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第51話 シロウとしろちゃソのじーちゃ



シロウ「あ〜夢か気のせいでもなきゃ、俺はどうやらあのまま逝っちまったみたいだなぁ」


 シロウの目の前には綺麗なお花畑と川が流れていた。


シロウ「ま、心残りはあるけれど前回行った所とは風景も様子も全然違うし、ということは俺の人生これで正解ルートだったってことだよな(苦笑)で、俺はこれからどうすりゃいいんだ?」


 そこへ軍服姿の男が一人近づいてきた。


男「待たせたな。いや別にお前を迎えに来たわけじゃない。息子に会いに来ただけだ」


シロウ「あーそう、、、って、その顔!それにその姿!。まさかの親父かよ!?あー、俺はほんとに逝っちゃったんだな」


じーちゃ「まぁ落ち着け息子よ(笑)さっきも言ったように、俺はお前に一目会いに来ただけだ。あっちの世界で手遅れにならんうちにお前は帰れ。じゃないと肉体が燃やされてからでは遅いからな(笑)皆まで言わんでも話はわかってる。小説家になろうで【シロツメクサのしろちゃん】を全話読ませてもらってきた所だ。俺に孫ができたんだってな?」


シロウ「あぁ、嫁はいないけど子供はいる。できちゃったわけでもなく作っちまった」


じーちゃ「んー、俺の立場的にそれはなんとも言えん所だ(笑)だが俺にはその事情もわかっている。わんぱくだけど良い子なんだろ?しろちゃんは」


シロウ「まぁね。親父にも生きているうちに会わせてやりたかったよ」


じーちゃ「慌てなくてもいずれは会えるさ(笑)それはそれで楽しみにしておくが、お前もここへ来るのはまだ早い。少しだけ話せればそれで十分だ」


シロウ「親父も元気そうでというとなんかおかしいけど、こっちでうまくやってるみたいで良かったよ♪」


じーちゃ「そうだな。まずここは悪いやつがいない(笑)おかげで平和な毎日を送らせてもらっている」


シロウ「良かったじゃないか。俺たちの世界も親父が生きていた頃に比べて平和で自由にはなったと思う。でも小さい揉め事はどこにでもあるからね」


じーちゃ「俺たちがやってきたことは、けして正当化されるものじゃない。平和と自由を追い求めたがそのやり方が間違っていた。だが、今を生きているお前にそう言ってもらえると気が少し安まるな(笑)」


シロウ「俺も久しぶりに親父に会えて良かったよ。また、お盆にでも帰ってこれるんだろ?」


じーちゃ「あぁ、そうだな。初孫の顔を見せてもらいにいくとするか(笑)」


シロウ「で、俺はどうすりゃ帰れるんだ?」


じーちゃ「ちょっと待ってろ。こいつを外してと」


 じーちゃはそう言って眼帯を外すとあたりを見渡した。


シロウ「親父、右目が見えるようになったのか?」


じーちゃ「まぁな。が、なんでも見えすぎるということは見ようとしていないものまで見えてしまうもんだ。だからここでも普段は眼帯をしているというわけだ」


シロウ「それで何か見えるのか?」


じーちゃ「よし、あそこだな」


 じーちゃはそう言って指をさし、シロウにそこへ行くように促した。シロウがその先に行くと確かに目の前に向こう側が透けているガラスでできたドアの様なものがあった。


じーちゃ「お前たちの住む世界(アウターヘヴン)から言えばソレがヘヴンズドア(天国の扉)ってヤツだ。本来そこからこちらへ来るものだが逆にそこから元の世界に戻れる」


シロウ「親父、そんなことやっても良いのか?(笑)」


じーちゃ「構わん。というよりも俺たち先に亡くなった者は、ここで本来案内するのが役割なんだが、

こちら側にはまだ来る予定じゃなかった者を現世に戻すのも仕事なんだ。たいがいはその身内が担当することになる。たまにいるんだ、お前のように間違って来てしまうような奴がな?(笑)でも寿命に逆らって帰りたいと無理を言うやつも中にはいるから基本その扉は見えなくなっている」


