第83話 グレートマザー永眠につく
阪神タイガース、リーグ優勝日本一の年。しろちゃんのバァバは天国に旅立ったのでした。葬儀の祭壇にはタイガースの旗や愛用のユニフォームとメガホンなどが飾られ、好きだったパインアメやミックスジュースが供えられました。
しろちゃん「博士、ちょっといい?」
シロウ「ん?あぁ、外で話そうか」
しろちゃん「あんこさん、しろたんを頼むね」
あんこ「うん、泣きつかれて寝てるからこのまま抱いておくわ」
お通夜のあとシロウと、しろちゃんは皆から離れて二人きりで外に出て話した。
しろちゃん「やっぱ外は寒いね。ねぇ、博士の力でもバァバをなんとかすることはできなかったの?」
シロウ「あぁ、こればっかりはな、、」
しろちゃん「そっか、、最近まで一緒に阪神の日本一優勝を喜んでたのに。しろたんを連れて行ったら最初は驚いてたけど、すぐ懐いてたしさ。すごく可愛がってくれたよね」
シロウ「あぁ、あれは俺もどう説明していいのかわからなかったけど、なんとなくわかるんだろうなって。それでまた元気になってきた所、急だったからな」
しろちゃん「来年は連覇や!って言ったし、そうやってずっと一緒にいられるものだと思ってた」
シロウ「うん、これはあくまで俺のイメージなんだけどさ。運命ってのは、いくつかのレールの中からすでに選ばれた道を進んだその先に訪れる【結果】であって、一度決められてしまったものを覆すことのできるのは奇跡を起こせる神様だけなんだろうって」
しろちゃん「今度は奇跡、起きなかったんだね」
シロウ「そうだな。俺も今、しろちゃんに尋ねられてなんとなくそう思っただけだから、実際のところはわからないけどな」
しろちゃん「なんだかあまりに突然のことでさ?今までそこにいたはずの人がいなくなるってまるで別の世界に来たみたいな感じがしない?」
シロウ「しろちゃんも?俺もそうだよ。不思議だろ?まるで自分のほうが別の世界に飛ばされたみたいな感じでな。それで普段よく聞いてる音楽とか馴染み深いものほど頭に全然入らなくなったり受け入れられづらくなったりさ。みんなといるときはまだ冷静でいられるんだけど、ひとりになったときに自分は今どこの世界にいるんだろうって感覚になる。俺はこれが一度目じゃないけど、しろちゃんは初めてだから戸惑うのもわかる。だから俺もこうして夜空を見上げながら、しろちゃんと話すことで自分を落ち着かせてるんだと思うよ」
しろちゃん「ねぇ、博士?」
シロウ「なんだい?」
しろちゃん「ほらみて、星がなんかボヤケて見えるんだけど。おっかしいなぁ、人造人間でも涙って出るんだね」
シロウ「当たり前だろ。しろちゃんも人間と何ら変わりはないんだからな」
しろちゃん「そっかぁ、なんか安心したよ」
シロウ「向こうにオヤジもいるからバァバも寂しくはないだろうし、他にも知り合いがいるだろうから今頃いつものようによく喋ってるとおもうよ」
しろちゃん「そだね♪ジィジ、今頃慌てて葉巻を隠してるかも(笑)ジィジがバァバのこと守ってくれるよね」
シロウ「あぁ、そして二人ともこれからは向こうで俺たちを見守ってくれると思う♪ある意味、神様仏様より俺たちにとっては身近で心強い存在だからね。さ、そろそろ寒いから体も冷え切っただろ?みんなのところに戻ろうか」
しろちゃん「うん♪みんなから愛される最高のバァバだもんね。また、お盆にはジィジと一緒に帰ってくるとおもうし、これからもずっと一緒だよね」
いつかは誰もが通る道、それが最愛の人との永遠の別れ。でも、魂は再び心のなかで繋がることになるでしょう。シロウも、しろちゃんも悲しみを乗り越え、そしてまた人生を理解していくのです。めでたしめでたし♪




