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1 夢

いきなり本題に入っていますが、あまり長い話じゃありません。だいたい10話前後で終わると思ってお読み下さい。

 ここは草原か、もしくは花畑か。

 草が茂り、色とりどりの花が咲き乱れている。その向こうに建物があるようにも見えるが、どうもぼやけてはっきりしない。ティアスは、腰あたりまでそれに埋もれながら、ぼんやりと辺りを見渡していた。

 ───と、誰かがティアスの手を取った。

 見覚えのある少女だ。ウェーブがかった黒髪が風になびいてきれいに揺れている。

 少女がティアスを連れていく。どこへ?───いや、誰の元へ?疑問に思いながらも、ティアスにはそれがわかっている気がした。……そう、きっとあの人のところへ。

 その人は、幼いティアスと少女の前でかがみこんだ。微笑んで頭をなでる。ティアスは、少女と顔を合わせてはにかむように笑った。

 しかし次の瞬間、目の前が真っ赤に染まった。

 その人は、全身血まみれになって倒れこんだ。ティアスの視界をあちこちから染める、赤、赤、赤───。耳をつんざく悲鳴。叫んでいるのは少女だけではない、ティアス自身も我を忘れた。

 いや、いや、どうして、どうして───!!


 目が覚めると、もう朝日がさしていた。いやに鼓動が早い。

「あら、お目覚めですか?珍しいですね」

 部屋に入ってきたセディの姿に、ようやく本当に目覚めた気がした。長いことこの家にいる精霊は、慣れた様子でせっせとベッドを片付けていく。

「フレア様が、朝食の支度をしてお待ちですよ」

「……はいはい。すぐ行くから」

 いつもよりかなり余裕のある返事をして、ティアスは部屋を出た。階段を下りながら、ぼんやりと考える。

 あの夢は……。

 夢に出てきた少女。どこかで会っている気がする。けれど思い出せない。……あれ?そもそも瞳の色はどんなだっけ?さっきまで見ていた夢なのに。

「どうしたの?」

 薄茶色の髪が落ちる肩に手を置いて、ティアスの顔をのぞきこんだのは母フレアだった。

「そーそ。お寝坊さんのティーがちゃんと起きてくるなんて。明日は嵐かな?」

 レージがからかうように言うのを視界から遮るように、ティアスはそっぽを向いた。

「ちょっと変な夢みて目が覚めちゃっただけだよ」

「変な夢?」

 ティアスは夢のことをかいつまんで話した。レージはもう興味を失ったようで、朝食に戻っている。

「あの子……どっかで会った事あると思うんだけど」

「………」

 なぜかショックを受けたようだったフレアの表情は、ティアスの声で元に戻った。

「…あ、いえ。何でもないわ。じゃあ、ご飯食べて行ってらっしゃい」

 いつもの「母の顔」に戻ったフレアに何となく違和感を感じながらも、ティアスは学校へと出かけた。姉レージと弟フォーセットも家を出る。フォーセットとは行き先は同じ学校だが、お互い友人に会うため、別方向となった。


 家に残ったフレアと精霊たちの表情は、強張っていた。

「フレア様……」

 シティが物憂げに、子供たちが向かったほうを見遣る。

「ええ……まずいわね。10年たって、術が弱まってきているみたい」

「今夜にでも、かけ直しますか?私もお手伝いいたしますが」

「いえ──少し待って」

 「え?」と、シティともう1人の精霊──セディがフレアを振り返った。

「もしかしたら……もしかしたら、私がずっと待ち望んでいたことが叶うかもしれない。…もうしばらく、様子を見たいの。協力してくれる?」

 葛藤が垣間見えるフレアの表情に、精霊たちは返す言葉もなく、しかし怪訝そうにその双眸を見つめた。

海外から帰国して心機一転、初のオリジナル小説を投稿することにしました。とはいえ、ストーリーは5年ぐらい(もっとかも?)前に考えたものなので、設定とか細かい部分で無理があるかもしれませんが(汗)。

「コレ変じゃね?」とか思ったらちょんと指摘して下されば、修正できる部分は修正したいと考えてます。


あと、初めての方へ。私のこれまでの投稿作は全て二次創作です。

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