世界観設定 種族編
ビースト、エルフ…etc.
今までに出てきた種族についてご紹介。ヴァンプのスペルは突っ込まないでくださいね。作者自身渋い思いで決めたスペルなんです……ギブミー英語力……
・ビースト:この世界の六割から五割ほどを占める、最多種族。ただし、その中でも種類が多く、もっぱら種族をあらわすときは『ビースト○○種』と表される。もともとはこの世界に住んでいた動物の各種と、今はすでに滅んでいるある種が配合のような形を以て生まれた種族。始まり、繁殖要因のうちなぜ広まることになったか、という点において多くの謎を残す。ベースになった動物ではない方の種は、地球でいうヒトに似ている。しかし、ヒトよりも身体と知能のバランスが知能に傾きすぎており、環境の変化や種の争いに勝てなかったのか絶滅している。こちらはよく『ヒューコン』と呼ばれる。
なぜ彼らが繁栄できたか、というのはヒューコンと動物が互いの利点を共有できたからと思われる。ヒューコンの知を持ち、動物たちの高い身体能力を得たビースト。次第にその数を増やすことはもはや当然のことであった。
両族の割合によっては名前が変わる。動物の方がより多い個体はハイ・ビーストと呼ばれ、狂暴化している場合かなり厄介な存在になりえる。ヒューコンが多い割合の個体は、別名はない。しいて言うなら弱個体と呼ばれる。と、いうのも、全般的に体が弱く、すぐに命を落としてしまうかららしい。
ビーストは、ちょうど地球のヒトが少し姿を変えた程度。その個体差は大きく、毛に身を包まれているもの、耳や尻尾を持つもの、牙を持つもの、ほとんど外的特徴は見られないというもの、などなど様々である。だが、多くは耳や尻尾、牙などが発現するらしい。
・エルフ:この世界の四割から三割、あるいはそれを多少下回る程度の数を誇る。もともとはエンジェリアから派生した種で、空を飛ぶ能力を廃し、知とより大きな魔力を得た。また、もともとビーストなどより劣った身体能力を僅かに補っている。
先述したとおり知に長けた個体が多く、その知を買われて重役に就くという個体も多い。訓練次第ではそれなりの身体能力を有することもできるので、地球のヒトに一番近い種と言えるかもしれない。耳が尖った形状という特徴を持ち、中には耳が異常に良い個体もいる。反面身体能力の中でも筋力だけは補いきれないものがあるらしく、それを補うべく他種族より多い魔力を使用することが多い。
繁殖力がビーストより断然低く、個体数は増えにくい。ただしその知と魔力を生かし、個体数を減らしにくい一面が補っている。肌は多く白いが、時折色を持った肌で生まれてくる個体も存在する。それらは総じて魔力量が高い上に、身体能力の伸びは遅いものの大きい。故に、よく軍事関係に進む個体が多い。
・ヴァンプ:Vampとは関係がない。ちなみにこの種のスペルはVanepである。レアレイス、と呼ばれる機小種族の一つ。この世界の一割にも満たない。エンジェリアから派生した種である。ただし、能力などに際立った違いがあまり見当たらないことから、亜種のような存在かと思われる。違うのは、せいぜい魔力量と身体能力に差が出やすいこと。前者はエンジェリア、後者はヴァンプの方が多くなりやすい傾向にある。
エンジェリアと対照的な身体的特徴がある。能力云々よりこちらで種を分かち、互いに繁栄したという可能性がある。ヴァンプは黒い翼を持ち、その飛行能力はエンジェリアに劣るものの、特有の羽を使った索敵能力を持つ。ただし、こちらは翼の副産物的意味合いが強い。身体能力は全般的に僅かにエンジェリアを上回る。知力は同等とされ、この二種族間では子をなすこともできるという。子がどちらの種として生まれるかは、遺伝子の問題になるようだ。この世界ではまだ解明されていない、というより解明しようともしていない。
・エンジェリア:エルフ、ヴァンプの原種というべき種族。レアレイスの一種。白く、輝くような羽を背にもっている。その羽の白さ、輝きはこの種にとって一種のステータスのようだ。ヴァンプより身体能力に劣るが、魔力は衰えたヴァンプより多い。ただしその差は生後の生活次第で埋められる程度。同じ生活を送ったとすればほぼ確実に差が出る。
背に生えている羽は、不可視にしておくことも可能である。その白さ故に周りの景色に溶け込む、と信じられている。
エンジェリアから生まれた二種は、この種から進化した際、強くなった部分と弱くなった部分がある。しかし、根本にある特徴は変わらぬようで、どの種も基本的に白い肌を持っている。
身体能力、魔力、知力が平均的なのが三種の中ではこの種といえよう。
・魔族:レアレイスの一種、唯一召喚魔法で『作成』可能。知能は全くと言っていいほど無く、召喚者にはたいてい忠誠を誓い、その高い身体能力を生かして働くことから労働力としても重宝される。しかも、見た目などは個体ごとに千差万別であり、特に愛玩動物のように可愛がられるものもいる。繁殖力はほぼゼロ、ただし自然的に発生している魔族はそれなりに繁殖力はある。ただし身体能力が高くても知能の関係上コミュニケーションや連携とは無縁の戦闘法であり、一般人でも武装すれば勝てるほどと例えられる。
あまり良いイメージをもたざるを得ないような魔族だが、先述したとおり見た目は千差万別。そこはほとんど運任せのようだ。
・エンジェリア、エルフ、ヴァンプ…この三種は先述のとおりもともとエンジェリアという一つの種族。まず最初に、突然変異的に、後にヴァンプと呼ばれる個体が生まれ始める。これはエンジェリアが生活を開始してそう経っていない時期のこと。その後も稀に生まれるようになり、種族としての数を増やしたエンジェリアの中からぽつぽつと生まれるようになった。しかしヴァンプが独立し、一つの種族として確立したころ、すっかりヴァンプは生まれなくなった。神の悪戯と思われたその流れは、今でも両種間に語り継がれている。
そして、エンジェリアからさらなる種が生まれた。ある一つの群れが、山か峡谷を旅していた時期。飛ぶことができなくなったのだが、縄張りの事情で動くわけにもいきにくい。そこからゆっくりとエルフが生まれた、というのが最も有力な説とされている。
・種族の違い:この世界は上記五種族と、動物などから形成される、多種族社会。だから、今の地球のヒトのように排他的主義ではなく、むしろ互いに助け合おうという関係であった。戦争がないということはなかった。領地争いが同族間でもあったし、まさに内戦という状態だったのだから、戦争はあった。しかし、それもいつしか一つの国としてまとまってからはなくなり、ひと時の平和を得た。そして、例の魔王軍蹶起である……