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第7話 しろちゃん温泉に浸かる

しろちゃん「温泉ってこんなに気持ち良い所だったんだね♪」


あんこ「肝心の入浴シーンがばっさりカットされてるのは良いんだか悪いんだかわかんないけどね(笑)」


シロウ「あーお前らもあがったのか?温泉は気持ちいいだろ〜、しろちゃん」


しろちゃん「ナイスー♪」


シロウ「こちとら受け付けでは顔に描かれたクマドリのせいで『大衆演劇の方ですか?』と言われるわ、風呂に入れば強面の方に『兄さん派手にかぶいておられるんですね』と言われるわでさんざんだったがな」


しろちゃん「こっちもどこかの知らない婆さまに身体を上から下まで滑り落ちるかのように見られたあげく『アンタ胸がないから男の子なのかと思ったけどついてないから女の子なんだねぇ』としみじみ言われてなんかイラっとした」


あんこ「そのうち大きくなるよ。、、、なるよね?」


シロウ「さぁ。でもそれは通称アイガー北壁と言ってだな、世の山男たちが登山人生の集大成として我こそはとその指先すらひっかからないような天然の断崖絶壁に果敢にチャレンジしたくなるほどの胸なのだからもっと自信を持ったらいいんじゃないか?」


しろちゃん「博士に頼まなくても自分でなんとかするからいいよ(ムス)」


あんこ「まぁまぁふたりとも落ち着いて、とりあえず、お部屋に戻ってご飯食べましょ♪」


 しろちゃん御一行は温泉旅行に来たものの肝心の入浴シーンどころか食事シーンもばっさりカットという暴挙に作者が出たのは他でもなくスポンサーがまだついてないからなのです。書籍やアニメ化?万が一映画化にでもなった日には絢爛豪華な食事風景やら別に誰も見たいとは思わないであろう、しろちゃんの断崖絶壁スタイル。年増で行かず後家九段位持ちのあんこさんの湯けむりセクシーショットがキャッキャウフフと追加されるかもしれませんが、そんなもんは結局キャラ絵師さんやアニメーターさんらの力が全てといっても過言ではなく、作者にお金がかかることでできるようなことは今のところほとんどありません(作者)


しろちゃん「この語り手、このままここに置いていこうか、それとも屋上に連れて行っていい?。久しぶりにキレちまったよ」


シロウ「まぁまぁ、明日も朝早いんだろ?俺は別にどっちでもいいんだが、そっちのお姉さんがどーしても行きたそうにしてる所があるんでな」


あんこ「だってこの温泉街、意外と女性客が多いなぁって思って調べてみたらちょっと行った先に有名なパワースポットがあるそうじゃない♪」


しろちゃん「パワースポット?見たら死んでしまうと言われる青白い光が出てるようなプールの中で棒が出たり入ったりしてる所があるような施設じゃないよね?」


あんこ「都市圏の電力がまかなえるようなすごいエネルギーを出してそうだけど、そこじゃないしパワーの質も違うとおもうわ」


シロウ「じゃあとっとと寝るぞ。お前らはそっちの掛け軸の裏に御札が貼ってある部屋で俺はこっちの部屋な?」


 シロウは冗談で言ったつもりが本当に御札が見つかったことにより、お部屋は交換となり、その晩は朝までみっちりうなされることになったとかならなかったとか。


 そして。


しろちゃん「おはよう♪そっちの部屋から博士が寝言で『ママー!ウ〜ウ〜、きっと来る〜きっと来る〜』って何度も言ってたけど何かきてたの?(笑)」


あんこ「一晩でこんなにやつれるなんて」


シロウ「フッ、お前たちはまだそんな非科学的なことを信じてるのか?心霊というものはだな、恐怖心が引き起こす心理的瑕疵による現象であって信じていなければ別になんてことはないもんだ」


あんこ「そんなにゲッソリやつれて(笑)十分ビビってたんじゃん。じゃあもう一泊しようか?」


シロウ「(ダメ)に決まってるだろ!今度はもっと仲間を連れてくるんでみんな成仏させてくださいね♪とか言うような連中らと毎晩、呪○廻戦なんてやってられるか」


しろちゃん「この小説そういうジャンルじゃないもんね」


あんこ「じゃあそろそろ朝食もすんだことだし、パワースポットに行きましょう♪」


シロウ「朝食ですらカットされる旅行回って、、、」


 プロでもない【なろう小説家】に取材経費なんてあるわけもなければ入浴剤ですら自費ですよ自費。その入浴剤入りのお風呂に浸かりながら今回の話を考えてるわけです。

知ってますか?温泉の素、あれはイメージであって本当の温泉はあんな色も香りもしませんから!せいぜい熱めのお湯にしたら本物の温泉に近づきますよ!とか言ってたら私語り手、パワースポット行きのバスにおいてかれそうなんで、これにて失礼(作者)