シロウ「そうか。なら安心したよ(笑)じゃあ親父またな♪」


じーちゃ「あぁ、もうすぐお盆だからな(笑)そうだ、大事なことを忘れていた!。葉巻を用意しておいてくれ。俺が伝えておきたかったのはそのことだ」


シロウ「さすが、しろちゃんのじーちゃだな(笑)わかった、仏壇に供えておくよ♪ばーちゃにはくれぐれも見つからないようにしろよ?こちらまで怒鳴り込んで来るかもしれないからな(笑)じゃあ♪」


 じーちゃは苦笑いしながらサムズアップのサインで応えた。


 そして。


リョーコ「残念ながら、、、」


しろちゃん「親父ー!!」


四葉「しろちゃそのパッパ、、、」


 ブライアンは、しろちゃんと四葉ちゃんの泣きながら震えている肩にそっと手を置いた。


シロウ「ん?呼んだか?(笑)」


 一同が啞然とする中、シロウは突然息を吹き返したのでした。


リョーコ「嘘!あなたどこからどう見ても完全に死んでいたはずよ!?」


シロウ「なら、リョーコくん初めての失敗なんじゃないのか?(笑)現に俺はこうして生きてる」


リョーコ「それは、、、蘇生成功ってことになるんじゃないかしら?」


しろちゃん「ったく驚かすなよ!生きてるなら生きてるって最初から言えよ、人騒がせな」


四葉「一度死んだけど生き返ったってことなのよね?」


シロウ「地獄と合わせて二度目だけどな(笑)」


あんこ「フーン、じゃあ次は三度目の正直ってわけね?」


 皆が振り向くと、そこには喪服姿のピキっているあんこさんの姿が。


あんこ「あんたが亡くなったって報告を受けて急いで来てみれば、みんなでドッキリって。私がどれだけ落ち込んだかわかんないでしょう?」


シロウ「いやソレは誤解だ!俺は確かに親父にも会った!それに医師の資格を持ったリョーコくんがミスをするわけがない!」


あんこ「本当に心配したんだから!あんた8年前のことも言いなさいよ!」


シロウ「俺が悪かった」


あんこ「それは今のドッキリのこと?」


シロウ「いや、だから俺があのときのお前の気持ちに気づいてやれなくてすまなかったと」


 あんこさんはしばらくうつむくとその場を離れた。


しろちゃん「親父、あんこさんに何をやったの?」


シロウ「またそのうちに話すよ。さ、みんなでうちに帰ろう♪きっと、あんこも帰ったらいつもと変わらんさ」


 そして


あんこ「おかえり〜♪今日はシロウの奢りでお寿司でも頼もうね?」


シロウ「だろ?(笑)」


しろちゃん「怒ったかと思ったら機嫌なおってる。大人ってほんとよくわかんない生き物だね」


四葉「うん」


ブライアン「俺もいていいのかな?」


シロウ「もちろんだ。しろちゃんの友達だもんな?しゃあねぇなぁ(笑)」


 こうして、しろちゃんたちはまたいつもの平穏な日常生活に戻りましたとさ。めでたしめで、、、。


しろちゃん「ちょっと待ったー!」


シロウ「おい、もうお寿司が来たのにどこ行くんだ?」


しろちゃん「いただきますの前に、じーちゃの仏壇に手を合わせてくるよ♪博士が生きて帰ってこれたのもそのおかげなんだし、先にお礼を言っとかないと」


四葉「私もいく。しろちゃんのじーちゃには、ご挨拶がまだだったもんね♪」


あんこ「じゃあ、みんなで♪」


シロウ「たいそうにぎやかな我が家だことで親父も喜ぶだろうな(笑)」


 なのでした、めでたしめでたし♪


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