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集団転送で異世界へ。 ~神の気まぐれによって?異世界生活~  作者: 武雅
本編

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隣国の被害

ラルに乗りプレモーネに戻ると、偵察に出していたタルチとナルチが帰ってきていて兵舎でブラッシングされています。


うん、なぜに?サンダーウルフ魔物だよ?なんか普通に門番さんがブラッシングしてるんだけど・・・。


そう思いながらサンダーウルフに影から出てもらい、門番さんにブラッシングをお願いし、偵察から帰って来たタルチとナルチの報告を聞きます。


タルチはウェース聖教国方面の偵察を、ナルチは野田課長の追跡をさせていました。


タルチの報告はどうやらウェース聖教国内でも魔物の大発生が起きたようで教国兵と村々にかなりの被害が出ているとの事です。

また、報告に戻る際、グランバルさんの放った間者と一緒に帰ってきたようで、教国内部でも何か起きているとの事ですがグランバルさんに聞かないと詳細は分からなさそうです。


そして野田課長達の行先に関しては、バイルエ王国の北側にあるパルン王国に行ったそうです。

ネレースに貰った地図を見るとバイルエ王国とは国境を接しておらず国土も小さくどちらかと言うと海洋国家的な国のようですが、野田課長達が役に立つのか疑問です。


うん、まあそのうち熨斗付けて返されなければいいんだけど・・。


そう思いながら深夜から働いているので家に帰って寝ようかと思いましたが、既にグランバルさんが先回りをして自宅には使いの人が待機していました。

ほんと・・・一応ドグレニム領を守った自称英雄なんですから少しは休ませてほしい物です。


とはいえ、使いの人を無視する訳にもいかないのであきらめて領主館に向かいます。

領主館に着くと、月山部長に兵士長のタロイマンさん、ギルドマスターのバンズさん、副ギルドマスターのウィザーさん、マイルセンさんが集まっていました。


「マサト、やっと来たか」

そう言うグランバルさんの表情は安堵ではなく厳しい表情です。


「皆さんお揃いでこれから勝利の美酒を楽しむんですか?」

そう言いながら席に座るとグランバルさんはため息をつき呆れた表情をします。


「お前は気楽でいいな、まあスケルトンの大量発生を凌ぎ切ったんだから喜ぶのは分かるが、今から言う他国の情勢を聞いたら笑っていられなくなるぞ」

「ウェース聖教国内でも魔物の大発生が起きたとかですか?」


「それだけじゃない、ドグレニム領で大量発生が起こる前からそこら中の国で魔物の大量発生が起こってるんだよ、その上分かっているだけども相当な被害が出てるんだ」

「そこら中の国でですか?」


「そうだ、ウェース聖教国だけじゃない、その他の国々で起きてるんだ。それによって被害が大きかった国と被害が少なかった国とで国家間のパワーバランスが崩れるとどうなると思う?」

「まあ恐らく余力がある国は弱体化した国を併呑しようとするかもしれませんが無駄な事ですね、むしろこの機に領土拡張って考えて行動を起こしたら痛い目を見るだけですし」


「痛い目をみるだと、どういう事だ?これを機に領土拡張をして大国が生まれるんだぞ?その後その国が更に隣国を侵略するとは思わないのか?」

「まあ魔物の大量発生が今回だけならそうですけど、あと27日後に再度魔力が大地へ大量に漏れ出すんですよ?てことは今後も魔物の大量発生が起きるって事ですから今回の大量発生で弱体化した国を併呑してもすぐにまた魔物の大量発生が起きてその対処に追われることになるだけですし」


「武内君、言っている事は分かるが、国を併呑すれば国力が増す、そうなればそれだけ魔物の大量発生に対処しやすいのではないのか?」

そう言って不思議そうな顔をしながら月山部長が疑問を呈しますが、他の人達は自分の言いたい事を理解したようです。


「月山部長、確かに国力は増しますが、弱体化した国は兵士の数も減っているって事ですし、併呑しようとする際にも両者少なからず被害が出ると思います。その状態で魔物の大量発生が起きれば自国と併呑した国の両方を守らないといけなくなりますから兵力を分散する事になります。かと言って併呑した国を見捨てれば大量発生後に再度併呑しても領民が付いてこないどころか反発されて統治が難しくなります、なので併呑した以上は守らないといけなくなりますからその結果痛い目を見る可能性が高いんですよ」


「確かに、占領して統治するとなるとその国の住人を守る義務が生まれるという事か・・・」

「そうですね、そうなると大量発生が複数起こった際に兵力を分散する事になりますから確実に兵力を失うでしょうし、復興にもお金がかかりますから経済的にも打撃を受けます。まあ生き残った人が居て復興が出来ればですけど」


「武内君、生き残った人が居ればという事は、魔物の大発生が起きた国で人間が全員死ぬ可能性があるという事なのか?」

「まあ可能性としてはありますね、とはいえ難民となって他国に逃げて難を逃れる人も居るでしょうけど国民を守る兵士が居なければ人間は魔物に蹂躙されるだけですから魔物によって滅ぶ国も出て来るでしょうね」


