上位種の出現
パキィィィーーーーン!パキパキパキパキパキパキパキパキパキパキ…
ゾルスやカウア達が戦う場所からそれなりに離れた場所に着弾した氷槍が辺り一面を凍り付かせウェアウルフ達を氷像にしていきます。
それにしても着実に数は減っているはずなのに、見る限りは減ったように見えないな…。
まあ町を囲むように居たウェアウルフがこっちに全部集まって来てるんだから当然か。
そう思いながらも氷槍を撃ち込み数を減らします。
「ワァオォォォォォォォォォ!!!!」
遠吠えとも咆哮とも言えそうな声が聞こえたので、声が聞こえた方を見るとどうやらウェアウルフが上位化したような感じです。
「ヴォオォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
ゾルスが負けじと咆哮をあげると、ゴブリン達もゾルスに倣い咆哮をあげます。
「やっぱ上位化したね…。あとはこの後どの位が上位化するかだけど」
そう言って横に居る領主のタステイさんを見ると、上位化したウェアウルフの咆哮と、ゾルスの咆哮に驚いて腰を抜かしています。
「大丈夫ですか?」
「ああ、少し驚いただけだ、それにしても咆哮がここまで響いて来るとは…」
「まあ今のはお互いに、かかって来いや!!って言ったようなもんじゃないですか?」
そう言ってタステイさんを安心させようとしましたが、立ち上がったタステイさんの足が生まれたての子馬のようにガクガクしています…。
うん、とりあえず、領主がそれじゃ格好つかないから、その辺に座っとこっか。
そう思いながらもゴブリン達とウェアウルフの戦いの推移を城壁の上から見ると、やっと拮抗しだした感じです。
う~ん、この拮抗した状態で上位化したウェアウルフが出て来ると、また均衡が破れて押され始めるよね。
どうしたものか…。
そう考えながらも氷槍をウェアウルフの群れに撃ち込み続け、しばらくすると、氷槍の射程内にウェアウルフが近寄ってこなくなります。
さてさて、流石に学習されて射程内に近寄ってこなくなったよ。
ゴブリンの陣形を変更させて射程内におびき寄せるか、だとしても、拮抗した状態で下手に陣形変更なんかしたら一気に崩れそうだし・・・。
「ワァオォォォォォォォォォ!!!!」
「ワァオォォォォォォォォォ!!!!」
うん、上位種増えたね…。
どうしたものか。
城壁から戦場を見渡しても、これと言って自分がこの場に居ても有効そうな攻撃が出来そうにありません。
やれやれ、諦めて城壁外の戦闘に加わるか。
そう思いアイテムボックスから大剣を取り出し、魔力回復ポーションを飲みながら城壁を降りて門の所に向かい、門を警備する兵士に声をかけます。
「とりあえず、戦闘に加わるんで通用門でいいから通してくれる?」
そう言って外に出る旨を伝えると、兵士は一瞬驚いたような顔をして引き止めようとしましたが、隊長さんらしき人に止められて、恐る恐るといった風に通用門の閂を外してくれます。
「自分が外に出たら閉じて、戦いが終わるまで開けなくていいからね」
そう兵士さんに伝え門を出ると、城壁の上や門の内側とは違い、明らかに張り詰めた戦場の空気といった感じがします。
とりあえずは、大剣で手あたり次第に叩き斬りながら最前線に出て、氷槍を撃ち込んで数を減らそうかな。
そう思いながら大剣を構えてウェアウルフの群れに向かって走り出します。
バッシュ!! バッシュ!!
大剣を振るいウェアウルフを斬る度に、そんな音が聞こえて来そうですが実際はあまり音など聞こえず、手にウェアウルフを斬った際の感触のみが伝わってきます。
一旦は、100匹単位で防御陣形を組むゴブリン達と交戦しているウェアウルフに狙いを定めて走りながら斬りかかり、援護をして行きます。
だめだ、数が少ないのに、防御陣形を組むゴブリン部隊の間隔が広がり過ぎてるから効率悪い。
とりあえずは当初の予定通り最前線に行こう。
そう思い、一旦ロゼフが指揮を執る集団に行き、指示を伝えたらそのままゾルス達が戦う最前線に向かいます。
手あたり次第に大剣を振るいウェアウルフを斬る度に、斬った際の感触のみが伝り続けます。
最前線に出ると、城壁の上から見ていた光景と違い、ウェアウルフが目の前に犇めいて居る感覚に襲われます。
城壁の上からだと、間隔がそれなりに空いて居たように見えたけど、近くで見るとかなり密集しているように見えるな・・・。
そう思いながら、右手で大剣を振るいながら、左手に魔力を集め氷槍を作りウェアウルフの群れの中に放物線を描くように投げつけます。
パキィィィーーーーン!パキパキパキパキパキパキパキパキパキパキ…
冷気が辺りに漂い着弾点を中心に一帯のウェアウルフが氷つきます。
よし、これで行こう。そう思いながらも右手で大剣を振るい、左手で氷槍を撃ち込んでいきます。
遠目に見ると、ゾルス達とカウア達が前線を支え、ホブゴブリン小隊が前線を抜けたウェアウルフを迎え撃ち、その援護にアルチ達サンダーウルフが駆けまわると言った感じです。
魔力はまだ余裕あるから、ガンガン氷槍を撃ち込んでいこう。
そう思いながら、氷槍を撃ち込んだ直後、突如目の前に一際大きな影が現れ、鋭い爪を自分に向けて振り下ろしてきます。
ガキィィィーン!!!
