アイテムバッグ
166日目
昨晩からふと思いついた魔道具を作成していたら夜遅くなり起きたら昼少し前です。
うん、よく寝たけど、昨日道作り急ごうとか言ってたのに夜遅くまで起きて昼まで寝てたら意味無いよね。
そう思いながら二ホン砦に移動しロゼフとバルタ、ハンゾウに昨日作った魔道具を3個ずつ渡します。
「マサト様、これはマサト様の国で使われている荷物入れでございますか?」
「うん、魔道具のショルダーバッグ。ていうかみんなアイテムBOXが無いから部隊率いて戦闘をしに行くと食料とかの輸送が面倒でしょ?だからアイテムBOXの効果を付与したショルダーバッグを作ったんよ」
「という事は見た目以上に物が入るという事ですか?それはすごい物ですが、どの程度物が入るのでしょうか?」
「うん、大体10メートル四方のサイズの物まで入るし重量は空でも満タンでも変わらないよ。ただ空間停止機能は無いから生ものとか腐るから気を付けてね」
「なんと・・・、これならそれなりの食料や予備の武器などを運べます」
「うん、だからとりあえず3個ずつ渡したんだよね、自分達の副官的な?補佐役的なゴブリンに預けてもいいだろうし、とりあえずいざという時の為に、腐りにくい穀物と予備の武器をバッグの一つに、常に入れといて、定期的に穀物は入れ替えるようにしといてね」
「かしこまりました。では早速・・・」
そう言ってロゼフ達が食料庫に向かうようなので自分はゾルスの所に向かいます。
ゾルスにも同じ説明をしてショルダーバッグを3個渡しその後は夕方まで道作りの手伝いをします。
「マサト様にお手伝い頂いているので作業がはかどります。この分ならあと3~4日で道が出来るかと」
「マジ?そんなに早く出来そうなの?」
「はい、マサト様のおかげで木を抜くのがスムーズに出来るのでかなりはかどります」
そう言ってゾルスとカウア達は頷いています。
「そう言えば、この道が出来たとして森を抜けるのに人間の歩く速度でどの位かかるか分かる?」
「そうですね、大体2日~3日ぐらいでしょうか、馬車なら2日ぐらいですな」
そう言うゾルスの話を聞く限り、中間地点辺りに交易で通る人が野営できる場所を作成する必要がありそうです。
とりあえず3箇所程野営出来る場所を作って中間地点は広くしておこう。
一応、野営が出来る場所を後で作成する旨をゾルス達に伝えプレモーネに戻り領主館に向かいます。
通された執務室でグランバルさんは書類と格闘していましたが、自分が入ると一時中断してお茶の用意を依頼しソファーに腰掛けます。
「で、こんな時間に来るなんて何かあったのか?」
「いえ、何もないですけど・・まああるとすればあと3日~4日でバイルエ王国に繋がる道が完成しますので砦に入れる兵士を送ってください。一応明日中に兵舎と食料庫、商人達の宿泊所を作ってきますんで」
「そうか、なら明日中に手配して明後日には出発させるが、出迎えはゴブリンか?」
「そうですね、とりあえず砦の機能や内部の案内などはゴブリンがしますんでいきなり斬りかかったりしない人を派遣してくださいね」
そう言うとグランバルさんは苦笑いをしながら了承の意思を示しました。
「あと食料庫には小麦と米を入れておきますんで、プレモーネから運ぶ食料は穀物以外で良いと思いますよ?」
「しばらくの間補給の必要のない穀物が用意してあるとは至れり尽くせりだな」
「まあその辺はサービスです、こちらもバイルエ王国との交易が始まらないと利益出せないですから。それとこれを持ってきたのが本題です。」
そう言ってアイテムBOXからショルダーバッグを10個程だして机に置きます。
「これは荷物入れか?」
「ええ、アイテムBOXの機能を付与した魔道具のショルダーバッグです。大体10メートル四方のサイズの物まで入るし重量は空でも満タンでも変わらないという優れものです」
「そうか、それで1個当たりいくらで売ってくれるんだ?」
そう言ってグランバルさんはショルダーバッグを手に取り品定めをしています。
「そうですね、今回は無償で提供します。まあ条件付きですが」
「条件か・・・。で、どんな条件があるんだ?」
「そうですね、とりあえず大々的にこのショルダーバッグのうわさをドグレニム領に広めてください。そして交易品と同様にプレモーネの商人に購入許可証を発行してください。とりあえず大量に売るつもりは無いんでドグレニム領の商人だけに行き渡る様にしてください。ついでに紛失したら次回購入は出来ないとか噂も流してほしいですね」
「それは構わんが、他国に渡るのが困るのか?他国からも交易品が多く運ばれるから悪い事も無いだろう」
「そうですね、商人だけが使うならそうなりますけど、軍を率いる人間の立場になって考えたら見方もかわりますよ?」
「そういう事か、確かにな、これの数が揃えば兵糧などを運ぶ部隊も必要ないし兵站確保も容易になるという事か」
「まあそういう事です。あと商人達に売るのはグランバルさんに渡したバッグの半分ほどの収納量にしますんで」
「わかった、明日にでも商人達に話をして今後販売される旨を伝え購入許可証を発行しよう。それでこのバッグをあと10個欲しいと言ったらいくらだ?」
「そうですね、まあ1個10万でいいですよ。商人達にも1個10万で話をしておいてください。ただし1人、いや1つの商家につき1個だけという事で」
そう言うとグランバルさんは驚いたような顔をしています。
「そんな価格で良いのか?10倍の値段でも買いたがる奴はいるぞ?」
「まあ他国に噂が広がり欲しがる人が出てきたら2~300万ぐらいで売りつけますよ。ついでにそのことも商人達に伝えておいてください。安易に目先の利益に走ってバッグを売ったりしたらあとで購入しようとしたらバカ高い価格で購入する羽目になるって」
「ふん、要はドグレニム領の商人達が他国で自慢をする事で宣伝になるという事か」
そう言いながらグランバルさんはニヤリと笑いお茶の入ったカップを口に運びます。
そういえば最近領主館で出されるお茶が毎回紅茶なんですが、異世界人はお徳用100P入りの紅茶をそんなに気に入ったのでしょうか?
