表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤンキーくんと背徳グルメ〜ヤンキーくんと自然派二世の美味しい初恋〜  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/51

番外編短編・自然派二世と背徳ラーメン

 品川達も高校三年になった。茜と品川は同じクラスではなくなってしまった。茜は文系進学クラスに入り、品川は就職や専門学校コースになったからだ。もっとも品川は進路は決まっている。卒業後は調理師になるための専門学校に行く予定だ。今も茜の両親のカフェで手伝いながら、色々と調理技術を教えてもらったりもしていた。


 そうこうしているうちにあっという間ゴールデンウイークに入った。茜はゴールデンウイークにラーメンが食べたいとリクエストしてきた。駅近くの汚い路地裏にあるラーメン屋だったが、品川もよくいく所で興味を持ったらしい。


「え、ここがラーメン屋?」


 茜のリクエスト通りにラーメン屋に連れていったが、その店構えにかなり驚いていた。ぼろぼろで、小さな小屋のような汚いラーメン屋。客層はほぼ男。店員もおじさんしかいない。ここに茜が入ったら、明らかに紅一点になるだろう。


「やめとくか?」


 そう品川は言うが、この店にいる茜を想像すると楽しみだ。初めて入るこのラーメン屋にどんな反応を見せるのか。ずっと自然派二世として食べ物に我慢してきた紅音は、普通の食べ物にも新鮮な反応を見せてくる。隣で見ていると飽きないし、面白い。


「いえ、入る!」

「そうか、じゃあ、行こう!」


 品川は先にラーメン屋に入り、エスコートする。少し前まではヤンキーとして派手な格好をしてきた品川だったが、今はだいぶ落ち着いてしまった。


 こうして茜をカウンター席に連れていき、ラーメンも注文してあげた。店内も綺麗ではないが、茜はあぶらっぽい壁や赤いテーブル、メニューにも好奇心いっぱいな目を向けていた。まるで巣立ちしたばかりの鳥のようで、可愛い。可愛いとしか言いようが無いのだが。


 ラーメンは二人とも醤油ラーメンを頼だ。本当は豚骨ラーメンがおすすめだが、初心者には醤油の方がいいだろう。品川は通ぶってラーメンの蘊蓄などを語るが茜はさらに興味津々に耳を傾けていた。


 それにしてもラーメンのスープは熱い。もうゴールデンウイークにも入り、初夏だ。季節的にもつけ麺にした方が良かったか。それに隣で汗をかき、頬を赤くしながら食べている茜の姿は、目の毒過ぎる。近くで見ると、まつ毛もかなり長い事にも気づき、心臓が変な音をたてる。他の客ににこんな茜は見せたくないが、ありがたい事に皆ラーメンに夢中だった。


 それだけラーメンは美味しいという事だろうが、隣のいる茜を見ながら、これは背徳なラーメンだったような気がしてならない。今も清い男女交際を続けていたが、いつまでもつか。もう早目に結婚するしか道は無さそうだ。


「品川くん、このラーメン美味しいねぇ」


 茜は彼氏がこんな事を考えているのか、全く知らない。無邪気な笑顔しか見せてこない。それもまた目の毒だ。断食中に目の前に美味しい料理を見せつけられているような。


「美味しいだろ? また行こう」

「うん!」


 次の約束もすると、品川も笑顔でラーメンのスープを啜っていた。本心は上手く隠しながら。


ご覧いただきありがとうございました。これで全編完結です。


次は老夫婦のライトミステリです。今作はコッテリ豚骨風味でしたので、次はあっさりサラダ味の予定です。他にも短めのライト文芸を書く予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