大剣で爪を防ぎますが、すぐに左側からも鋭い爪が迫ってきます。
咄嗟に後ろに飛び距離を取ると、目の前には通常のサイズよりも二回りぐらい大きな上位種と思われるウェアウルフが居ます。
うん、爪とか牙とか普通のウェアウルフよりも凶悪に見えるんだけど…。
前傾姿勢で大剣を担ぐように構え、一気に距離を詰めて力任せに大剣を振り下ろします。
いくら上位種とは言え、自分とのステータス差に開きがあるのでしょう。
大剣をウェアウルフの頭上から一気に振り下ろすと、なすすべもなく両断されます。
あっけない…。
上位種だからって警戒する必要性は無かったな…。
そんな事を思いながら上位種の魔石だけを回収し、大剣を振るいながらウェアウルフの群れに突入します。
暫くしてふと気が付くと、流れが変わって来ているのか、ウェアウルフの群れ自体が浮き足立て居る感じがします。
どうやら、数が減ってきた事と、本来群れを統率するはずだったであろう上位種が早々に討ち取られたのが影響しているうえ、ロゼフが指揮するゴブリン達が隊形を維持したまま前進を開始したことでウェアウルフ達に動揺が走っているようです。
勝ったな…。
そんな事が頭をよぎりましたが、ここで気を抜いて形勢が逆転しても困るので手を抜かず、自分はウェアウルフの群れの中で暴れまわります。
ただ自分が倒したウェアウルフの魔石に関しては、上位種の魔石以外は基本的にそのまま放置なので、魔石を摂取して上位化したウェアウルフがチョイチョイ現れては討ち取られるを繰り返しています。
さてさて、あとどのぐらいで片付くのかな・・もう少しでかたが付きそうだけど。
そう思っていると、べロイニレスの町の城門が開き、兵士や冒険者が参戦するようで、兵士は小隊ごとに、冒険者はパーティーごとにウェアウルフに向かって行きます。
そして、それに合わせるかのようにロゼフの指揮するゴブリン達も隊形を解き、一気にウェアウルフに向かって突撃を仕掛け始めます。
恐らく戦闘が始まる前の1/10ぐらいまで減っているであろうウェアウルフの多くは、新手の参戦に戦意を失ったようで、浮き足立ち、四方に逃げ始めて行きます。
とは言え一部は、ゴブリンや人間を獲物と認識し向かって来るのも居ますが、完全に数の優位が逆転しているので囲まれて討ち取られていきます。
それにしてもゴブリン達が、走ってはなんか拾って食べて、また走ってはなんか拾って食べてって感じだけど、まさか魔石を拾い食いしてる?
いや確かに魔石はその場で摂取しろって指示したけどさ、それは自分が倒した奴の魔石をだよ。
その辺に落ちてるのは、自分やゾルス達が倒したウェアウルフの魔石だよ。
そんな事を思っているうちに、べロイニレスの町を囲んでいたウェアウルフの多くは討ち取られ、生き残ったものも逃げ出し、立っているのはゴブリン軍団と、兵士に冒険者だけとなります。
ふぅ~。
勝った。
そんな風に思っていると、べロイニレスの兵や冒険者が勝鬨をあげ、町からは鐘などを鳴らし勝利を町中に知らせている感じです。
まあいいんだけどさ、あたかも激戦を制したように勝鬨あげてるけど。皆さんそんなに働いてないよね?
とりあえず自分は一旦、ロゼフの所に向かいゴブリン軍団の被害状況の確認と魔石の回収を指示し、ゾルス、バルタ、ハンゾウにカウア達ミノタウロスには町周辺の警戒を、アルチ達サンダーウルフには四方に散って逃げたウェアウルフの追跡と周辺村などの偵察を指示しておきます。
さて、じゃあ自分は町に凱旋するとしましょうか。
それにしても結構頑張ってウェアウルフを倒したけど、レベルは上がったかな…。
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異世界人順位:2位
名前:マサト=タケウチ 人間 (35歳)
LV:372
職業:錬成術師
ステータスポイント:500
HP:1289
MP:3544
体力:966
筋力:789
敏捷:409
知力:345
物理耐性:280
魔法耐性:215
スキルポイント:1158
スキル:
中級火魔法LV7 中級水魔法LV8 中級土魔法LV4 中級風魔法LV3 中級雷魔法LV2
中級光魔法LV4 中級闇魔法LV1 上級死霊術極 上級付与魔術極 上級影魔術極
中級剣術LV7 中級大剣術LV8 状態異常無効 鑑定LV10 アイテムボックス∞×∞
風纏いLV1 見切りLV8 加速LV3 転移魔法 創造魔道具作成
保留:
質問残0回 ・質問自由1回 ・スキル選択残:3個 ・望み3個 ・望む物:0個
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