「そ、そんな、罪のない人がそんな目に合うなんて・・・、武内君、何とかならんのか?」

「こればっかりはなんともなりませんね、実際今後もドグレニム領で魔物の大量発生が起こる可能性が高いので他国を助けに行く余裕なんてないですよ」


そう言うと月山部長は黙りこんでしまいます。

恐らく頭では分かっているのでしょうが、気持ちが納得しないという感じでしょうか。


「マサト、これからの事も大事だが、分かっている他国の情勢の話をしていいか?」

グランバルさんがそう言って先を促しますのでとりあえず頷き話を聞きます。


「まずバイルエ王国だがドグレニム領で大量発生が起こる4日前に大量発生が起こり、大量発生した魔物はコボルト、数は不明だが相当数だという事だが被害はそこまで出ていないようだ。」


「次にタイカル王国、この国はドグレニム領の所属するロータンヌ共和国の南西にある国だが、こちらは虫型の魔物だったそうで詳細は分からんが、かなり被害が出たようだ」

うん、虫型の魔物の群れって考えただけで鳥肌が立つんですけど・・・Gじゃないよね・・・。


「あとはウェース聖教だが、ゾンビの群れだそうだが当初はろくに迎撃も出来ず村々に被害が出てから教国軍が動いたらしいがゾンビの数に押されて敗走し砦に籠って防戦したようだがその間にゾンビは獲物を求めて分散して行ったそうだ。今はそのゾンビの小集団を狩っているようだが広範囲の村々に被害が出ているらしい」


「思ったんですが、教国軍って弱いですよね・・・。よく今まで国の形保ってましたね?」

「まあそれはネレース様を信仰する総本山って事で他国がおいそれと手を出せなかっただけだろうな」


「あ~、それで兵士も弱いと・・・てことは今回も難民が流れ込んで来るんじゃないですか?」

「だろうな、まあ今回教国軍の動きが遅かったのは別の理由があるようだが」


「何かあったんですか?そう言えば教国の内部で何かあったと聞きましたけど?」

「ああそれだが、急に聖女が新たに任命されたのと同時に教国の首都や街道は蜂の巣を突っついたような騒ぎで、町なんかは出入りが厳しくなったそうだ」


「新しい聖女が任命されたって聖女だったステレーネさんはどうしたんですか?」

「わからん、何か教国に都合の悪い事が起きて幽閉されたか、殺されたか・・・」


「そうですか・・・まあ情報が無ければ何もわからないですね。それでその他の国やロータンヌ共和国内はどうなんですか?」

「それ以外の国の情報は入って来ていないが、ロータンヌ共和国内でも魔物の大量発生が起きて被害が出ているが、ドグレニム領と違って森に囲まれていないからな、町に籠ってやり過ごした感じだ、とは言えルイロウ領ではそこそこ大きな戦闘があったとの事だが、魔物の数がそこまで多くなかったらしいから何とかなったようだ」


そう言ってグランバルさんは一通りの情報を伝えると今後の対策を話し合いますが、何時何処で起きるか分からない魔物の大発生の対策など立てられるわけも無く暫くすると解散となります。


ていうか話を聞く限り今回は弱い魔物が大量に発生したけどこれが強い魔物とかだと無理ゲーだよね・・。


そう思いながら自宅に戻り休もうかと思いましたが、中途半端な時間な上、会議で微妙なテンションの為に食事をした後、暫くは実験をして過ごします。


前々から思っていたのですが、錬成術で魔石の融合をして大きな魔石にならないかを試してみたかったんですが時間があんまりなく、というか忘れていてそのままだったのを思い出したので試してみます。


錬成術はネレースに依頼した通りの性能なら理論上可能なはずなのです。

小さい魔石を複数手に取り魔石に魔力を流し融合をするイメージをします。


結果から言うとうまくいきましたが、予想以上に繊細な感じで少し気を抜くと失敗します。

うん、なかなか大変だけど慣れれば高確率で成功しそうなので今後細かい魔石を融合させて大きくして活用できそうな気がします。


実験をしていたら夜遅くになっていたので、そのまま自宅で休みます。


154日目


とりあえずゾルス達を迎えに行くのは昼頃の予定ないのでギルドで魔石の購入が出来ないかと思い向かいます。


そう言えば朝の時間にギルドに来る事も無かったので知りませんでしたが結構ギルドの中は賑わっています。

カウンターに居るうさ耳のお姉さんに魔石を購入できないかを聞くとスケルトンの魔石は過剰在庫なので可能との事です。

ていうか冒険者が昨日頃から大量に売りに来て値崩れが起きかけているそうで購入希望はギルド的に大助かりとの事です。


とは言えじゃあとりあえず1000個程と言うとうさ耳のお姉さんも引きつった顔をしています。


まあそうですよね・・・・。

10個とか20個なら分かりますけど、とりあえず1000個ですもんね・・・。

その後、ギルドマスターのバンズまで話が言ったのかバンズさんがやってきましたが、1000個ともなるとすぐには渡せないとの事でしたので、じゃあ明日の朝に3000個購入という事で話をします。


バンズにはなぜじゃあ明日3000個と言う話になるんだと突っ込まれましたが在庫はあるようで用意しておいてくれるとの事です。


お金だけ先払いをしギルドを後にし、少し早いけどゾルス達が居るはずの南西の森へ転移魔法で移動をします。


ブックマーク・評価を頂きありがとうございます。

拙い文章・誤字脱字が多く読みづらく申し訳ございません。

あと、図々しいお願いではございますが、評価頂ければなお幸いでございます。


また、誤字、気になる点のご指摘等誠にありがとうございます。

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