第30話 しろちゃんのエイプリルフール
しろちゃん「ついにこの日が来たね」
シロウ「ははん?卑怯者のしろちゃんが見過ごすわけは無いと思ったら早速かね。だがきちんと知ってるのか?エイプリルフールは4月1日の午前中までしか嘘ついちゃいけないってこととか」
しろちゃん「あぁ、知ってるとも。つまり4月1日の午前0時から正午までは【嘘つき放題】ってことなんだよね」
シロウ「が、それ半分嘘だから。それはイギリス発祥の他の行事から派生したイギリス式ルールだからな。必ずしも日本にまで適応されるわけでもない。ハイ、俺に1ポイントな?」
しろちゃん「そういうどちらともとれるような諸説ありの嘘は汚いぞ、あんこさんジャッジお願いします」
あんこ「そうねノーポイント」
しろちゃん「じゃあ次は自分の番ね。うぬの名前をこの人別帖から真っ先に消してくれるわ」
シロウ「たかが人工知能ごときがプログラマー(創造主)様と嘘合戦など片腹痛いわ。知ってるか?厳しい生存競争を生き抜くなかで言葉を活用するという進化を遂げ、嘘をつくことさえ覚えた動物というのは他でもない人類という生き物だということを」
シロウ&しろちゃん (ゴゴゴゴゴ!)
しろちゃん「博士って線香花火が最後落ちそうになったとき条件反射で思わず手で受け止め火傷したことがあるんだよね?」
シロウ「いや、ソレはホントの話だろ?エイプリルフールは嘘をついても良い日だぞ?あんこ、コレ違反だよな?」
あんこ「んー、ルールでは【嘘で人を傷つけてはいけない】だから【本当の話】なら違反ではないわね」
しろちゃん(ニヤリ笑)
あんこ「説明係さん、読者さんにもわかりやすく説明してあげてよ」
説明しよう!しろちゃんと博士が今行っているのはエイプリルフールにちなんだ嘘つき合戦。その基本的なルールは【人を傷つけない】【ネタバレはその日のうちに】【仕返しはダメ】という世界基準に沿ったものではあるが、そこはこの親子ならではただの勝負というわけになるわけがなく、上記のように【嘘なのかどうなのかわかりづらい日であることを逆手に取り、相手の恥ずかしいことを堂々と赤裸々に暴露する】という禁じ手も含まれるわけである。それはまさに忍びの忍法合戦がごとく非情の世界。
シロウ「あっそ。じゃあ、しろちゃんは最近ムダ毛を気にしてらっしゃるようで脱毛サロンの情報なんかを熱心に興味深く見られているようですね」
しろちゃん「なーっ!お前あの、、アレだぞ?いまそういうデリケートな発言に対しては親子といえども、ものすごーく厳しい世の中なのに迂闊なことポロッと言っちゃうとTwitterとかマヂ荒れるんだから気をつけてもの言えよな?」
シロウ「んな、過疎の過疎もいいとこな上に、中だるみ気味の小説など誰も注目しとらんわ!というか不戦の約定を先に破ったのは、しろちゃんのほうだぞ?が、これこそエイプリルフールの醍醐味ってやつなんじゃないか。みんなが嘘だと思ってくれるなかで普段言えないようなホントのことを堂々とバラせちゃう日なんてまるで歩行者天国を全裸で歩くようなものだ。馬鹿正直にしょうもない嘘ついて喜んでるような連中らと一緒にされちゃあ困るよなぁ?」
しろちゃん「そだね。博士は昼飯を食べに行ってそこの店に車を置き忘れそのまま徒歩で帰ってきたことも忘れたあげく、誰が盗むねんみたいなオンボロの自動車を盗まれたと勘違いして警察を呼び、刑事さんに調書取られてるうちにありのままを思い出してそのままパトカーで送ってもらってめちゃくちゃ謝ったそうじゃないか。しかも怒られるどころか同情までされたんだってな?」
シロウ「へぇ、しろちゃんエイプリルフール初心者のくせになかなか嘘のつき方ってやつわかってるねぇ。そんな話、嘘に決まってるよな。そう言えば、しろちゃんは〜」
しろちゃん「博士がコンセントにピンセット突っ込んで学校中を停電させた話しようか?もちろん嘘だけど」
しろちゃん「へへへ」
シロウ「フフフ」
あんこさん「はい、もう二人とも引き分けね♪そんな誰も得をしないようなことやめて、今日が満開な所の桜があるから見に行きましょう!ね?」
しろちゃん「まぁ、あんこさんがそういうなら。博士はどうなんだよ?」
シロウ「あぁ、続きがしたければ花見の後にでも二人きりでやろうじゃないか?しろすけよ」
そして二人は一日、エイプリルフールに
数え切れないほどの嘘話を互いに暴露しあったとさ。めでたしめでたし♪




