第41話 300ギガバイトの恋
しろちゃんと四葉ちゃんは町並みを見下ろせる丘の上の草原に横並びに座り、二人でいちゃいちゃ語らっていた。
四葉「ところで、シロチャンサン?」
しろちゃん「どしたの?四葉ちゃん。いきなり改まって、呼び名もなんか韓流ぽくなってるし(笑)」
四葉「私達、お互いの気持ちにはもう気づいてると思うの」
しろちゃん「お、おう」
四葉「でも、チャンサン。私達、【きょうだい】だから一緒にはなれないのよー!なれないのよー!なれないのよー!」
しろちゃん「えーマヂですかー!?」
四葉「私も前から薄々は気づいてはいたんだけども。私達、兎型人造人間は同じ遺伝子をベースに作られたはずだから姿形も似てる設定じゃなかった?だから私達一緒にはなれないのよ」
しろちゃん「んー、でも博士に聞いてみないとそこらへんわかんなくない?小説版の作者もわりとテキトーな人間だから、案外なんとかなるかもよ?」
首を横にふる四葉ちゃん。
四葉「私達、人造人間に恋愛なんてそもそも無理だったのよ。ごめんね、しろちゃん。さよなら」
しろちゃん「四葉ちゃーん!!」
ガバっ、しろちゃんは布団を跳ね飛ばして起きた。
しろちゃん「はっ、なんだ夢か。でもバスに跳ねられるわ記憶失うわですごく嫌な夢だった。そうだ、そろそろauの通信制限が解除されてるはずだし、四葉ちゃんに連絡しとこ」
しろちゃんはスマホのデータ利用量が339.30ギガバイトと無制限ながらも通信制限を受けていたため、月がかわるまでクソ重い通信環境にひたすら耐えるしかなかったのである。
しろちゃん「おっかしいなぁ、機種変したばかりなのに。こんな現象今まで見たことないぞ?通信どころか電話も繋がらない。この暑さでどこかやられてんのかなぁ。再起動してもアンテナがすぐ消える。よりによってこんなときに!」
ドタドタドタ。
しろちゃん「博士〜、博士のスマホ貸して?自分の調子悪いんだ」
シロウ「あー、それなら俺のもだぞ?てかauが全国的な通信障害でさっぱり使えんらしい。復旧の目処も立たないから長引きそうだって、さっきニュースでやってたよ」
しろちゃん「なんだよ、よりによってこんなときに!わかった、じゃあパソコンから連絡してみる。ところで博士、自分と四葉ちゃんは、そのやっぱ血が繋がってたりとかするのかな?」
シロウは少し考えながらこう話した。
シロウ「それな、いつか話そうとは思っていたんだが。お前を生み出すときに携わったのは3人いるんだ。俺は自身の遺伝子を提供した一人で、あと一人はお前も知ってるリョーコくんで彼女は遺伝子の記憶を残すための研究をしている。あと一人は人類のルーツを研究してる人だよ。これら複雑に絡んでの話で正確には、お前と四葉ちゃんは【きょうだい】というよりも従兄弟に近い関係といった所かな」
しろちゃん「従兄弟か。それは彼女も知ってるの?」
シロウ「おそらく。知っていてそれでも、しろちゃんのことを好きになったんだろう。でもな?けして悪くは捉えないでほしいんだが、常識はあくまで常識であって、個々がそれぞれ真剣に向き合って出した答えのほうが俺は尊重されるべきだとおもう。それが人としてはむしろ自然な在り方なんじゃないかな?」
しろちゃん「でもそれって、自分ら人工知能だからプログラムされていたってことなんじゃないの?」
シロウ「だからそうじゃなくて。それはマンガや映画でよくあるようなプログラムが暴走したとかバグによって本来ありえないような感情が芽生えたとかそんなんじゃないんだ。AIというのは学習することにより進化するプログラムだから、今あるその気持ちもれっきとしたお前たちの感情といって何ら差し支えないってことなんだよ」
しろちゃん「なんか難し過ぎてよくわからないけど、言いたいことはなんとなくわかった。詳しくはその人工知能プログラムのソースコードを読めばわかると思うけど。博士、ソレはどこにあるの?」
シロウ「リョーコくんのいる大阪の某所。以前行ったことあるだろ?実は昨夜、四葉ちゃんもそこへ向かったとの連絡があった。が、この通信障害でそこから連絡が取れなくなってる」
しろちゃん「どんだけうちの周りauユーザーが多いんだよ!(笑)てか四葉ちゃん迷子になってるかもしれないし探してくる」
シロウ「おい、お前まで迷子になったらどうすんだ!?」
しろちゃん「au復帰するまでなんて待ってらんないよ。とりあえずリョーコさんのとこに行ってくる」
シロウ「わかった、なら俺も行く。ここで、しろちゃんがバスに跳ねられでもして記憶喪失にまでなられたら作者もあとの話をまとめるのに大変だしな」
しろちゃん「ありがとう親父、頼む♪」
こうして、しろちゃんとシロウは四葉ちゃんを探しに大阪のリョーコさんのところへと急ぐのであった。【めでたしめでたし♪】へとつづくことを祈って。




