第68話 シロウと、あんことクラシック
私、高校生の頃にサンフランシスコの露天かなんかで買ったサンフランシスコと書かれたパーカーを10年くらい着てました。ポルシェの服屋の店員さんがものすごく美人だったのですが顔とか全く覚えてないです。人の記憶ってほんとダメな構造してますよね(笑)
あんこ「しろちゃん、シロウいる?」
しろちゃん「うん、地下のオーディオルームにいるとおもうよ♪」
あんこ「あぁそう。なんか私のこと言ってた?」
しろちゃん「別に〜、いつもと変わらないけど。また浮気かなんかして怒らせたの?(笑)」
あんこ「そんなんじゃないんだけどねぇ。アイツが知らないはずないんだけど。そっか、しろちゃんにはまだ何も言ってないか」
しろちゃん「うん、知ーらなーい。なになに?」
あんこ「あー、また後で話すね。とりあえずシロウんとこいってくるわ」
しろちゃん「ほーい。じゃあ、しろたん、ティアキンの続きやろっか♪」
四葉「ここに扇風機つけて、あとこことここにも扇風機、そして扇風機」
オーディオルームでシロウを見つける、あんこさん。
あんこ「いたいた。アンタ何やってんの?」
シロウ「んー、ライブラリの整理をね。しろちゃんファミリーがここをレンタル屋代わりにしてて、また勝手にモノが増えて行くもんだから。ほらコレ、しろたんの乗り物図鑑DVD。あと聞きたいCDを何枚か探してたんだよ」
あんこ「あーそう」
シロウ「で、何か用?」
あんこ「いや、用というか。アンタ、リョーコさんから聞いてるよね?私がアメリカに行くって話」
シロウ「うん、聞いてるよー。良かったじゃん♪」
あんこ「ふーん、それだけ?」
シロウ「、、、。夢だったんだろ?海外のオフィスとかで働くのが」
あんこ「そりゃそうなんだけど。いくらリョーコさんの紹介とはいえ、うまくやれるか不安じゃない?」
シロウ「大丈夫だろ。あ、ジュディマリのクラシック入ってるアルバム。懐かしいなぁ、かけてみるか」
あんこ「、、、アンタは何も思わないわけ?この物語の良心というか唯一まともなツッコミ役が遠くに行くというのに?」
シロウ「んー、せっかくのチャンスだしな。俺がどうこう言える立場でもないしさ(笑)」
あんこ「そう、、、。その、寂しいとか心配とかはないんだ?」
シロウ「西海岸は乾燥がすごいから静電気に気をつけてな。あと外国のトイレはよくつまりやすいよ(笑)」
あんこ「そうじゃなくて!もういい、、、」
シロウ「と言っても研修で1ヶ月程度の話なんだろ?ずっと向こうにいるわけじゃないんだしさ」
あんこ「だから、もういいってば。私、用意しなきゃいけないから帰る!」
シロウ「ちょ、、ちょっ待てよ。コレ、俺だと思って持って行ってくれ。お茶飲むときとか俺のこと思い出して欲しいから」
シロウはそういうと、あんこに湯呑み茶碗を手渡した。
あんこ「こんなのいらないわよ、荷物になるし。てかなんでまた夫婦茶碗なのよ(笑)」
シロウ「いや、だから荷物になるからさ。お前の方の荷物にいれといってってことな(笑)」
あんこ「は?」
シロウ「聞いてないのか?リョーコから。俺も一緒についていくの」
あんこ「はぁ!?」
シロウ「だって、お前ひとりじゃ料理もまともにできないし、海外の生活が不安でしかたないって今から言ってるくらいだろ?ならもう答え出てんじゃん、一緒に行くしかないって(笑)」
シロウがそう言うと、クラシックのサビがちょうど流れてきて、あんこさんの顔がシロウの顔に近づき重なるのでした。
あんこ「もう答え出てんじゃん♪で、しろちゃんたちは大丈夫なの?一緒に連れて行かないで」
シロウ「大丈夫だろ、なんたってもうあいつらもファミリーなんだしさ。この話したときも、みんなで喜んでたよ♪」
あんこ「え?」
あんこさんがドアの方を振り返ると、しろちゃん、四葉ちゃん、しろたんまでがドアの隙間から二人の様子を覗いていたのであった。
しろちゃん「あーあ」
四葉「あーあ」
しろたん「あーあ」
シロウ「おまえらなぁ、しろたんまで。もう全員まとめてコチョコチョの刑だー!」
追いかけるシロウとキャッキャ逃げ回る三人組とは裏腹に、あんこさんはどこから見られていたんだろうかと想像し、とてつもない恥ずかしさでその場にへたり込むのでした。めでたし、めでたし♪
当初、今回の作品はシロウとあんこさんのタイムカプセル的な話にしようかと思っていたのですが。今の時代、タイムカプセルって何?とか言われてもおかしくないのでボツにしました。一部と二部は察しのとおり、しろちゃんを主人公としながらもメインスポットが移ってるのは一部ラストのシロウのセリフから来ております。その中で中身スッカスカでありながらも丁寧にキャストを扱うという気持ちにかわりはありません。というのが今回の作品です♪




