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第81話 チャンさんの弟子



シロウ「しろちゃん知ってるか?最近、あの中華屋さん(第13話参照)のあとにまた新しい店が入ったの」


しろちゃん「あー、中華七民ってとこでしょ?まだ行ってはないけど」


シロウ「それがチャンさんから久しぶりに連絡があってさ。どうもチャンさんの弟子がやってるんだってそこの店」


しろちゃん「あ、そうなの!?」


シロウ「チャンさんとこもだけど日本全国いろんな所で修行を重ねてやっと店を出したはいいけど、店主のクセがすごすぎてまだ客があまり来てないらしい(笑)ちょっと変わってるけど才能は確かだから是非行ってやって欲しいと」


しろちゃん「なるほど。じゃあ今から試しに二人で行ってみる?ちょうどお昼だし」


シロウ「そうだな、行ってみるか♪」


 そして。


店主「へぃらしゅ、好きなとこ座って。注文決まったら言ってね」


しろちゃん「まぁ、思ったより普通な感じよね。昼なのに自分らしかいないのが気になるけど」


シロウ「これがメニューか。なんかこだわりがありそうでなさそうな(笑)なんとも言えない」


しろちゃん「じゃあ、自分はこのジュウジュウ海鮮中華あんかけ焼きそば」


シロウ「俺はこのなんて読むのかわからんけど、なつ?夏油淋鶏+ライスの定食で」


店主「ゲトゥーリンチーね」


しろちゃん「あ、あと餃子も」


シロウ「そうだな。餃子でその店のレベルってわかるって言うし俺も頼むわ」


店主「餃子の数と配置は?」


しろちゃん「は、配置?」


店主「餃子の数と配置は?」


シロウ「えぇ、とりあえず2皿。こことここに」


店主「かしこまり。以上で?」


 しろちゃんとシロウは店主の意表をつくクセの凄さに笑いをこらえながら頷いた。


しろちゃん「これはなかなかの(笑)」


シロウ「俺はけっこう好きな感じだけどな。てかやっぱ決め手は味だろ?」


 そうこうするうちに二人の前に料理が出てきた。


しろちゃん「あ、この味!ほら、あの夫婦二人がやってたあそこの」


シロウ「ちょっと貰っていい?。あ、あそこの上海焼きそば!」


しろちゃん「えー、マジか。あそこ店閉めちゃったからもう二度と食べられないってショックだったんだけど。普通に嬉しいわ」


シロウ「しろちゃん、これ食べてみ」


 シロウはそういうと夏油淋鶏をしろちゃんに勧めた。


しろちゃん「わ!?これはアレじゃん、駅前通りの無口なオッサンとこのじゃん!」


店主「わかる?(笑)」


しろちゃん「わかりますとも、いやなんで?」


店主「ここらのいろんなとこで働かせてもらってたからね、そこの味を領域展開で模倣した感じかな」


シロウ「ちょっと何言ってんのかわかるようでわからんけど言いたいことはまぁわかる」


店主「はい餃子、配置はここでいいよね」


しろちゃん「つまりそうだとするとこの餃子も」


シロウ「えー、どこなんだろ。ここらで餃子の美味しいとこはあんま無いよな(笑)」


しろちゃん「全国を廻ってたってチャンさん言ってたから、宇都宮?ワンチャンあるかも」


店主「まぁ食べてみてよ(笑)」


シロウ「これは!?いやまさか」


しろちゃん「博士もそう思った?いやいや、コレはさすがにまずいっしょ。だってソレが出てきたら違う意味で」


シロウ&しろちゃん「味の素の冷凍餃子」


店主「正解。でも安心してちゃんと手作りだから(笑)」


シロウ「いやこの再現度、一歩間違えれば冷凍のをそのまま調理したとしか」


しろちゃん「でも焼き加減が絶妙だし、仮にそうであったとしても値段もリーズナブルだよね」


店主「味の素の冷凍餃子はコストパフォーマンスといい、誰でも美味しく作れるように常に研究を重ねてるからあなどれないよ。餃子でその店の腕がわかるという客に対して、客の反応でこちらも客のレベルがわかるからね。あえて」


シロウ「くそ、悔しいけど腕も口も達者なのは認めざるを得ない。こうなったら口臭くしてやる!」


しろちゃん「餃子2皿追加、配置はここで。心臓捧げよ!」


 二人はお腹いっぱい食べたのでした。


シロウ「実は俺たちチャンさんから連絡受けて来たんです」


店主「あぁ、やっぱり(笑)久しぶりにこっち帰ってきたらお店閉めてしまったみたいね。ここだけじゃなくコロナや、いろんな理由で個人の中華屋も減っちゃったでしょ?。何か恩返しみたいなものはできないかと、自分が修行してきたいろんな店の味を再現してみたくて店を出したんだよ」


シロウ「そうだったんですか」


店主「人によってはソレをパクりと思うかもしれない。でもパクるからにはパクったものへのリスペクトを忘れてはならないし、パクられて良かったと思ってもらえる事が大事だと思う。あとパクっていいのはパクられる覚悟があるものだけだよ」


しろちゃん「なんか凄く良いこと言ってるようで、めちゃくちゃパクりを肯定してるのが草なんだけど」


シロウ「尊敬はもちろん、それなりの自信と腕、あと教わるだけの信用諸々が無いとできないってことさ」


 二人が食事を終え店を出ようとしたとき、他の客がまたいれかわりで何人か店に入ってきた。


客A「俺はいつもの。あと餃子1皿、配置はここに」


客B「俺はチャーハン。ここのチャーハン、チャンさん思い出すわ〜」


客A「え?そうなの。ワンタン麺は昔、商店街にあったあそこの味なんだよ」


店主「あいよ」


シロウ「リピーターついてるみたいだし、これなら心配いらないな♪」


しろちゃん「良い店が見つかったね♪」


 こうして、しろちゃん達は行きつけの店ができて満足だったのでした。めでたしめでたし♪

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