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第9話 天高く、しろちゃん肥ゆる秋

シロウ「しろちゃん一つ聞きたいんだけどさ?」


しろちゃん「ん?(パリパリ)なーに?(ムシャムシャ)」


シロウ「ずばり人造人間でも太るのですかと?」


 しろちゃんのポテチを食べてる手が止まる。


シロウ「いや、最近しろちゃんとあんこさんがなんとなーく丸くなっているような気がするんだけどね?小説だと書かなきゃ伝わらんと思って」


しろちゃん「このポテチ、60グラムだから。1袋食べても60グラムまでしか体重増えてないはずだから!」


シロウ「ふむ。実際カロリー計算も摂取する食物に対する吸収効率という点を踏まえれば必ずしも計算通りになるわけではないのだろうし、1日で摂取できるカロリーにも上限はあるだろう。つまり太るということは『毎日カロリーオーバーしているような怠惰な状態が常態化かつ持続しているから』ということになるわけだ」


しろちゃん「見よ豹馬!この筋肉を!」


シロウ「残念ながら上腕二頭筋どころか筋肉による消費カロリーは実はそこまで大きくない。大腿四頭筋ですら脳の消費カロリーには及ばないという研究結果も出ている」


しろちゃん「運動、意味ないの?」


シロウ「もちろん意味がないことはないよ。やはり筋肉を動かし続けている間、カロリーは消費されるわけだし。運動中は脳と筋肉の両方でエネルギーは消費されるわけだから」


しろちゃん「筋肉をつけたら代謝が上がるんじゃなくて?」


シロウ「まぁ多少はね。でも基礎代謝のほうはほとんど変わらない。むしろそうじゃないと体型どころか健康を維持できないからね。ホメオスタシスといって体温を安定させる機能が人間に備わってる以上、異常な代謝は他になんらかの原因が考えられるわけ。筋肉質の人がそこまで代謝が上がるならムキムキマッチョマンなんてものが存在するわけがないだろ?彼らはボディメイクといって脂肪を減らして筋肉を太らせるための努力をしているんだ」


しろちゃん「じゃあ逆に聞くけどなんで人造人間なのに太るように作ったのさ?」


シロウ「それはこっちも聞きたいんだけどね(笑)ただこのまま、なんての?ヒロインがただただふくよかになっていく物語というのは前代未聞だろうと思ってな」


しろちゃん「別に小説なら言わなきゃわからないんだからいいじゃん。もう遅いかもだけど。あ、良いこと思いついた!身長のほうを伸ばすというのはどう?」


シロウ「どうやって?(笑)自然に成長するにしても限界があるだろう?」


しろちゃん「だってお菓子やめられないんだもん。炭水化物減らすとお腹がすくし」


シロウ「その通り。炭水化物を減らすと体重は落としやすいが、当然お腹がすきやすくなる。そのお腹がすくというのは【エネルギーが足りてませんよ】ってサインだから精神的にも肉体にもそれで良いはずがない。結局、炭水化物を再び取りだすと血糖値のコントロールが難しくなり、その結果太りやすくもなる。それがリバウンドの原因でもあるんだよ。炭水化物をきちんと取りながらも血糖値を穏やかに上げるような食べ方やバランスのほうが重要ってわけ」


しろちゃん「おい、作者!なんで私は太っていってるんだよ?物語なんだしそこらへんうまいことやれよ」


作者「それはね、しろちゃんは架空の存在でありながら現実のネット世界では確かに存在しているという裏設定と、そのほうが面白いからだよー」


シロウ「だそうだ。面白いからだよーだって(笑)なぜか佐藤二朗さんで脳内再生余裕だったわ」


あんこ「ん?二人ともなんの話してんの?なんかもうひとり知らない人の声も聞こえたような気もしたけど」


シロウ「ドカ食い気絶部の部長さんが起きたみたい」


あんこ「疲れてるのよ、ここんとこ残業続きで」


しろちゃん「だったら博士と一緒になればいいのに?」


あんこ「余計疲れそうなんじゃない?」


シロウ「だそうだ。まぁ食べて寝にウチに来てるような今の状態ではほとんど変わらんと思うがな。この際だから、しろちゃんはとりあえずお菓子の量を減らして俺が開発した特製のダイエット食と運動法の被験者になってもらおうか?」


しろちゃん「あんこさん、一緒にダイエットしよう♪」


あんこ「私?私は別に太ってないよ?体重ずっと変わってないし」


シロウ「おかしいな。もしかしてウチの体重計で測ってるんじゃない?壊れてるよアレ。計器類は直すよりも新しい物を買ったほうが正確だからね。今朝Amazonから届いた新しいのが脱衣場にあるから測り直してみなよ」


 あんことしろちゃんは新しい体重計にそれぞれ乗った。そして二人は、ライアーゲームの敗者のようにゆっくりと膝から崩れ落ちたのであった。めでたしめでたし♪


























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