第77話 404 not found(前編)
お待たせしました。今回、あまりにも情報量が多いものでして。結局前後編にわけることになりました。元々私は自分が作品の内容を考えてるという感覚があまりないもので、脳内に浮かんだ映像を文章に書き起こしてソレがきちんと表現できてるかだけ考えてる感じです。夢って自分が見たい内容で見れないじゃないですか?アレと同じで自分の頭に浮かんだものには違いないけども考えたのかと言われたらなんとも言えないですよね(笑)たぶん私が考えて書くよりはそのほうが面白いと思います。
それはシロウとあんこさんが渡米してから約半年後のこと。
シロウ「ただいま〜。みんな仲良くしてたか?待たせたな♪」
あんこ「ただいま♪」
しろちゃん「うん、みんな良い子にしてたよ♪」
しろたん「うん!」
四葉「してた」
しろちゃん「ほらジィジにゾンビデダンス見せたげなよ、チョコランタンの衣装着てさ♪」
しろたん「ほに!?」(モジモジ)
四葉「もう、それは運動会のお楽しみでしょ?」
しろたん(コクコク)
シロウ「そうだな、お楽しみにとっとくよ♪とりあえず、今日は遅いから荷物を片付けたらとっとと休ませてくれ。明日は俺からみんなに大事な話をするつもりだから」
しろちゃん「うん、わかった♪。あんこさんも久しぶりの我が家でゆっくりやすんでよ」
次の日。
あんこ「ほんとに私も一緒にいていいの?」
四葉「私も」
シロウ「あぁ、もちろん。いつかは話さなきゃいけないことなんだ。ここにいる全員にとっても。今回、色々頭の中が片付いたから今まで言えなかったことも全て話したい」
しろちゃん「別に今更そこまでかしこまられても、なにを聞いたところで驚かないよ。だって博士なんだし(笑)」
シロウ「それならいいけど。しろちゃんの出生に関することだよ」
一同「えーーー!?」
シロウ「いや、だから言えなかった理由も含めてきちんと説明するから。そして今がその時だと俺は思ったんだ」
あんこ「それこそ、私や他のみんなも居ていいの?」
シロウ「もちろんだ。四葉ちゃんも、しろたんも俺の大事な家族だし。あんこは当然知る必要があることだから」
あんこ「じゃあ、、どうぞ」
シロウ「今から20年くらい前のこと。あんこと俺は車であるところに出かけていたんだ」
あんこ「、、、ごめん。それは思い出したくないかな」
シロウ「わかってる。だが最後まで聞いて欲しい。このまま知らずに先に進むという道もあるがそれよりも俺は話すという方を選んだ。その意味、わかってくれるよな?」
あんこ「うん、、、」
シロウ「ありがとう。その帰りの途中、俺たちは事故に巻き込まれたものの一命をとりとめたんだ」
しろちゃん「事故?よく無事だったね。でもそれが自分の出生となんの関係があるの?」
シロウ「すまん、実は俺も事故の衝撃やらでそこまでハッキリとは覚えてないんだが。その時に俺たちを助けてくれたのが君のお母さんだってこと」
しろちゃん「へーそうだったの。ん、ん?なんでそうなるのかよくわからないんだけど?続けて」
【以下、回想】
シロウ「っ、、、あんこ、無事か?」
後部座席のあんこさんは横たわったまま気を失っているようだった。
シロウ「煙で前がよく見えないな。体は、、、所々痛いけどなんとか動くには動けそうか」
その時、コンコンと窓を叩く音がした。
○○「生きてる?」
シロウ「レスキューか、、、助かった。生きてる、助けて欲しい」
○○「良かった。ギリギリ間に合ったみたい。今から助け出すからすぐにココを離れてね?。このあと漏れたガスに引火するはずだから」
シロウ「え?あぁ、わかった」
そしてシロウはドアから引きずり出されるようにして外へ出た。
シロウ「すまん。もうひとり、生存者が後ろの席にいる。早く助け出さないと」
○○「そちらのケガは?」
シロウ「あぁ、見た所では特に。でも気を失ってるみたいで動けそうにもない、、、俺も体がこの状態ではひとりで助け出すのは難しい。手伝ってくれるか?」
○○「そう、、、わかった。手伝うわ。とにかく急いで」
