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集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

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謁見の間

243日目


午前中はパルン王国の首都ブテナ見物をし、昼過ぎに宿に戻り日本にゲートを開いて追加の本を受け取ります。


「鈴木さん、急ぎであと8万冊程欲しいんですけど何日ぐらいかかりますか?」

「そうですね、一応現在大至急で大手企業に依頼していますのでそう時間はかかりませんよ、大体3日程居頂ければ用意できるかと…」


「4日ですか? もっと時間かかるかと思ってたんですけど意外と早いですね?」

「まあ既にデータは取り込む作業は終わってますから後は業者にフル稼働してもらうだけですから」


「分かりました、しゃあ3日後に8万冊を受け取りに来ますんで用意をお願いします。 一応反乱が起きてる国のお偉いさんとは話が付いたので後はある程度まとまった数をばら撒くだけなんで」

「分かりました、では業者へは急ぎ増産を指示します。 それで8万冊を納入した後も予定通り残り10万冊を用意して大丈夫ですか?」


「いえ、申し訳ないんですが追加で10万冊、合計で30万冊お願いします。 念のため隣国にもばら撒いておきたいんで」

「分かりました。 では合計で30万冊を用意するようにします。 それにしても日本で30万冊も発行する本なんて言ったらベストセラーと言ってもおかしくないぐらいですね」


「ええ、多分異世界のベストセラー間違いなしです。 恐らく更に増産依頼するかもしれませんし」

「はぁ~、それにしても日本で芽の出ない作家さんや漫画家さんが異世界に行ったら大人気作家になれますね」


そんな事を言う鈴木さんと雑談の後、本をアイテムBOXに収納しゲートを閉じます。

3日後か、予想よりも早かったな。


その後、王城へ向かいワンダムさんに追加の1万冊を渡し、残り8万冊は3日後に用意出来る旨を伝えます。

ワンダムさんは3日で8万冊を用意出来る事に驚いていましたが、異世界の技術という事で無理やり納得してもらいます。


流石に自分は日本と接触出来て日本で製本した物を運んでるだけとは言えませんからね。


納品が終わった後、ワンダムさんがこちらにとの事で自分をどこかに案内するのでついて行くと、行きついた先は王城内にある謁見の間でした。


「マサト殿、わが王、イザーム様がお会いしたいとの事だ、今用意をしているので暫くお待ちくだされ」

そう言って自分を王座から10メートル程離れた場所にて待つように言ってワンダムさんはその場に片膝をついて王様を待つようです。


謁見の間は何か所か見た事がありますが、国によって雰囲気も違うようでパルン王国の謁見の間は広い空間に貿易で得たのでしょうか、各地から取り寄せたと思われる様々な物が飾られており、どちらかと言うと無駄に展示物の多い博物館といた感じです。


5分ぐらい時間が経ったでしょうか、複数の足音が謁見の間に響きパルン王国の王様がやってきます。

王様が玉座に座り、護衛の兵士持ち場に立つとおもむろにワンダムさんが口を開きます。


「国王イザーム様、異世界人のマサト=タケウチ殿をお連れ致しました」

「うむ、大儀である、 マサトと申したな、私がパルン王国国王のイザーム=パルンだ!」


そう言って野太い声で名乗りをあげる国王のイザームさんですが、外務卿のワンダムさん同様に赤銅色に日焼けした筋骨隆々の海の男と言った感じです。

ていうか王様なのに服装がえらくラフというか船乗りそのまんまというか…。

そんな第一印象をいだきつつも挨拶をされたので自分も挨拶をします。


「ドグレニム領、プレモーネの町を拠点としています、日本人のマサト=タケウチです」


そう自分は名乗ると国王のイザームさんは、「うむ」 とだけ言い黙ります。

暫くの間、謁見の間に静寂が流れますが、その静寂を破ったのはワンダムさんでした。


「イザーム王よ、このマサトがくだんの本を持ち込んだ者でございます。 マサト殿いわく反乱者共が口にしている主義は異世界では社会主義と言うようで、その主義の行く末は破滅しかないとの事でございます」


そう口を開き説明をしだしたワンダムさんの言葉にも国王のイザームさんは、「うむ」とだけ言って黙ります。


いやいや、話盛り上がらんな…。

ていうかさっきから、うむ、としか言ってないじゃん個の王様。

そう心の中でツッコミを入れますが、謁見の間には再度沈黙が流れます。


なんか自分がわざわざ王様に会う必要なくない?

