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第42話 ソースコード【シロツメクサ】



リョーコ「ほっとしたわ、四葉ちゃんが無事に着いて♪みんなも心配してると思うわよ?auがこんなことになってほんと不便よね〜」


四葉「うん、心配かけてごめんなさい。あと、いや、やっぱりいい」


リョーコ「しろちゃんね?自宅にいくら電話かけてもでないから、シロウ博士と一緒にこちらへ向かってるんだと思うわ」


四葉「そう」


リョーコ「あのね、私が言うのもなんだけどさ。自分たちが人造人間だからとか人工知能だからとか、プログラムされてるんだとか難しく考える必要はないと思う。時が経てばわかることもあるのよ。みんなこれが正しいとその時は思ってても後で振り返ってみれば後悔だらけなんじゃない?ただ私達はけして無責任に貴方たちを作ったわけじゃない、この世界に必要な存在だと思ったからなの。そこだけはわかってほしい」


四葉「わかってる。少なくとも自分のことは自分だからわかってるつもり。しろちゃんはどうなのかなって」


リョーコ「しろちゃんも同じだと思うよ♪本人から直接聞くのが早いと思うけどね(笑)じゃあ、今から私が立場的に教えられることを言うからしっかり聞いてね?」


四葉「うん♪」


リョーコ「あなた達、兎型人造人間の人工知能はある人物の思考アルゴリズムをベースに作られたものなのよ。それがソースコード【シロツメクサ】。その元となったのは傭兵時代には【BIG BOSS】と呼ばれ、退任後には【MONSTAR】とも【MASTER】とも呼ばれていた人物。スパイの時は【KING】と呼ばれていたこともあるし、探偵時代には【雨宮】とも名を変えていたそう。私達は彼の記憶を他の遺伝子に宿すことにより、その意志を受け継ぐ子供達を世の中の平和の実現のために作ろうとした。しかし現実にはまだ技術的にも倫理的にも人体への取り扱いは難しく、擬似的な素体を作り、そこへ人格と遺伝子と記憶を融合(キメラ)し移植させたの」


四葉「そのための素体が私達ということ?」


リョーコ「そう、それが兎型人造人間。なかでもオリジナルに最も近いとされるのが【しろちゃん】。ただそれもどこまで正確に移植されているかはわからないから。そこで比較検証をするための兎型人造人間も作られたというわけ」


四葉「結果はどうだったの?」


リョーコ「今まさに検証中って感じね」



四葉「どういうこと?」


リョーコ「私のほうが知りたいわよ(笑)あまりにも貴方たちが元になった人物とは違う行動を取り出したんだもん。彼は天涯孤独、孤高の人生を送ったからね。だから逆になんで貴方たちはそうなるの?って」


四葉「私、しろちゃんのこと好きだよ♪優しいし面白いし、変なとこもあるけど頼れるし」


リョーコ「しろちゃんもおそらくそうよ♪」


四葉「だといいけど。でもシロウ博士に似て浮気症だったらどうしよう」


リョーコ「大丈夫よ(笑)シロウくんは不器用だから誤解させることが多いだけで、むしろそこいらの野郎どもより理性は働くほうだから」


四葉「なら良かった(笑)」


リョーコ「大事なのは今のその気持ちをどれだけ大切に守り続けていけるかなんじゃない?もちろんそれは相手もだし、別に無理に維持しなきゃいけないものでもないけどね。とりあえず自分の気持ちに素直にならなきゃ始まるものも始まらないよ?」


四葉「そうだね♪始まらないことには終わりもないよね(笑)」


リョーコ「シロツメクサの花言葉知ってる?【約束、信頼、そして裏切った時の復讐】みたいな物騒なのもあるけど、まず始まらないことには生まれないわけだし、人間関係を維持していくためには必要なことだからね。ただ杓子定規だけで世の中語れるほど人の気持ちというのは単純ではないのよ。だから相手がどう思っているのかを知るために、まず相手の気持ちに寄り添うということが大事なの。今のあなた達みたいに」


四葉「しろちゃんのこといつも考えてる♪どう思ってるんだろうって」


リョーコ「わかりやすいほうでしょ?しろちゃんは(笑)」


四葉「確かに(笑)」


 二人が会話を終えた頃、ちょうど、しろちゃんとシロウ博士が研究室に入ってきた。


シロウ「おー、リョーコくん久しぶり♪四葉ちゃんもいたぞ、しろちゃん良かったなぁ

?」


しろちゃん「んもぉ〜心配したんだぞ?au繋がんなくて連絡もできないしさ。でも無事で良かったよ♪」


リョーコ「ほらね、わかりやすい(笑)」


四葉「うん、なんかスッキリした♪しろちゃん心配かけてごめんね、一緒に帰ろ♪」


しろちゃん「え〜、自分まだ色々リョーコさんに聞きたいこととか調べたいことあってここまで来たんだけど?」


四葉「私が教えてあげる♪しろちゃんが知らなくていいこともあるし(笑)」


しろちゃん「どういうことだってばよー!?もう、四葉ちゃん引っ張らないで〜」



シロウ「リョーコくん、忙しいのにありがとな。あと研究のほう頑張って♪」


リョーコ「たまには休ませろってシロウくんからも上に言っといてね〜♪(笑)」


 こうして、しろちゃんと四葉ちゃんは互いに手を取りあい、大人の階段を一歩一歩登り始めるのでした。めでたしめでたし♪


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