が開いたゲートに気付くなり鈴木さんが挨拶もそこそこに開口一番で質問をぶつけてきます。


「ええ、ついさっき、反乱を煽動していた日本人7人と異世界人の幹部を捕縛しましたよ」

「捕縛、という事は日本人全員は無事なんですね?」


「まあ無事は無事ですよ、早朝の寝込みを強襲しましたから、ロクに抵抗する間もなく拘束されてましたよ」

「そうですか、場合によってはその場で殺害なんて可能性も予測されていたので、無事でよかったです」


「無事で良かったですか? 日本政府としては殺害されていた方が良かったんじゃないですか?」

「いえ、そのような事はありません、転移させられた日本人の無事は一人でも多い方が良いに決まってます。 それが例え異世界に混乱を招いた人であってもです」


「そんなもんですか、でも日本の法律では反乱を煽動した人達を裁けないですよね? そもそも身柄の引き渡しに応じるかどうかも怪しいですけど」

「そこは武内さんが交渉をして頂き、身柄を日本に送ってくださるのではないのですか?」


「自分が交渉? 拘束された際に自分の事を散々罵倒して、日本に戻ったらお前の事を悪く言って日本で生活出来ないようにしてやるとか言ってた人達を、交渉して助けろと?」

「そんな事を言っていたのですか? とは言え日本政府としては日本人の命は大切ですから何としても交渉をして頂かないと困ります」


「交渉ね…。 そもそも問答無用で処刑確定の人間をどうやって無罪放免にしろと? 交渉と言っても話して済む問題じゃないですよ? 反乱が起きた事で国家に甚大な被害が出てるんですから。 その辺はどうしろと?」

「そ、それは、私の一存ではお答え出来ませんので、報告をして指示を仰がないと何とも…。 武内さんには即刻処刑されないように…、政府としての対応が決まるまで時間を稼いで頂きたいと思っています」


「それは賠償金を支払うという事ですか? ていうか交易国家で財政も潤沢にある国ですから多少のお金ではどうにもなりませよ? それに日本の通貨とか使えませんし、唯一共通して価値が認められているのは純金とかぐらいですし」

「そちらについても報告し、検討をして貰います」


「まあ、それについては、それでいいとして、あの人間達を日本に戻したら、ある事ない事を言いふらして自分を貶めるでしょうが、それについてはどう対処してくれるんですか? かなり自分に対して敵意と悪意を剥き出しにしてますし、そんな人間を自分が守る理由が無いんですよね」


そう言うと鈴木さんは困ったような顔をして考え込みます。

まあ確かにそうでしょうね、日本人の命は一人でも多く守りたいけど、下手な事を言って自分の臍を曲げさせたら助命交渉をして貰えないどころか、日本政府との接触すら危なくなる。

決定権の無い中間職はある意味板挟み状態なのでしょう。


「そもそも自分は日本ではどの様に公表されてるんですか? 一応現状はお伝えしてますが、マスコミやSNSの反応とか、その辺が気になりますよね」

「武内さんについては政府が極秘扱いをしているので、特に報道とかはされていません、とは言え異世界に転移した人達が日本に戻れない可能性を考慮して自活が出来るように尽力している日本人が居ると言う事は公表してますが、マスコミとしてはそのような話より政府批判や問題を起こした日本人の事の方がネタになるのでそちらの方が主に報道されています」


「そうですか、そんな中で、反乱を煽動した野田課長達を日本に戻したらあっという間に自分が悪者扱いされますね、事実と違っても無責任なマスコミからしたらネタになるでしょうから」

「そのような事はさせません、そもそもそのような行為をした人間を野放しには出来ませんから」


「とは言え、日本の法律では拘束すら出来ず、野放しですよね? まあ交渉しても処刑を止められるかも分からないんで今話しても仕方ない事ですけど」

「確かにそうですが、武内さんしか交渉出来る人は居ないので、そこは何とか助命を取り付けてください」


そう言って直角になるほど頭を下げる鈴木さんにこれ以上不満を言って困らせたところで何の解決にもならないので、一応交渉はする旨を伝え、話題を変えます。


「それで、鈴木さん、日本人の帰還を始めたいんですけど、受け入れ態勢ってどうなってますか?」

「帰還者の受け入れですか? 現時点で帰還は想定外なので受け入れ態勢と言うのはありませんが、帰還を始めるんですか?」


「そうですね、ゲートの大きさはこの大きさが最大なんで帰還したい人の体格次第ですけど、何時までも異世界に留めておくよりは帰れる人間から帰していかないと後で一気に大勢が帰還なんてことになりますし」

「確かに、一気に大勢よりも少人数の帰還を繰り返せば混乱は避けられますが、上に確認しない事には…」


「じゃあとりあえず、2日後には数名帰還させますんで、それまでに何とか方針を決めておいてください。 検疫とか理由を付ければ暫くは隔離できるでしょうし、政府としても実績があれば少しは批判を和らげられるでしょ」

「そうですね、ただ人が通れるゲートがあるなら捜索隊をとか言い出す可能性もありますし、そうなるとそれも問題になって来るの可能性がありますし」


「それに関しては、ゲートは一方通行とでも言えばいいじゃないですか、実際、ここに居る人と一部の政治家しかこのゲートを見て無いんですし」

「一方通行と言うのは良いとして、一方通行の理由はどうするんですか?」


「理由? そんなのは魔法という科学で解明できない物の力なので原理不明と言えば万事解決でしょ。 実際に原理を説明したって誰も理解できないんだし」

「確かにそうですね、では上には2日後に異世界からの帰還者が来ると伝えておきます。 武内さんの方からも帰還者の人達に、短くてひと月は検疫の観点から隔離をさせてもらう旨を納得してもらってください」


「わかりました、その辺は少し脅かす感じで伝えておきます。 まあ実際に変な伝染病なんか地球に持ち込んだら大事ですからね。 まあ後は記者会見をとかマスコミが騒ぐでしょうが、個人情報保護の観点から音声のみとかでの質疑かなんかで誤魔化すしかないでしょうね」

「確かに、顔を晒しての記者会見は出来ないので音声のみとはなるでしょうが、果たしてマスコミが納得するかですね」


「その辺は、与党幹部だけじゃなくて野党の幹部も帰還者と面会させて各党首連名で帰還者だとマスコミに発表すればいいんですよ、野党も帰還者と面会したいでしょうし、連名での発表を拒否したら面と向かって批判できますし、与党からしたら悪い話では無いんじゃないですか?」

「それについては、私の考えではお答え出来ませんので上に伝えさせて頂きます。 ただ武内さんの言う事も一理あると思いますのでそれならマスコミも騒ぎようがないでしょうね」


その後も鈴木さんと多少の打ち合わせをした後、ゲートを閉じます。


さて、月山部長がプレモーネに居る日本人にまもなく条件付きで日本に戻れると伝達してくれているはずだから、異世界人に日本人のやっている仕事の引継ぎとかの準備しないとな…。

急に日本人が居なくなったら管理職が一斉退職した会社状態で工場とか販売所がマヒしそうだし。


どなたかレビューを書いてくださる猛者は居ませんでしょうか?

と思う今日この頃…。 自分でもこの物語のレビューをうまく書ける自信がありません。


そんな中でも読んで頂き、ブックマーク・評価、また、感想を頂き誠にありがとうござます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