第49話 しろちゃんの長い長いプロローグ:破
前回、しろちゃんと博士は黙示録の手掛けるメタバースについて話あったわけですが。その試作品ができたということで今回は、その続きになります。
しろちゃん「で、博士。いきなり我社のメタバースプロジェクトのモニターをCEO自らがやらされるのはいいとしてコレは何?」
シロウ「良くぞ聞いてくれた。これは我々オジサン世代が夢にまで見た【ミニチュア世界に入り込むとという体験ができちゃうシステム】なのだよ」
しろちゃん「つまりこのミニチュアの街が並んでる所でウルトラマンやゴジラにでもなれるってこと?」
シロウ「まぁそんなところだ。以前、お前が地下にある広大な庭の壁を巨大化してぶっ壊したことあっただろ?あのとき壁の向こうでせっせと作っていたのが実はこの元となるセットだったんだよ。本物のミニチュア世界を都度壊されたのでは困るからモデリングされたものを仮想空間内で展開し、特撮やジオラマなど様々なオジサン趣味が体験できるアトラクションにしたというわけ」
しろちゃん「なるほど、博士が言ってたメタバースの可能性とやらにはピッタリの遊びになりそうだね♪」
シロウ「とりあえず勝手がわかるまで、しろちゃんはテキトーに怪獣にでもなったつもりで散歩でもしといてくれ。俺とリョーコくんはモニタリングしながら色々調整するから」
しろちゃん「了解、けっこう細かくできてるんだね。部屋の中まで家具とかちゃんとあるし電車も走ってる」
シロウ「俺たちオジサンの夢がソコにいっぱい詰まってるからな。模型マニアも喜んで手伝ってくれたし出来上がるのを楽しみにしてるそうだ」
しろちゃん「なるほど、我社の未来は明るいね♪」
そして。
シロウ「じゃあそろそろ本題に入っていいか?。こいつは俺がさっき勝手につけたリョーコくんも知らない機能なんだが(笑)ポチッとな」
しろちゃんの目の前に突如、仁王立ちした四葉ちゃんが現れた。
しろちゃん「なになになに!?なんで四葉ちゃんが?」
リョーコ「確かに聞いてないわ。あれは、使徒?」
シロウ「いや、パターングリーン。四葉ちゃんだ」
リョーコ「そうじゃなくて、これはどういうこと?」
シロウ「あれはメタバース内で怪獣ごっこができるように作られた四葉ちゃんだ。対戦要素を盛り込むためのテストだ」
しろちゃん「よりによって。正直やりづらいから他の相手とかに変えられないの?博士となら遠慮なくやれるんだけど?」
シロウ「なら帰れ。俺が将来、お前らの夫婦喧嘩を想定してわざわざ作ってやったというのに。そんな親心がわからんのなら帰れ」
しろちゃん「わかりたくもないし(笑)てかもう帰りたいんですけど?第一、四葉ちゃんと喧嘩なんてするわけがないよ」
シロウ「若いな。そういうのも乗り越えてこそ夫婦の絆は深まるんだぞ。穏やかそうに見える老夫婦も【あの時あんなこともあったわねぇ、そうそうこの傷跡が疼くたびにお前の顔を思い出すわ】とかな」
しろちゃん「そんな老後ヤダよ(笑)話し合えばいいじゃん。てかコレ会話機能とかないの?」
シロウ「ない。システムを終了させるには四葉ちゃんの胸の真ん中にあるその赤いコアを破壊するか外すしかない」
しろちゃん「胸?」
シロウ「あぁ間違いない胸だ」
しろちゃん「そんなことできるわけないじゃん!これがメタバースとわかっててもそんなの無理だよ」
シロウ「勝ったな」
リョーコ「じゃないわよ。ほんとろくでもないモノ作るんだから」
シロウ「ちなみに、しろちゃんの活動限界はあと3分。それまでにミッション達成をできないとなんかしらインパクトなことが起きることになる」
