第16話 しろちゃんやまとなでしこ
あんこ「え?しろちゃんを女の子らしくさせたい?(笑)女の子でしょ、どう見ても」
シロウ「見た目の話じゃなくて、中身があれではな」
あんこ「案外男女の差って中身はそこまで違わないんじゃないの?オカマさんだって女性らしさを誇張してるようなとこあるから。あざとらしいってのも逆にね(笑)結局、恋愛は相性だし」
シロウ「またアイツの趣味がパチスロとかゲーム、ガンプラ、野球と男っぽいというよりほぼオッサンよりなのが不安だな」
あんこ「あー、でも今はそういうの好きな女子増えてるからね。私も前に、しろちゃんの恋愛感情で不安になったけど、あれから色々お話したりしてるうちに【女の子らしい部分】も確かにあるから、そういう時期がくれば自然と変わるかも?」
シロウ「それは初耳だな。実に興味深い。ついさっきも魔戒騎士牙狼のフィギュアを買ってと駄々こねられたところなんだが?」
そして。
あんこ「というわけで、しろちゃんの女の子らしい部分をシロウに教えてあげてちょうだい♪」
しろちゃん「なにを藪からスティックに?(笑)」
シロウ「それオヤジでも恥ずかしくて言わないギャグだぞ」
しろちゃん「親父にあわせてあげてんのに何様だよ。で、牙狼のフィギュア買ってもいいでしょ?」
シロウ「これのいったいどこが女性らしくなってるっての?」
あんこ「まぁまぁ(笑)ところで、しろちゃんは最近有名人で誰がタイプなんだっけ?」
しろちゃん「霞拳志郎、北斗史上最強はダテじゃないよ」
シロウ「それは恋愛としてのタイプなのか?まぁドラえもんとか答えてたときよりは女性らしい答えになったというべきか」
しろちゃん「私の文句は博士に言え。博士は物知りの割に意外と男女の違いには疎いからね。じゃあ例えば、この霞拳志郎のフィギュアの服の色は?博士答えてみてよ」
シロウ「紫」
しろちゃん「紫?ぶひょー!さすが親父世代。これはネイビーパープルだよ」
あんこ「そうそう、私のマニキュアと同じやつだよね」
しろちゃん「じゃあ、このケンプファーの塗装ベースの色は?」
シロウ「群青」
しろちゃん「群青ー!じょ、じょうじかよ(笑)これはマーズディープブルーにコバルトブルー混ぜたのを下地にしクリアブルーを重ねたやつなんだけど。つまりそーゆーことなんです。男性と女性では色彩の表現法がまず異なります。モデラーはまた特別として女性のほうが日常的に化粧品から入るぶん色の表現方法が豊かで、オークルなんて化粧品由来の言葉はほとんどの男性が知りません。数字でトーン(明暗)を現してたりとかもね。まして、群青とかヴィリジアンなんて昭和の時代ですよ。とまぁ、そんな感じで服とか化粧品の表現ひとつで年齢まで検討がつくのでネカマ、ネナベや若作りなんて一発で見抜けるんですよ」
ポピーレッドの伊達メガネをかけた、しろちゃんの博識な姿と説得力にシロウはぐうの音も出ず悔しくなったが、年頃の女性並みの知識も一応持っていることには少し安堵したのであった。
しろちゃん「で、黄金騎士牙狼のフィギュア買って買って買って!あの事バラしちゃおうかな〜」
あんこ「あのこと?なんのことかしら、シロウ?」
シロウ「さぁ、なんのことやら(笑)」
しろちゃん「大阪のドクターX」
あんこ「へぇ〜実に興味深いわね(笑)詳しく聞かせてもらおうかしら?♪」
シロウ「ちょ、魔戒騎士買ってやるから!しろちゃん、あんこをなんとかして!」
しろちゃん「いたしまーせん♪」
こうして、しろちゃんの女性らしさについてのお話がシロウ博士の女性関係についてのお話になってしまったという藪からスネークな話だったのでした。めでたしめでたし♪