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持ち主のいなくなったレオナルドの家を片付けていた近所の夫婦がそのオルゴールを持ち帰ったんだが、どうも夢見が悪いらしくてすぐに手放したんだ。

何があったのかは爺さんも聞いてないと言ってたよ。


それからもあのオルゴールはたくさんの人の手に渡ったらしいね。

何と言ったってあのレオナルドの遺品だし、大金はたいてでも欲しがる者は後を絶たなかった。

もちろん他の作品も充分認められていたが、何故かあれは特別に人々の目を惹いたらしい。

職人としての腕が認められていただけじゃなく、あのオルゴールそのものにそれだけの力があったんだろう。



ところがみんな何故かすぐに手放すんだよ。

そして手放さない者は不思議と妙な死に方をする。


そうなるとそのうちに本当かどうかも分からないような噂話がどんどん広まってね。

夜中にぜんまいも巻いてないのにオルゴールが動き出すとか、人形のジョゼがオルゴールから離れて踊り出すとか。

まぁ実際にわしが見た訳じゃないから何とも言えんが、あのオルゴールなら有り得る事じゃないかと思っているよ。




うちの爺さんはレオナルドから直接あのオルゴールに関する話を聞いていた数少ない友人の1人だった。

彼からあのオルゴールの秘密も聞いていた。

だから何とかしようとしたらしいが……。

だがその頃にはオルゴールはもう一人歩きしていたし、手に入れた者も一介の時計屋風情の言葉など聞こうとはしなかった。

うちの爺さんにもどうする事もできなかったらしい。



そして奇怪な出来事はその後も続いたんだ。

そのうちに誰からともなしにこんな話が出て来たよ、あのオルゴールは持ち主を探してるんじゃないかってね。

自分の両親か、それとも違う誰かなのかは分からんが……どっちにしろあのオルゴールに魂が宿ってるという噂は、まんざら作り話でもないのかもしれんという事になったのさ。

爺さんはずっとそれを訴えていたんだけどね。





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