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第29話 しろちゃん、命がけのお花見に行く



シロウ「おーい、しろちゃん暇なんだろ?花見に行くぞ〜」


しろちゃん「えーそんなリア充イベント、自分はどっちでもいいというか。まぁ気が向いたら」


シロウ「そうは言っても桜はいつまでも待ってくれないんだよ。今日が満開だから。小説のネタを取材するのも我々の仕事みたいなもんだし。こうなんにもやらずに毎日家に籠もってゴロゴロされてたら先生も何を書けばよいのか困るんだってさ」


しろちゃん「そんなの想像でカバーするのが作家でしょうが」


シロウ「確か露店とかも出てるとおもうぞ。焼きソバは知らんがタコ焼きとかリンゴ飴は前に出てたな」


しろちゃん「そんなのでつられるとでも?」


シロウ「3分間待ってやる」


しろちゃん「、、、じゃあ行くよ、行けばいいんだろ」


シロウ「しろちゃんがゴミのようだ」



 こうして、しろちゃんはエサにつられて花見に連れて行かれるのであった。


シロウ「さぁついたぞ、ここのお城は花見の季節が一番見もので遠くからみるのも良いがこうして各ポイントの良い写真を撮って回って先生に送ってさしあげようということなんだよ」


 しろちゃんはそんなことより、さっき買ってもらったリンゴ飴をどう食べれば良いのか悩んでるようだった。


しろちゃん「あのさ、これどうやって食べるのが正解なんだよ?」


シロウ「知らん、俺は食ったことねぇから。特に下のほうの硬いところとかなんのためにあるのかよくわかんないしな」


しろちゃん「こうなると、人の頭をカチわる食べ物にしか見えないね。てかこれを持って歩いてると恥ずかしくなるのはなんでだろ」


シロウ「だいたい買ってから気づくんだよ、そーいうのは(笑)じゃあテキトーにこの辺りは写したから、本番行くぞ?」


しろちゃん「なにそれ?」


シロウ「遠目にも見えてたろ、このデデーンとそびえ立つ石垣の上にちっちゃいお城が。せっかくだから上に登らないと」


 しろちゃん、露骨に嫌な顔をする。


シロウ「そういう顔しないの。お前、一応小説ではヒロインみたいな扱いなんだから。もっとバーチャルアイドルみたいに世の中の悪いこととかなんにも知らないですーな感じで元気に振る舞ってくれないと。それじゃまるでリンゴ飴持った暗殺者じゃないか」


しろちゃん「あっち界隈の中の人のほうがダークな話題に事欠かないんじゃないかと。いや、そんなことよりまさかここ登るとかありえないでしょ?てかこのリンゴ飴が登るのにめっちゃ邪魔なんですが(笑)」


シロウ「城なんてどこもこんなもんだぞ?今のしろちゃんみたいに攻めてくる敵をガン萎えさせる必要があるんだからな(笑)特にトイレとかは先に済ませておかないといざ迷って漏らすことになるから注意が必要だ」


しろちゃん「博士が女性と付き合えてもすぐフラれる理由がわかるよ。いつもデート中にそんなこと言ってんだろ?」


シロウ「どこに問題があるんだ。トイレに困ったらそれこそデートが台無しじゃないか?」


しろちゃん「もうわかったからとっとと上に行ってさっさと帰ろうよ」


 

 数分後。


シロウ「しろちゃん、ハァハァ、まるで顔がデスラー総統みたいに真っ青じゃないか」 


しろちゃん「誰やねんソレ。ハァハァ、博士こそなんで膝が生まれたてのシカみたいに震えてるんだよ(笑)」


シロウ「震えてないし!ちょっと思ったより急な坂だなぁってハァハァ」


しろちゃん「敵が攻めてこない以前に味方が転げ落ちるんじゃないのこれ?ハァハァ」


シロウ「こうして俺たちの現場的な努力がだな、良い小説になって返ってくると思えばハァハァ」


しろちゃん「その前に無事生きて帰ってこれるかだよ」


 しろちゃんとシロウは日頃の運動不足のためか、年配の花見客にすらあっさり抜かされつつ、何度も休憩を挟みながらなんとか天守閣に辿り着いたのであった。


シロウ「な?現実というのはゲームと違ってちょっと休んだり肉食ったからってスタミナゲージがミルミル戻っていくなんてことはないから、何事も体験することが大事なんだぞ」


しろちゃん「そのゲームでさえフロムソフトに厳しさを味わされ、現実でもこうして打ちのめされるってどうなんでしょうね」



シロウ「よーし!着いたぞ〜♪どうだ、こうして苦労して危険な目にもあって見る桜の景色は?」


しろちゃん「博士も正直なところ思ったはずというか自分も薄々とは気づいてたんだけど、下のほうが桜も多くて綺麗だったような。まぁ、お城って元々そういう建物だからわざわざ上のほうにまで桜とかはしゃいで植えるものでもないしなって」


シロウ「それな(笑)まぁでもこれはこれで経験というか、我々の努力が伝わればそれでヨシだろう」


 しろちゃんはもはや何か話す気力も失せ、博士もスタミナがいっこうに戻る気配すら無く、二人は登ったときより降りるときの怖さを心底味わいながら二度と登ることはあるまいと敗戦の将のごとく肩を落として城を後にしたのであった。めでたしめでたし♪



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