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集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

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ウェアウルフの群れ

192日目


本日は昨晩から降り出しだ雨が大地を潤してなんて言えば聞こえがいいですが、雨が降ると道路とかがアスファルトで舗装されてないから地面がぐちゃぐちゃで歩いて移動するのも一苦労です。


そんな中、グランバルさんに渡してある通信魔道具を通じて領主館に来てくれとの連絡が来ます。

うん、最悪だ、絶対ろくな事じゃないし、確実に魔物の大量発生だよな……。


そう思いながら転移魔法で領主館に向かいグランバルさんの執務室に入ると守備隊隊長のアモンさんに、兵士長のタロイマンさん、ギルドマスターのバンズさん、副ギルドマスターのウィザーさん、年配の兵士のマイルセンさんが集まっています。


あっ、やっぱりこれ絶対魔物の大量発生がらみだ・・。


「マサト、すまんな雨の中来てもらって」

「いえ、まあ転移魔法で移動してきたので雨に濡れてませんし、まあ転移魔法無かったら家から出ませんでしたけど・・・」


「いや、そこは雨の中でも来てもらわんと困るぞ!まあ冗談はその辺で本題に入るが、ロニーニャ領から救援要請が来た。領主のタステイが居るべロイニレスの町をはじめ、近隣の村々にもかなりの被害が出ているらしい」

「それでどんな魔物がどれぐらいの数で現れたんですか?」


「ウェアウルフの群れだ。数はかなりの数としか分かってない」

「狼男、人狼って事ですか?」


「そうだ、まあコボルトの上位種と言われている魔物だが、動きが素早いうえ爪や牙がかなり鋭くオークなんかより厄介な魔物だ」

「まああの領主の事ですから、町の防備を固めて村は見捨ててるんじゃないですか?」


「マサトの印象ではそう思うかもしれんが逆だ、村々に兵士を派遣して防衛にあたった結果べロイニレスの町が手薄になり防戦一方だそうだ。そのうえ村々に派遣した兵士も村を守るのに精いっぱいでで町の救援に向かえない状態らしい」

「それは意外、とは言え防衛機能もある町ですから早々陥落はしないんじゃないですか?暫くしたら群れも小さくなって散りそうですし」


「いや、ウェアウルフは元々群れで行動する魔物だ、その魔物の大群という事は率いているボスが居るはずだ。そいつが居る限り群れが小さくなる可能性は少ない、恐らくいくら防衛機能があってもこのままでは陥落しかねん」

「そうですか、それでグランバルさんは兵を出すんですか?一応自分は領主のタステイさんにはゴブリン軍団を領内に入れる事は絶対認めんと言われてますんですけど・・・」


「まあどうせそれはウェアウルフを討伐したら態度が変わるだろう。まあこちらとしても救援依頼が来た以上何もしない訳にはいかんから兵は出すが、プレモーネでも同様の事態がいつ起きるか分からん以上、被害をあまり出したくないというのが本音だ」

「まあそうなりますよね・・・。だからうちのゴブリン軍団をという事ですね?」


「まあそうなるが、マサトに頼みたいのはもう一つ、ドグレニム領の兵をロニーニャ領に、いやべロイニレスの町に送ってほしい。その上でマサトのゴブリン軍団で外側からウェアウルフを討伐を頼みたい」


そう言ってグランバルさんは真顔で言いますが、実際それだとうちのゴブリン軍団の被害がどれだけ出るのか・・・・。


「それでドグレニム領の兵はどの程度送り込むんですか?」

「それだが、兵士長のタロイマンを指揮官として歩兵200、弓兵200、魔法兵50だ。後はポーションや矢など消耗品を運ぶ予定だ」


「まあ、どうせ自分には拒否権は無いんでしょうし、引き受けますけど、一応条件としてロニーニャ領に居る日本人のリストを要求させてもらいます。まあこちらにも色々と都合があるんで・・・」


そう言ってグランバルさんにこちらの要求を飲ました後、というかウェアウルフを討伐した後の交渉を約束させ兵士の輸送準備を始めます。


とはいえ現在準備中との事なので、一旦自分は二ホン砦に向かいゾルス達に戦闘準備を指示しておきます。

「ウェアウルフの群れですか?」

「そうみたい、見た事ないけど厄介なんでしょ?かなりの数らしいから激戦になる事を想定して準備しておいて。ドグレニム領の兵を送ったらゾルス達ゴブリン軍団を送るからそのつもりで」


