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ふと、目が覚める。頭がガンガンと痛みはするがほかには傷などはない。
あたりを見渡して見るが、そこは薄暗いトンネルの中だった。奥に行くほど暗くなり遠くまで見ることができない。唯一わかることは俺が閉じ込められているという事実だけだった。
「そうだ!!真央さんは?」
さっきまで一緒にいた真央さんの姿を探す。しかし、それも無駄。真央さんの姿はどこにもなかった。ただし、さっきの見渡しで1つ気付いたことがある。それは下に置かれていたテレビ。テレビはコンセントが差されており、上に紙が置かれている。紙には大きく「テレビをつけろ」と書いてあった。
俺は命令に従い、テレビをつける。テレビに仮面をつけた男が写った。
「こんにちは。私の名前はゴット・・・神といいます。あなたは東京代表に選ばれました。今からあなたにはあるゲームをしてもらいます。あなたの県・・・そう東京をかけたゲームを・・・」
「東京をかけたゲーム?」
「はいそうです」
男が俺の独り言に返事をした。テレビなのに会話が成立している。
「どうしましたか?悟さん。私からあなたの姿、音声は聞いていますので会話が成立してもおかしくなりませんよ。それとも私の仮面が変ですか?」
男は俺の気持ちを悟ったのか説明を入れてくれた。早速だが、音声が聞き取れるのでゲームについて質問をしてみる。
「東京を賭けたゲームってどういうことだ?」
男は静かに黙り込み答えない。言えないってことなのだろう。
「じゃあ、ゲームのルールは?」
「後で配られる紙をお読みください。さっきの1つ目の質問ですが・・・答えはゲームをしながら見つけてください。そして体験してください」
男は質問に答えるとフフフと不気味に笑い、テレビの画面が砂嵐にかわった。いいたいことはいい終えたのだ。
カタッ。
後ろから足音が聞こえた。すぐにその足音がしたほうに振り向き、相手を確認する。足音の正体はテレビに映っていた仮面の男とは違う仮面の男。手には拳銃と携帯、それと1枚の紙をもっている。俺はそれを無言で奪い、携帯はポケットに拳銃は腰にしまいこんだ。紙はその場で開く。内容はゲームのルールについて・・・。