プロローグ.ハジメカラヤリナオス
「人間は誰かの記憶にある限り、誰かの魂にいる限り、死なない。俺の意思は、絶対に消えない。」
これは伝説の勇者と言われたロイドが魔王に殺される前に全世界に放ったスピーチである。この言葉に感銘を受け大勢の者が魔王討伐のため、剣を持った。
やがて世界に名を轟かせ、英雄とまで言われる勇者になるこの少年、ルイ・レルゼンもその中の1人である。
その言葉に感銘を受けた少年が魔王城にも、もう1人居た。次の魔王候補であるアルド・レイラ。彼もまた世界に名を轟かせる魔王となる。
時は経ちそんな2人が今、魔王城で剣を交わしている。
「ルイ!待て!一旦立て直すぞ!!!!!」
「うるせぇ!!!黙れ!!!もうコイツは絶対に許さない。ぶち殺してやる!!!!」
「人は簡単には死なねぇよ!ロイドがそう言ってたの忘れたのか!?ははははは!」
「黙れよ死ねよ殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すころぉす!!!!!」
「クラッシュ」
目の前に手があった。
「...かかってこいよぉ!!!!!」
気づくと目の前に暗闇が広がり、ルイという存在を内側から荒らしていく。
------何かが----
--ルイという存在を------
------あ。---
やばい
消える。
何だか
全てが
何もかもが
消えて
ああ
消えるわあ
やべぇ
「信じてる。」
消える。
”勇者ルイ・レルゼン”は魔王城にて死んだ。