 ブルルル、キキー、プシュ〜到着〜。


あんこ「あ、あそこ、めっちゃ人が集まってる♪」


しろちゃん「みんな手を合わせて何を祈ってるの?」


あんこ「ここは屈指の恋愛パワースポットだから女性に大人気なのよ♪ほらあの注連縄のついてる大きな岩がそうよ」


しろちゃん「知ってる、真っ二つにすれば試験に合格するやつだね?♪」


シロウ「そんなことしたら、パワースポットでエネルギー補給しなくても執念のパワーが有り余ってそうなお姉さんたちに、お前のほうが真っ二つにされかねんがな(笑)」


女性客ら(ギロリ)


女性客A「少しでも良い男と一緒になるための自分磨きの努力をバカにするんじゃないわよ」(ボソッ)


女性客B「だいたい男連れでこんなとこに来てるんじゃねぇよ」(ボソボソ)


あんこ「ちょっとちょっと、シロウのせいでなんか私まで睨まれてるじゃない!このままだとせっかくここまできたのにパワースポットのご利益に賜れないことになるなんてヤダからね。あんたなんとかしなさいよ!」


シロウ「いだだ!引っ張るな、わかった、わかったから。おほん、ええ私こう見えてですね、凄く当たる占い師だと場末のスナックではわりと有名なんですよ♪今回、ご希望があればあなたたちにピッタリの異性のタイプとやらを占ってしんぜようとおもいまして。いやいや無理にとは言いませんから。こんな胡散臭い占い師の戯れ言なんて誰も信じませんよね?(笑)」


 とシロウがいつものように冗談を言ったのもつかの間、先程まで鬼の形相で睨んだり「ちょっとそこ邪魔しないでよ〜順番守りなさいよ〜」とかスマホ片手に映え撮りに群がっていた女性客らがシロウの前にズラりと綺麗な列を作ったのであった。


しろちゃん「博士、責任取りなよ?もう後には引けないよ?(笑)」


シロウ「ここで会ったのも何かのご縁、この私がみなさんを救いましょう!」


 もはや占い師なのか伝道師なのか宗教の教祖なのかすらわからないが、シロウは突如降って湧いた娘の期待と父親の威厳というものになぜか燃えているのであった。


シロウ「ふんふん、あーなるほど。ほ〜、はいはい。あなたの望む相手と言うのは清潔感があって何事にも我慢強く、時には物思いにふけるそんな横顔がキュンとなるような男のかたが理想なのね?そんなワガママなあなたにピッタリのタイプは〜ずばりドMな修行僧です。というか修行僧以外はほぼ確実に無理です!(キッパリ)はい、次の方」


シロウ「ふーんなるほど、あなたにピッタリのタイプはお相撲さんですね。え?私の体型を見て言ってないかって?ところで私、相撲部屋の女将さんとちょっとした知り合いで最近の若い弟子たちはアナウンサーとかモデルとかクラブ嬢などにうつつを抜かしてて稽古に身が入らず困ってるそうなんですよ。そこはやはり遺伝子というかあなたのような方こそ息子の嫁にと、相撲部屋の将来のためにと探してる方もいてね。というかこのタイミングであなたツイてる!大企業社長令嬢のあなたなら家柄ともに合格間違いなし。もしよければこの名刺に連絡先を書いとくからそこの部屋に入門、いや連絡してみてはいかがかな。ご成約の際にはこちらの銀行口座にたった7桁の仲介料を振り込んで貰えたらそれでいいから。あと大企業社長のお父様にもくれぐれもよろしく言っといてね♪」


しろちゃん「なんかテキトーなこと言ってるけど説得力と人心掌握術だけは天性の詐欺師なだけあって手玉にとってる。中には涙まで流して喜んでる人もいるし、集団催眠って怖いね」


あんこ「8割型は修行僧があなたにピッタリのタイプという答えで、あとは知人の紹介とかでお布施の要求。なかば人身売買に近いようなことをしてる気もするけど」


シロウ「こんな身の丈に合わないような無理難題な願いを全身全霊で生涯の修行として耐え忍ぶような精神構造してる連中なんて修行僧しかおるまいよ。滝行で清潔感もマイナスイオンもバッチリだろうし」


あんこ「というかそろそろ私の用も済んだことだしテキトー占い師がバレる前にとっとと退散しましょう」


 一行はシロウ先生の占いパワーが枯渇したため本日の占いはこれにて終了させていただきますと頃合いをみてお願いし、残った列の人たちにはさっきお土産屋で買ったおまんじゅうに【恋愛成就開運祈祷済】と書いて配ってまわり済ましたのでした。


 そうして帰路についた一行らの不安をよそに、それからそこは温泉のある山奥のパワースポットというだけでなく、かねてから修行僧の供給には事は欠かないという土地柄だったということもあって、占いでタイプが修行僧と言われた女性客らとたまたま修行に訪れていた修行僧たちがピッタリとマッチング。また、あそこに修行僧として行けば女性たちにモテるという評判を聞きつけた独身の男性連中らもわらわらと現れるようになるという好循環となり、以来そこでは「二人の巫女さんを連れたシロウ様という縁結びの神様が占い師として降臨された聖地」と言い伝えられるようになったとかならなかったとかで、めでたしめでたしなのでした♪











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