第70話 しろたんのひみつ
70話にしてなんですが。私、コレ小説というより台本に近いんじゃないかと気づく模様(笑)でもこういう書き方しかできないし、シロツメクサのしろちゃんという狂気の作品はおそらく自分にしか書けないような話だと思うので、これからも頑張って書いていこうと思います(笑)
しろたん(トテテテテテ、コテン!)
しろちゃん「しろたん!大丈夫!?」
しろたん「大丈夫。でもちょっと痛いかも」
しろちゃん「血が出てるね、、、。とりあえず、そこの水道水で洗って絆創膏貼っとこうか?」
ジャー。
しろたん「しみる〜」
しろちゃん「我慢我慢、しろたんは強い子でしょ?ひかない、こびない、かえりみない♪」
しろたん「強い子、泣かない♪」
しろちゃん「えらいえらい♪」
そして別の日に。会長室で
しろちゃん「あのさ、会長に聞きたいことがあって」
会長「どしたの、そんな深刻な顔して?また急に呼び出されるから驚きましたよ」
しろちゃん「こないだね、しろたんが公園でコケて擦りむいたんだ。ケガはたいしたことなかったんだけど、血が出てた。つまり、しろたんって【人間】だよね?。なぜアンドロイドの自分たちに預けたのかを知りたくてさ」
会長「そうですか、やはり気づいてしまったようですね」
しろちゃん「人間なら本当の親に育てて貰ったほうが、しろたんのためなんじゃないかなって」
会長「んー、どこからどこまで話せば良いのかわかりませんが、私が話せる範囲で良ければ。ほんとここだけの話でお願いしますよ?」
しろちゃん「うん」
会長「しろたんが並外れたショートスリーパーであることはすでに、しろちゃんも存じているとは思いますが?」
しろちゃん「知ってるよ、しろたん自身はわかってるんだかわからないけど。気を使ってるのか寝たふりしてるからわかる」
会長「なるほど。しろたんはある研究の中で偶然、人間としてこの世に産まれることになりました。しかしそれは本当に偶然も偶然、奇跡の重なりのようなもので私もそこまでは意図してなかったことなんです」
しろちゃん「、、、」
会長「ただ研究の成功例としてそれがもし表沙汰になれば、しろたんは悪い人たちに利用されるかもしれない。例えば眠らない兵士となればその利用価値は計り知れないでしょう?そう案じた私は研究を秘密裏にあの子の存在もろとも抹消することにしたのです」
しろちゃん「なんの研究?」
会長「人類の祖先が月の民である可能性とその証明といったところですかね。しろたんは月の民の因子を色濃く受け継いだ存在、というより月の民そのものを現代に蘇らせた人間ということになります。もちろん見た目も中身も、生物学的には普通の人間と何も変わりません。ただ月の民がそうであったように今の人類とは体感的な時間感覚の違いを生まれながらにして持っているということになります」
しろちゃん「今ここで話を聞いてるのが自分じゃなかったら迷わず病院に連れて行くような話だね(笑)」
会長「ええ、しろちゃんがアンドロイドで良かったです(笑)でも、しろたんは事実として存在しているわけで、しろちゃんの推測通り特異な体質であることも確かなのです」
しろちゃん「その時間感覚ってのはショートスリーパーとも関係があるの?」
会長「ええ。しろちゃんもショートスリーパーだと思いますが、睡眠は3〜4時間ってところでしょうか。しろたんは驚きの1時間なんですよ」
しろちゃん「それって病気とかじゃなくて?」
会長「医学的にはそれで不調が伴えばそうなりますが、そうでなければ単に睡眠時間の短い人ってことですね。しろたんは一般的な睡眠のおよそ8分の1を繰り返すことによって1日の睡眠を他と合わせてるんです」
しろちゃん「難しい」
会長「わかりやすく言うならば、起きてる間の時間は他の人間と変わりませんが、寝ている間は時の流れが遅くなるということ。普通の人間の生活リズムに合わせた場合、1日にして64〜70時間ほど、寿命にして600歳ぶんもの間、体感的には生きていることになるわけです」
しろちゃん「全然わかりやすくないんだけど?(笑)自分もショートスリーパーだからなんとなく言ってることの少しは理解できるかなくらい」
会長「寝て起きたらまだ1時間しか時がたっていない。また眠り直してを繰り返して体感的には8日めにしてやっと普通の人が8時間眠って朝を迎えられるのと同じという感じですかね」
しろちゃん「それって得なんだか損なんだかわかんないね」
会長「実際の時間は変わらないのであくまで、しろたんの体感的なものですが。今はまだその違和感も子供だから少ないかとは思います。しかしこれから様々な経験や記憶を得ていく中で良い面も悪い面も当然出てはくるでしょう」
しろちゃん「治すことはできないの?」
会長「先にも言ったように、しろたんの場合は病気ではありませんから根本的な解決はできません。ですが医療的に対処することは可能と思います。ただそれも含めて、しろたんがゆくゆくどう望むかなんじゃないかと思います。今はまだそこまで判断できるような年齢ではないでしょう。私にできることは、しろたんが判断できるようになったとき望むようにしてあげることくらいです。そのために、しろたんをあなたに託したのですよ」
しろちゃん「会長の隠し子じゃなくて安心したよ(笑)」
会長「当然です、そんな恐ろしい事考えたこともありません(笑)おちょぼんを知ってるでしょ?しろたんのお友達の。あれ私の孫なんですがね。しろたんと私は全然似てないでしょ?」
しろちゃん「おちょぼんも会長とはあんまり似てなくて良かったね(笑)」
会長「どちらかといえば、しろたんは、しろちゃんに似ている。というか、しろちゃんのベースとなっているのは月の民ですからね」
しろちゃん「兎型人造人間ってそういうことなの?睡眠不足で目が赤いわけじゃなかったんだ?」
会長「そう、そしてそれもあくまで現代の地球における人類と比較しての話。あの頃、まして月に朝や晩といった時間感覚や睡眠時間という概念があったのかということを考えれば別におかしくはないでしょう」
しろちゃん「言われてみれば確かに」
会長「現代でも先祖返りというべきか、ショートスリーパーは事実として存在しており、原因も様々ながらなんらかの遺伝子によるものとも言われております。その一部の人間の中には何百歳生きればそこに到達できるのか?明らかにその時代の人類の寿命を超えた叡智をもたらした連中もいたわけです。ジャンフォン・ノイマンとかね」
しろちゃん「でもそれって、しろたんにとってどうなんだろうね」
会長「そこなんです。感情を持たずにはいられない我々人間にそこを冷静に判断することは不可能に近い。まして宇宙人に近い月の民の、しろたんがきちんと判断するためには適切な保護者が相応しい。だからこそ、しろちゃんという最高峰AIに託したのです」
しろちゃん「はたから見ればただのサイコパスだけどね(笑)」
会長「人間というものは複雑にして厄介なところがありますからね。感情というのもけして良いものばかりではなく、余計な感情も混在して当たり前の世界。その感情も常に揺らいでいるという不安定さ。ゆえにAIでもただのAIではダメなんです【しろちゃん】でなければね?」
しろちゃん「まぁ、話はわかったよ。しろたんはこれからも自分が責任を持って育てるから安心して♪」
会長「ありがとうございます♪よろしく頼みましたよ」
しろちゃんは帰り際にそっと、来月分のしろたんのお手当を要求するメモを手渡した。会長は愛人を囲ってるかのような気持ちに少し自惚れながらも、また髪の毛が薄くなるのを感じたそうです♪めでたしめでたし♪