まあ日本の品が売れるのはいいんですが、反対に現地の物が売れなくなってお茶屋さんが廃業しなければいいんですけど・・・。
その後、しばらく打ち合わせをした後、後日依頼された魔道具のバッグを10個届ける旨を伝え自宅に帰ります。
167日目
昨晩はグランバルさんに頼まれたバッグを10個と商人用のバッグを100個程作り流石に飽きて来たので早めに休みましたが、朝起きて気が付きました・・・。
月山部長に任せっきりになっていた製糸工場と織物工場、そして公衆浴場と交易品販売所の商品の補充を・・・。
そう思いながら朝食を済ませ交易品販売所に向かい商品の補充をしていきます。
流石に数日放置していたのでかなり商品が減っていたので補充に時間がかかりますが、雇い過ぎた人員が居たために何とかスムーズに補充が出来ます。
うん、しばらく補充を忘れてもいいように地下室を作成して地下にも倉庫を作ろう。
そう思いながら、錬成術と土魔法で地下室を作り石造りの倉庫を作成し商品の補充をおこないます。
地下倉庫を作成したことで保管できる交易品もかなりの数がストック出来たのでこれなら10日ぐらい放置しても大丈夫そうです。
まあ10日放置して補充に来たら相当な大仕事になるのでかなり冷たい目で見られそうですが・・・。
交易品販売所を後にする頃には昼過ぎになってしまっていましたので月山部長の相談所に向かいます。
「月山部長~、スイマセンご無沙汰しています」
そう言って相談所に入ると月山部長は何か集計作業をしているようです。
「ああ武内君、ここ数日顔を出さないから何かあったのかと思っていたけど、その分なら何もなさそうだな」
「ええ、ちょっと魔道具作りと道作りに熱中してました。それで公衆浴場の方はどうなりました?」
「公衆浴場はまあまあの滑り出しだな、と言うか守備隊の人達が常連になっていて、そこから口コミで町の人が徐々に増えてきている感じだ。まあ今後も客が増えるだろうから成功だろうな」
「そうですか、人も大丈夫ですか?過剰人員になるかもしれませんが今のうちに雇って仕事を教えておけば2号店が出来た際にスムーズにオープン出来ると思いますが?」
「そう言うと思って既に手配して仕事を教えているよ。グランバルさんの話だと2号店の予定地はあと5日後ぐらいには工事も終わり建設が可能になるとの事だ」
「そうですか、じゃあ売店用のシャンプー・リンスとかを補充しとかないとですね。」
「そうだな、まあ1回買ったら暫くは持つからそんなに急激に減りはしないが新規客が増えればそれだけ売れるからな。あと製糸工場と織物工場だが、明日には完成して明後日には道具の搬入が始まり、早ければ3~4日後には稼働が出来そうだ」
「それは良かったです。これでかなりの人の雇用が確保できるうえに交易品が増えるんで利益も増えますね」
そう言いながら今後の打ち合わせをしばらくした後に相談所を後にし領主館に魔道具のバッグを届けてゾルス達の所に向かい道作りの手伝いを日が沈む頃まで手伝ってから自宅に戻り、その後は商人用の魔道具のバッグを作成してから休みます。
うん、今日も良く働いた・・・。
それにしても魔道具のショルダーバッグ、言うなればアイテムバッグとでもいえばいいのか、何故に今更思いつくんだろう、創造魔道具作成スキルをGETしたときに思いつかないなんて・・・。
異世界に来て働き過ぎで異世界の醍醐味忘れかけてる?
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拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。
あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。
また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。