そう言うとゾルスをはじめバルタにロゼフ、そしてハンゾウや幹部になったと思われるゴブリン数匹が全身に力を漲らせるような感じで配下のゴブリン達に戦闘準備を命じます。


「じゃあとりあえず、あとでまた来るから準備よろしく」

そうゾルス達に伝えて領主館に戻ると執務室ではグランバルさんとマイルセンさんが地図を見ながらなにやら話していました。


「すまんな、都合よく使ってるのは俺もよく分かってるが今はどんな手を使ってでもドグレニム領を守る、それが俺の役目だ」

「まあその辺は良いんですが、地図を見ながら何を話していたんですか?」


「ああ、ウェアウルフのボスを倒した後、ドグレニム領側に逃げ出したウェアウルフが来ないようにする方法を考えていたんだ」

「そういう事ですか、じゃあドグレニム領側からバイルエ王国かタイカル王国側に追いやる形で攻めればいいんですよね?」


「まあそうなんだが、そうなると両国の被害がな・・」

「じゃあとりあえずバイルエ王国には伝えておきますよ。タイカル王国側は頑張ってもらいましょう」


「そうなるな、じゃあバイルエ王国への伝達は頼む。それとまもなく兵の準備が整うから転移魔法で移動を頼む」


そう言うグランバルさんに了承の旨を伝えた後、バイルエ王国の土田に一報を入れて国境の警備を厚くするように伝えます。

土田はブツブツ文句を言ってましたがこれで何とかなるでしょう。


そう思いながら待機している兵士の所に向かい転移魔法でべロイニレスの町にゲートを開き兵士を送り出します。

プレモーネは雨が降っていましたが、べロイニレスの天気は厚い雲に覆われているものの雨が降りそうな感じではなさそうです。

雨だったらウェアウルフの群れの後方から奇襲をかけられたんでしょうが、流石に人狼っぽい魔物と言うだけあってこの分だと近づいたら匂いで気付かれそうです。

まああとは風向き次第だろうけどな・・・。


そんな事を思いつつべロイニレスに移動をしていく兵士を眺めていると、先程まで指揮を執っていたのか領主のタステイさんがやってきます。

「お前は以前グランバルの使いで来た日本人、名前は・・・なんと言ったか」

「名前はマサト=タケウチです。ていうかその鎧はどういうセンスなんですか?」


「そうか、そうだったな、マサトか。それにしてもこうも容易く援軍を送り込めるとはなんと便利な」

「いや、まあその辺はどうでもいいんですけど、その世紀末的なというかマッドマックス的な鎧はどうしたんですか?ていうか肩パットにとげ生えてるし、兜はどう見てもモヒカンだし・・・」


「これか?どうだ!なかなか良いデザインだろう!これは日本人のマチダがデザインした鎧だ!」

そう言って胸を張る領主のタステイさんですが、どう見ても世紀末に存在しそうなモブキャラぽいんですが・・・。


そう思いながら返す言葉に詰まっていると、兵士長のタロイマンさんが声をかけ挨拶もそこそこに援軍の兵数や兵の内訳を説明しだします。


どうやら話を聞く限りべロイニレスの町を守る兵士と冒険者は合わせて約900人、そこに志願した町の人が約200人で合計1100人ぐらいで防衛にあたってるとの事。

それにしても城壁拡張前のプレモーネよりは大きい町なのによく1100人程で守れてるな・・。


そう思いながら戦況を聞いていると、どうやらウェアウルフの群れは町を囲むように群がっては来ているものの、城壁をよじ登る事が出来ず、かといって城壁をジャンプして飛び越えるだけの跳躍力も無いようで、もっぱら城壁の上から魔法や矢で攻撃をかけて牽制をしているようです。

とはいえ稀に城壁をよじ登ろうとするのも居るようなのでその際は槍兵が城壁の上から突いて撃退をしてるとの事でした。


「なんで城壁をよじ登ってこないんですか?石を積んで作った城壁ですから隙間に爪をかけて登ってこれそうですけど?」

「それがな、その爪があるから登ってこないようだ」


そう言ってウェアウルフの説明をしてくれましたが、どうやら長く鋭い爪を持っているので反対に城壁などを登るのに適して居ないんだろうとの回答が帰って来ます。


うん、だったら援軍居なくても陥落しなくない?

てことは自分達必要なくない?