ていうかさっきワンダムさんが言った内容も既に聞いてて知っている内容でしょ?

それを再度伝えたのに返事が「うむ」だけだとその後に話が繋がらないじゃん!


「ていうかさっきから王様、「うむ」としか言ってないじゃん! わざわざ謁見の間まで招いたんだから何かしゃべろうよ!」

うん、ついついツッコミを入れてしまった…。


そんな自分の言葉に国王のイザームさんは「うむ」と言ってまた黙ります。

おい! だからなんか喋れよ!


そんな事を思っていると、ワンダムさんさんが口を開きます。


「マサト殿、我らが王、イザーム様は少々口下手で人見知りなので平にご容赦願いたい」

「人見知り? 口下手? いやいや、だったら代弁者みたいな人を雇って、謁見の前に大体聞きたい内容、話したい内容を打ち合わせしといて、謁見の際に代弁者に話させればいいじゃん!」


「なんと! そんな方法が…。 流石異世界から来られた方は素晴らしいアイデアをお持ちだ!」


えっ? 素晴らしいアイデア?

いやいや、普通に誰でも思いつく事でしょ!

ワンダムさんあんた何を言ってるんですか…。


「うむ、それは誠によいアイデアである! 異世界人のその提言、是非とも取り入れさせてもらおう」

そう言って鷹揚に頷き感心した感じの顔をしているイザームさんですが、これって普通に誰でも思いつく事だからね?


「まあその辺はご自由にという事で、王様的には反乱の首謀者と思われる日本人は誰かとか分かっているんですか?」

「うむ、それがな、間者などを使い異世界人を手広く集めはしたものだから細かく名などを記してなかったのでな、誰が居なくなり反乱の首謀者になったかが分からないのだ…」


「そ、そうですか…。 ていうか普通最初に名を記すなどして管理しません? なんで反乱が起きた後に名を調べて管理しはじめるんですか? 順番逆ですよ」

「うむ、ネレース様は異世界の知識や技術で国を豊かにしてくれると申されておったので、まさか反乱を起こそうとする者がおるとは…」


う~ん、イザームさん見かけはガタイの良い海の男って感じなのに話すとウジウジしたような、自信のない喋り方をするような…。

なんで毎回、どんどん声が小さくなっていくの?


「まあ、その辺は今更なんですけど、とりあえず本をパルン王国内にばら撒くと言うのは問題ないんですよね?」

「うむ、問題ないのである、むしろあのような立派な造りの本を無償でばら撒き我が国を救おうとしてくれる事が疑問ではあるのだが…」


「それはそれだけ社会主義と言う物が面倒な主義だって事です。 それにあんなのがこの世界に蔓延ったら異世界で生きて行こうとしている日本人の為になりませんし。 まあ後は今後のドグレニム領とバイルエ王国との友好的な関係を築く為の礎にしたいってところですかね」

「うむ、そうか、確かにこのような主義主張が現実になれば王国と言う物が根底から覆されてしまうだろう。 それはこの世界に混沌を生み出すという事だな」


そうイザームさんは納得した感じで何度もうなずいています。


「ついでに本をばら撒くと同時に国内に噂も流してください。 内容は、反乱の首謀者達が話しているのを偶然聞いてしまったんだけど、どうやらこの本の内容は本当らしいぞ? なんでも反乱を主導している奴らはカラクリが暴露されたって騒いでた。 って感じでお願いします」

「うむ、噂か…。 それだけで効果は見込めるのか?」


「ええ、これで反乱を企ててるものが本の内容は出鱈目だ! と言って破棄するように指示を出したら噂が真実味に思えてくる人間も出て来るでしょうから」

「うむ、分かった、噂に関しては間者を使って国内に流すよう指示をだそう」


ていうか、話し出したら普通に話せるじゃん。

多分初対面の相手とは何を話したらいいのか、話が続かなかったらどうしようとか考えちゃうタイプなんだろうな。


そんな事を思いながらも、その後はしばらく雑談を交わした後、謁見の間を後にします。


さて3日後か、とりあえずワンダムさんに風呂の売り込みをして王城に風呂でも作って金稼ごうかな。


王城と日本人用、男女別として最低でも4箇所風呂を設置するとして600万レンでいいか。


まあまあの稼ぎだな…。

どなたかレビューを書いてくださる猛者は居ませんでしょうか?

と思う今日この頃…。 自分でもこの物語のレビューをうまく書ける自信がありません。


そんな中でも読んで頂き、ブックマーク・評価、また、感想を頂き誠にありがとうござます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

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