魔武器②
「よし、みんな揃ったな!
それじゃあ今から、魔武器を自分で選んでくれ」
その言葉をきっかけに、みんな俺だと言わんばかりに先走って行く
「フハハハハこの五十島様が特級を当ててみせるぜ!」
そう言う彼は一つの刀を手にした。
黒く紫色のラインが入っている鞘が目立っていた。
「ん?抜けねえ…?」
彼はもう一人の生徒と一緒にその刀を抜こうとするが
「ンギギギ…くそなんで抜けねーんだよ!先生この魔武器不良品なんじゃねーの?」
そんなはずはと先生も引っ張るが
刀が鞘から抜けることはなかった
五十島は、使えね…とつぶやきながら、その刀を投げ捨てた時
『投げ捨てられる事68回目、
主が現れる前に100回突破するかもしれないなぁ!ハハハ』
??!
みんなが魔武器を選んでザワザワしているはずなのにしっかりと、声が響いてきた。つい僕は周りを見渡し確認してみる。近くには誰もいないはずなのに…
「なんだったんだろ。」
つい初めて感じた違和感に、そんな言葉をこぼす
『ムムム?我の声が聞こえる奴がい……るわけないか。』
その声は止むことはなかった
『我は刀〜我は刀〜先ほど投げ捨てられた刀〜♪悲しく存在する刀〜♪そう!
今は、あ〜る〜じ〜を探して〜る〜♪』
…………………………
…………………………
主探しを歌にするなよ…
よし!無視しよう。
僕は声が聞こえるが無視をして魔武器を選び始める
「んー何にしようかなぁ
あまりデカイものは嫌だからなぁ」
そう思い僕は短剣を持って見る
「柄はダサいし小さすぎる何より特級には見えない」
僕は短剣を置き他のを選ぶ
『我の鞘が黒く紫の曲線が魅力!
我の刀は黒く赤い血管に見せた線が入っていてかっこいいのだー!
ハハハハ!』
……無視無視。
聞こえてくる声を気にせず選んでいると、目に一つの魔武器が見えた。
これは指輪?指輪の魔武器って見たこともないし、もしや特級?
一人で考えていると2人組の女の子が近づいてきた、右側が黒髪の虹彩異色症が特徴の神崎愛美その隣が坂崎サナ、ハーフで茶髪の彼女は虹彩異色症で気持ち悪いとクラスでいじめられていた愛美さんを助けてあげそれからは常に一緒に行動してる
「松田その指輪愛美に譲ってくれない?」
「う〜ん、どうしようかなでも何でこの指輪がいいの?」
「別にいいじゃない?そんなこと聞かなくてもね?愛美」
「私ねその指輪特級だと思うの、だから…」
「愛美本当のこと言っちゃぁダメだって!」
僕も特級だろうと思っていたが、それでも、特級だと思うって言ったら譲ってくれるかわからなくなるのになぁ…まあでも、本当のことを言うことは嫌いじゃない
「わかったいいよ譲るよ、僕も指輪つける柄じゃないから!」
僕は指輪を彼女に差し出した
彼女は指輪を手に取り
「ありがと!」と微笑ましい笑顔を見せた。サナは少し戸惑いながら、
頭を下げた
「二人とも仲がいいんだね!」
「おうよ!私は愛美と親友だからね!」
彼女は、胸を張り親指を立て満面の笑みを見せた
僕もそれに苦笑いをしながら親指を立てる
「俊君本当はもう自分の武器決まってるんじゃない?」
僕はその言葉に目を見開き問いかけられた僕も薄々思っていたが、何も知らないはずの愛美さんが急に言ってきて驚かずにはいられなかった
「愛美さんは何でそう思うの?」
「そんな気がするの。」
その後愛美さんは頭を下げて去って行った
僕は愛美さんの言葉に引っかかる
思い当たるのは
あの自己アピールをする刀……