登場人物紹介
──白銀の斜面を駆け抜け、陽光の宙空へと舞い飛ぶ
フリースタイルスキー「モーグル」は、
凹凸の激しい斜面を猛スピードで滑り降り
設置されたジャンプ台で華麗なエアーを決めて見せる競技です。
そのモーグルが日本に浸透し始めた頃を舞台にした青春スポーツ小説が
この「FREE FREE FREE!」です。
沢田 登:
東北出身。幼少の頃から地元スキーチームでレーシングをやり、高校から基礎スキーに転向。
常にスキーにおいて目立ち、人の目を奪うことを第一に考えていた登はレーシングにも基礎スキーにも飽き足らず、基礎スキーもやめ、スキー場で一般スキーヤーが怯むような急斜面を滑り下り、アクロバティックなジャンプに夢中だった。
そんな時に、関に声をかけられ初めてモーグルスキーを知る。大会を見にいった登はその激しさとパフォーマンスにモーグルの虜となる。以降、関の指導の元で力を付けた登は大会に出場、まもなくその素質と努力から若くして日本モーグル界の第一人者となり、ワールドカップを転戦する。
櫻田 京子:
東京出身。やはり幼少の頃からスキーを始め、現役時代ワールドカップで入賞の経験もある日本のトップレーサーだった。
しかし、代表チームの指導部の指示を聞かず常にチーム内の問題児とも言われていた。とある事件で引退を余儀なくされ、代表チームにもその責任を問われ居場所のなくなった櫻田に声をかけたのが、「ニシムラ」社長萩原光晴だった。代表チームのマテリアル担当サービスマンとなった彼女は登に出会う。
萩原 光晴:
スキーメーカー「ニシムラ」社長。基礎スキー界で有名であり、全日本スキー技術選手権では自社製品を使用した選手が上位2名を独占した。一般スキーヤーに対する広告度から、第3のスキーといわれるフリースタイルに新たな開発分野を目指す。
マーク・ブラッドショー:
カナダモーグルチームのエース。世界でもトップ3に入る若手のトップ。その破天荒な滑りからまだ周りの評価が追い付いていないという噂もある。公私とも陽気で目立ちたがりであり、今年日本からやってきた同世代の恐さ知らずの若者に好意を抱き、登と親友となる。
関 武司:
日本モーグル界の創始者。まだ日本にモーグルが根付いていない頃からその普及に邁進し、ワールドカップが日本で開かれるまでになる。日本の大会には必ず顔を出し、選手の発掘にも余念がない。そんな中、登の素質を見出だしモーグルをやるように勧める。今大会では地元開催ということもあり、日本人初のジャッジとして選手たちの活躍を見守る。
関 一平:
武司の息子。関の血を受け継ぎ、型にとらわれるのを嫌いレーシングも基礎スキーもやらずにゲレンデを気ままに滑っている。他の子供達が地元のスキーチームに所属する中一緒に滑る友達がいないときに、登と出会う。そのスキーに対する姿勢から共感し、大会期間中登を連れ出して滑りまくる。そのスキーに対して何ら目的を持たない純粋にスキーを楽しむ姿から、登は徐々に考えを変えていく。
本小説は全5章で構成され、2019/2/15より毎週投稿予定です。