買い物カート
皆さんはスーパーに行った際ショッピングカートは使用するでしょうか?重い荷物や商品を大量に持ち運ぶ時にとても便利な道具です。初めて登場したのはアメリカで木製の折りたたみ椅子をベースに作られたものが初期のデザインだったらしいですが、それがこんなに使い勝手が良いものになるとはとても驚きですね。本日はそんなショッピングカートにまつわるお話しを一つします。
私の地元は東北地方の田舎出身でビルよりも田んぼが多いところでした。ですので遊ぶ娯楽は関東地方よりかはとても少なく、小さい私は外でサッカーをしたり、家でゲームをしたりとそんな毎日でした。そんな毎日でもとても楽しく門限は過ぎて遊びたいくらい熱中していました。ですが、小さい私は絶対門限を守って帰ることができていました。その理由がショッピングカート老人のせいでした。
そのショッピングカート老人とは、18時ごろを過ぎるとショッピングカートを持ちながらガラガラガラガラ…と自分の家付近を徘徊するお爺さんかお婆さんかわからない老人の存在でした。別に子供を連れていくでもなく、危害を加えるでもなく、ただガラガラガラガラ…と徘徊するだけの存在。そんな得体の知れない人が小さいながら怖く、寝る時にも時々外からガラガラガラガラ…と鳴り響く音がとてもトラウマでした。
そんな怖いと思っていたある日、私は近所の友達の家に遊びに行っていました。14時ごろのさんさんと陽を浴びながら友達の家でゲームをしたり、駄菓子を食べたり夢中になって遊んでいました。
その時です。
ガラガラガラガラ…と日中では絶対に聞かない音が響いてきたのです。こんな陽が出ている中なぜ?
ガラガラガラガラ…こんなことは初めてだ、楽しく遊んでいる時にやめて欲しい。
ガラガラガラガラ…近づいている、怖い。怖い。嫌だ。
ガラガラ…ガラガラ…ガラガラ…ガラ…
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ
…ガラガラ…ガラガラ…ガラ…
正直、目の前を通り過ぎた後心臓がバクバクして呼吸が荒くなっていたことは今でも覚えている。
また、その老人の死んだ目、痩せ細った手足、伸び切った白髪。そのどれもが鮮明に頭にこびりついています。
後から聞いた話ですが、その老人は認知症を患っており、思い出のあるショッピングカートを持ちながら徘徊をしていた、ということがこの真実でした。
こちらのお話は幽霊でも呪いでも関係のない話です。ですが、あの老人の存在は、あの何もないとわかるあの目は、関係がなくても私のトラウマには確実に入る存在でした。