そう思いながらも領主のタステイとタロイマンさんの打ち合わせをボ~っとしながら聞き流していましたが、タロイマンさんが不意にこちらに話を振ってきます。

「マサト殿は町の外からゴブリン軍団を率いてウェアウルフへ攻撃をお願いします」

「えっ?いきなり?ていうか町は深刻な状況じゃないんでしょ?だったら先に防衛設備の整ってない村の救援からじゃないですか?」


「確かにそれも一理あるが援軍としてプレモーネから来た我々が基本的に不条理な命令でない限りは援軍先の指揮下に入る、なのでその案は領主のタステイ殿の判断になって来るところだ」


そう言ってタロイマンさんが領主のタステイさんを見ます。

「まあ確かに、マサトと言ったか、お前の言う事はもっともだ、このべロイニレスは早々陥落はしない、とは言えこの町を包囲するウェアウルフの群れ、おおよそ2万ほどか、それを一気に殲滅する力もない。となれば防備の薄い村を先に救援してその後村の守備兵を糾合したうえで挟撃が現実的だ」


「まあそうでしょうが、せいぜい守備兵を糾合しても1000人ぐらいですよね?それで挟撃しても撃退できます?」

「まあ出来んだろうな、だがお前の率いるゴブリン軍団を投入すれば話は変わって来るだろう?」


「そうですね、ただゴブリン軍団で動かせるのは3000匹程度ですから流石に2万の殲滅は無理でしょうね。とりあえずは、村々を襲ってる群れを潰していってその後にべロイニレスの町に群がるウェアウルフの群れにゲリラ戦術でかく乱して追い散らすのが現実的でしょうね」

「だがそれでは村々を襲ってるのを潰しているうちにこちらの戦力がすり減ってしまうのではないか?」


「確かにそれは否定できませんが、村々を先に救援しない事には領内の被害が広がります。それと町に群がっているウェアウルフの群れですが食料はあまり無いでしょう。その辺も考慮すると、周りからせめて行けばいずれ食料不足で他に移動する可能性もありますし」

「食料か・・・・。確かに、農作物は既に荒されているだろうがそれは食料が無くなるという事か。確かに食う物が無ければ食い物がある場所に移動せざるえないな・・」


「まあそんな所です、ところで話は変わってきますけど、以前(領内に魔物を連れ込む事は認めんからな!)とか言ってませんでした?」

「まあ確かに言ったが背に腹は替えられん。領主として領民と領土を守る為なら使えるものは何でも使うしかなかろう」


そう言って前回、思いっきり否定していた、ゴブリン軍団を利用するとは、領主って変わり身はや・・・。

そう思いながらも一応、救援する村の場所などを打ち合わせします。

「ほう、ドグレニム領側から攻めてバイルエ王国かタイカル王国側に追いやる形か、だがそうなると両国から抗議が来そうだが・・」

「まあ抗議が来たとしても魔物のとる行動ですからね。人間が制御できるものじゃないですから。それに一応バイルエ王国には魔物をそっちに追いやるよ。って伝えてありますからバイルエ王国は臨戦態勢整えてるでしょうし、つい最近、魔物の大量発生の際、芋虫駆除手伝いましたから大丈夫でしょ」


そう領主のタステイさんに楽観的な事を伝えると若干顔を顰めながらも渋々了承します。

「本当にバイルエ王国には伝えてあるのだな?」

「はい、伝えてますし、バイルエ王国にはレベルが高い日本人も居ますから大丈夫ですよ」


「ならばその作戦で行こう。では我々は町の防衛を強化して今いる魔物の群れを町に引き付けておく」

「そうしてください。あ、あとウェアウルフって夜行性じゃないですよね?だったら夜、1時間おきとかに群れの中に魔砲弾や火矢をぶち込んで睡眠を妨害し続けてください。」


「睡眠妨害か、効果はあるのか?」

「さぁ~?分かりませんけど、人間なら夜中に魔法や火矢をぶち込まれたら警戒態勢とるでしょ?それと同じですよ。睡眠がちゃんととれなければ思考が鈍くなりますし士気も下がりますから。とはいえ魔物に効果がああるかは分かりませんがやらないよりはましでしょ」


そう言うと確かにと言った感じで皆さんが納得してくれたので、自分は二ホン砦にゴブリン軍団を迎えに行く事にします。


さてさて、どう考えてもウェアウルフってゴブリンより強いよね。

これ勝ち目あるのかな・・・・・。


ブックマーク・評価を頂きありがとうございます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

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