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第5話 しろちゃん、闇に降り立った人造人間

シロウ「ここを見てみろ。俺がお前と話のやり取りをしながら自分のヤマにするための牌を手元に集めてる所。ここで、しろちゃんが指で跳ねたのはおそらく北。それも目にも止まらぬ速さで俺が取ろうとした牌を弾き飛ばしてすり替えてる。俺じゃなきゃ見逃すとこだよ。それを知らずに俺はまんまとその北を手に取り自分のヤマを作っていた」


 シロウはそういって研究室のモニターに映された前回の麻雀勝負のとある1シーンをコマ送りにしながら、あんこに説明している所。


あんこ「あんたが余裕をかまして見逃したから負けたんでしょ?というか、娘を盗撮してるというのと自分のイカサマを私に堂々と暴露してるのはよくわかったわ」


シロウ「違う、そこじゃない。恐ろしいのは、しろちゃんが人間らしくよりも悪魔的になってるってとこだよ。しろちゃんをネカフェに連れて行ってた時に彼女が約25年間全36巻に及ぶ麻雀漫画の金字塔にドハマリしていたことをすっかり忘れていたのは俺の失態だったが。まさか途中で地獄にいったり戻ってきたりするような麻雀マンガで学習してるとは思わんからな」


あんこ「私達に地獄行きの寸前まで血を抜かれたこと、そこまで根に持ってるの?」


シロウ「あー、あそこは恐ろしい所だったよ。でもおかげで自分がルシファーの生まれ変わりだったと知ることなるとは思わなかったがな」


あんこ「そこまで行ったの?やっぱり、あんた最期には地獄へ行く予定みたいね」


シロウ「いや二度とお前はここには戻ってくるなと言われたんだが?だから俺は生きてるんだよ」


あんこ「地獄でなにやらかしてきたんだよ」


シロウ「ところで、しろちゃんの人工知能を抑制する装置が、あのあと忽然と消えてしまい、アイツの進化を止めるすべはもはやないわけだが」


あんこ「それなら大丈夫よ。しろちゃんは興味無いことまでは全然覚えようとしないから(笑)」


シロウ「そうなの?」


あんこ「そうよ。基本的に楽しいと思うこと以外は虫ケラを見るような目で見てるからたぶん大丈夫。料理配信よく見てるから料理に興味があるのかなって思って聞いてみたら、そうじゃなくて。料理をしたことがない女の子が料理すると実力派歌手みたいに利き手じゃないほうの手が宙を舞ったりしてるところが面白いんだって。ゴルフもそうね、プレイヤーが池に落ちたりするのが一番楽しいって」


シロウ「悪趣味だな。そこらへんは、お前に似たんじゃないか?」


あんこ「なんで私に似るのよ?というか、今なんて言った?」


シロウ「あー、よく一緒にいる人と性格も似てくるらしいじゃないか、特に女性同士は共感性高いから。しろちゃんがいるようになってから、お前もよく来るようになったしな」


あんこ「まぁそれは確かにね。母性本能に目覚めたってやつ?」


シロウ「母性に必要な家事の能力とかは全く目覚めた様子がないけどな(笑)」


あんこ「そこはこれからコツコツ覚醒していくんだよ、たぶん(笑)」


 とその時、研究室のドアをノックする音が。


しろちゃん「おーい、お二人さんそろそろ私の腹ペコで活動限界タイムなのをお忘れじゃないですか?仲の良いところをお邪魔するつもりはないんですけど」


あんこ「シロウと二人だけで良いところなんて世界の中心だろうが、この世のどこにも無いから大丈夫よ♪」という。


シロウ「昔は世界の中心で何かを叫びに行かせようとしてなかったっけ?」


しろちゃん「もう無理、お腹空きすぎて自爆装置が起動しちゃいそう」


あんこ「じゃあ、お寿司にしょっか?シロウの奢りで。そう言えば前に奢るって言ってたよね?」


シロウ「はいはい、俺も今日は疲れたから今から用意する気力もないよ。地獄から戻ってきたばかりだしな」


しろちゃん「お寿司!お寿司♪イクラの海に浸かりたい♪」


シロウ「それは最低一週間、生臭いと思うぞ?」


あんこ「じゃあ、みんなで行きましょう!しろちゃんの故郷へ(笑)」


しろちゃん「おーーー!!」


シロウ「俺、戸締まりしていくから先に行って席とっといて」


しろちゃん&あんこ「それな♪」


 シロウは灯りを消しながらひとり呟いた。


シロウ「ま、さすがにイクラから人間が産まれるわけはないよな(笑)」と。


 めでたしめでたし♪











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