シロウは煙でよく見えない中、その相手と後部座席から、あんこさんを助け出した。
○○「ゴホゴホ」
シロウ「大丈夫か?。ところで君、気のせいか体がだんだん透けていって見えるような気がするんだけど?」
○○「!?あの、、まさかなんだけど、、、、ひょっとしてこの人、身ごもってたりする?」
シロウ「なんでわかるの?俺たちも今朝、病院で知らされた事だからまだ誰にも言ってないはずなんだけど」
○○「そうだったのか、、、。とにかく時間がないの。少しでも遠くに離れなきゃ」
そしてシロウとその相手は、あんこさんを抱きかかえるようにしてその場を離れた。そしてしばらくして事故の現場は爆発音とともに炎につつまれたのでした。
シロウ「間一髪ってとこか。ところで君はどうやらレスキューでもないみたいだけど、俺たちをなぜ救ってくれた?どうして事故のことや誰にもまだ話してないことを知ってる?」
○○「それは言えない、、、。永い未来から来た遠い過去みたいな存在だから」
シロウ「猫型ロボット?」
○○「まぁ、そんな感じ(笑)」
シロウ「せめて名前くらいは?」
○○「、、、しにあん。あなた達を助けることができて良かった。でも私は重大なミスを犯してしまったみたい」
シロウ「しにあんか、良いセンスだ。実は俺も自分の子供に付けようとしてた名前なんだ。で、なんのミスかは知らないが君のおかげで俺たちは助かった。心から感謝してるよ。てか君、やっぱり体が消えていってるんだけど!?」
しにあん「、、、そうだね。でも生きてるうちに会えて良かった。お父さん、お母さん、、、」
シロウ「まさか君は!?」
しにあん「本当はこのまま何も言わないほうが良いんだろうけど、やっぱり最期みたいだから伝えておくね。おそらく、お母さんを通して過去の自分と接触してしまったことでタイムパラドックスを起こしてしまったみたい、、、。父は事故のときに母を庇って亡くなったと、、そしてその母も数年後に事故の後遺症でとだけ養父母には聞かされていたの。まさか自分もその時そこいたなんて、、ちょっと考えれば気づけたかもしれないのに。だとしたら最初から救いようのない話だったのかもしれない。でも、後悔はしてないから、、。私のことは忘れて新しい未来でみんな幸せになって、、ね、、」
そう言い残して、しにあんは消滅した。そして、しにあんの消えた場所には四葉のクローバーが落ちていた。
【そして現在へ】
あんこ「じゃあ私の、私達の子供はあのとき、、、」
シロウ「そう、俺たちはそのおかげで助かった。しかし生まれてくるはずだった俺たちの子供も未来から来た俺たちの子供と同様にタイムパラドックスによって消えてしまった」
改変された過去により、あんこさんは事故の時、身ごもっていたはずの胎児が忽然と消えてしまったことをその後、搬送された病院で知らされることになる。つかの間の喜びから一転しての喪失感は、二人にとってはかりしれなかった。そしてシロウとあんこさんは距離をとることになるのでした。
シロウ「俺はその後、消失してしまった子供の形見を作ろうとして人造人間をつくった。そして生まれたのが【しろちゃん】なんだ」
しろちゃん「じゃあ自分のお母さんは、あんこさんてことなの?」
シロウ「いや、そうといえばそうなんだが厳密に言うとそうではない。俺たちの遺伝子からそのまま産まれ直したとして、それはまた別の人という事になってしまうだろ?。兄弟みたいなもので、同じ親から同じように産まれたとしても性別や体型がそれぞれ異なるように。だから、あくまでオリジナルの遺伝子から君を作り出す必要があった」
しろちゃん「てことは、、、」
シロウ「しろちゃんのお母さんは、しにあんが残したDNAってことだ」
しろちゃん「、、、どうやって?」
シロウ「事故のあと、炎につつまれた現場ではわずかな痕跡すら採取することも不可能だった。そこで俺は彼女が未来から来たのなら、そこに【しにあんの遺伝子】が残っているかもしれないと考えソレを探すことにした」
しろちゃん「まさか」
シロウ「そう、そこで辿り着いた先が【黙示録】という組織だ」