しろちゃん「きっとろくでもないようなことなんだろ。わかったよ、コアを外せばいいんでしょ?」
シロウ「そっとな、優しく扱えよ?(笑)」
リョーコ「ほんと悪趣味ね。もう見てられないわ」
リョーコさんはそういうとモニタールームからスタスタ出ていった。
しろちゃんは四葉ちゃんに駆け寄り
しろちゃん「四葉ちゃん、ごめんね」
といいながらコアを外そうとした。が、おもいっきりメタバースの四葉ちゃんにビンタをされ体もろとも吹き飛びミニチュアの家に倒れ込んだ。
シロウ「当たり前だ、なんら抵抗されないとでも思ったか?」
しろちゃん「痛いよ!。ちょっと今、一瞬意識が飛びそうになったくらい痛かったんだけど?」
シロウ「よくできているだろう?。それは四葉ちゃんのデータを元に作られてるからな。普段の四葉ちゃんは実力の半分も発揮していない。前に戦ったときも無意識に手加減してしまっていたのを俺は知っている。が、メタバースの四葉ちゃんは本来のフルパワーでかかってくるからな?簡単にコアを破壊できると思ったら大間違いだぞ」
しろちゃん「へぇそうだったんだ。てか、そんなこと今どうだっていいよ。それよりこれどうしたらいいんだよ?」
リョーコ「しろちゃん聞こえる?今、私が良い方法を思いついたから」
しろちゃん「リョーコさん?どっか行ったんじゃなかったっけ」
四葉「しろちゃん、大丈夫?」
しろちゃん「え?メタバースの四葉ちゃんが喋った!?」
リョーコ「四葉ちゃんを連れてきてあちらのコントロールルームに入ってもらったのよ」
シロウ「オイ!あっちはまだ試作段階なんだぞ!現実に戻れなくなるかもしれん」
リョーコ「ちょっとそんなこと聞いてないわよ!なんでそんな大事なことを教えておかないの!?」
しろちゃん「なんだって!?四葉ちゃん、今助けるからね!」
四葉「しろちゃん、、、」
しろちゃん「四葉ちゃんを返せ、、、」
シロウ「活動限界をとっくに超えているのに動くだと?暴走か」
リョーコ「わからない、一体しろちゃんに何が起こっているのか」
しろちゃん「自分がどうなってもいい、世界がどうなったっていい。せめて四葉ちゃんだけは絶対助ける!」
リョーコ「行きなさい!しろちゃん。誰かのためじゃなく、あなた自身の願いのために!」
しろちゃんは四葉ちゃんのコアに触れ、コントローラの干渉領域に入り込んだ。
しろちゃん「四葉ちゃん、どこだ?」
四葉ちゃん「駄目なの、さっきからリセットボタンを押してるけどここから出られなくなってる。でも私が消えても代わりはいるもの」
しろちゃん「違う、四葉ちゃんは四葉ちゃんしかいない!だから、今助ける!」
四葉「!?」
しろちゃん「四葉ちゃん手を出して。そう、こっちに来て!」
しろちゃんはコアを開け干渉領域に入り込んだ。そして四葉ちゃんの手を握りそこから彼女を救い出した。
【メタバースシステム、精神逆流エラーを検知したため安全装置作動。全てのシステムをシャットダウンしました】
しろちゃん「四葉ちゃん!無事なの!?」
四葉「大丈夫♪しろちゃんのおかげで助かったみたい、ありがとう。でもせっかくのメタバースシステムが壊れちゃったかも」
しろちゃん「いいんだもう、これでいいんだ」
シロウ「逆に考えるんだ、大きな失敗や過ちがあったとしても、そのぶん成功するための時間や機会が与えられたのだと。今回俺たちは色々と学ぶことがあって良かったんじゃないか?」
リョーコ「あなたが言える立場じゃないことは確かだけどね。ハイ、これ始末書」
こうして黙示録のメタバースシステムはその安全性が確保されるまで、しろちゃんCEOにより一旦凍結されることになるのでした。
特別版50話へつづく




