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詩的ななにか

いくは静かなる動

掲載日:2026/06/11



 わたし が きょうかしょで みた

 すうじ は


 とても くつがえせる ような もの

 ではなくて

 

 だから


 わたしは おとなになれた あとでも

 どうせ これを

 うごかせるひとなんていなくて

 だから どうせ どうしたって

 えらべないん だ から

 いかない って


 決めつけてしまっていた


 けれど臆病で狭量な諦念など捻じ伏せて

 抗うひとを私は確かに見た

 

 彼は闘っていた

 変えようとしていたし

 実行に直ぐに移せてもいた


 動かそうと 本意気で

 貴方は(まつりごと)の場に立っていた


 そんなにも凄まじい早さの回路を

 緻密に幾重にも慎重に回し続けていて

 貴方は何故立ち続けていられるのか




 慄かされた


 私は今の國から一つの力が喪われるのを

 芯から恐れてしまった

 力が通っていた この島國は 内からも

 動いていた


 確かに折れずに

 貴方はいた

 

 私は畏れる気持ちを 

 初めて人に向かって抱いた 

 貴方の全てに(たましい)から

 

 驚いた

 貴方は躍っていて

 働いていた


 この速度の軟らかさ勁さを男性に見たのは

 初めてだった


 路傍の一本の木の花の

 憤りと愁いに真摯に応えてくれて


ーー 有り難う ーー


 益荒男(ますらをのこ)


 貴方の為に

 私も咲こう


 花の祈りの健やかなるを

 この名に懸けて()り注ごう


 貴方がいるなら

 私は立とう


 花の加護もち

 いつか向おう


 貴方が きづいた 花の名は

 言靈(ことだま)として永く生き


 いつの時代にも実を渡す


 益荒男よ花に触れ


 なみだ落とせば

 寄添おう


 共にあります

 萬の花

 千種(ちぐさ)ももとせ


 橋を架け


 人をおくって


 温めて


 哭ける澤には子守唄

 吾れが慰め



 人は行く


 貴方も橋を組み立てて


 行かれないでいる不動なる


 靜に過ぎたる一声に

 手をじっと開き

 待つが好し


 わたくしがいる


 ひろわれた


 わたくしもいる


 花の祈りの陰の気は

 日向でなくとも香をもちぬ


 傾き疲れ

 泣けもせず


 働く君よ

 吾れがいる


 橋を訪ねよ


 折りにふれ


 祈り注ごう


 磐梯までも

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