しろちゃん「じゃあ、会長もその件に絡んでるの?」
シロウ「どこまでかはしらんがタイムリープについてはおそらくな。今の会長は、しにあんの記憶も失っている。というか、実は俺にもわからない部分があってな。何より全てが未知の領域の事だ、あくまで結果論でしか話せない。ただその中で、しろちゃんと共に過ごしてきた中でいくつかわかったことがある」
四葉「あの、私からもひとつ聞いていい?しろちゃんは、未来から来た【しにあん】さんなの?それとも、、、」
シロウ「そうそこもなんだ。俺は大きな誤解をしていた。タイムパラドックスは未来から来た一方と過去の同一人物が接触することにより起きる事象の歪みによるものだ。だから同一人物がまさか同じ時空に存在するはずはないと。
しかし過去が改変されたことにより、そしてタイムパラドックスが起きた後に創られた新しい世界ならばどうだろう?。亡くなった親父の世界にも俺たちの子供はどちらも存在していなかった。つまり、片方のしろちゃんがこの世界にいるならばもうひとりが、この世界のどこかにいてもおかしくはないと。そしてこれは俺の下した結論なんだが、そのもうひとりは、、、」
シロウがそう言って指さしたその先にいたのは【しろたん】でした。
しろたん「へ?」
シロウ「おそらく、しろたんが見たという【しろちゃんのお母さん】てのはこの人じゃないかな?」博士はそう言って一枚の写真を見せた。
しろたん「うん」
しろちゃん「見せて、ちょっと大人っぽいけど自分によく似てる。会長、どさくさに腰に手を回してやがんの」
シロウ「シニアン=アンダーソン。改変される前の世界ではアメリカの養父母に育てられていたはずだった俺たちの子供、しにあんだ。今は当然誰の記憶にもなく、そして過去が改変されたことによるものか意図的に存在を抹消されたのか、その痕跡はほとんど残されていない。ただ、シニアンがタイムリープにより過去の遺跡に残してきた落書きや色々やらかしていた様子はアメリカ国防総省の機密事項には残されていたというわけ。今回、例の動画が何処から流され、なぜすぐに消されたのか?そこまではわからん。ま、ここまでが俺の推測を混じえたありのままの話というわけだ」
四葉「その話が真実だとして、それぞれの事情もわかるんだけど。しろちゃんや、しろたんにとってそれはどうなの?」
しろちゃん「いや、まぁ自分は以前未来から来たという自分が残してくれたメモ(第28話参照)で薄々は察してたんだけどね。【過去も未来もこれから起きることもどう受け止めるかは自分次第、この世界を生み出したのは自分だから。時が来れば全てわかる日がくるよ】と。なら答えは一つでしょ?結果が良ければそれで良いんじゃない♪ってね」
しろたん「うん♪」(にっ♪)
シロウ「俺もそう思う。そしてソレも、しろちゃんが間違いなく俺たちの子供であるという理由でもあるんだ。しろちゃんにはコードシロツメクサという最高峰のAIが組み込まれている。確かに人類の叡智と呼ばれる膨大なデータから様々な予測をする事は可能だろう。夢と同じで解析すれば答えから逆にトレースすることもできる。ただ、この世界でタイムパラドックスを実際に体験した者にしかわからないことを知っていたり、未来から来たという大人のしろちゃんがいるとするならばそれは【消えた俺たちの子供】だからってことになるだろ?」
しろちゃん「自分は直接会ってないけどね。てか会っちゃったらまた消えちゃうし、世界も変わっちゃうんだっけ(笑)」
シロウ「冗談じゃない二度とごめんだ。たちまちそんなとこだけど、しろちゃんや【しにあん】の存在を他に知ってる者がいるかもしれない以上、喜んでばかりはいられないんだ。だから今、みんなにこうして打ち明けたわけだ。もう何があっても二人とも俺たちの前から消えるんじゃないぞ?」
しろちゃん「はーい♪」
しろたん「うん♪」
あんこ「二人ともこっちおいで。ん〜、大きくなったね(笑)」
こうして、しろちゃんファミリーは長い時を経てようやく心から一つになれたのでした♪めでたし、めでたし♪
後編へ続く




