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第14話 しろちゃんはサンタクロース

しろちゃん「ん〜、困った。非常に困った」


あんこ「どうしたの?何が困ったの?」


しろちゃん「12月24日の夜にアイツがくるらしいんだよ」


あんこ「アイツって?それはまさかサンタさんとか?」


しろちゃん「そうそれ、その人がうちに来るんだよ!」


あんこ「しろちゃん、見た目は子供だけど一応大人の設定だからサンタさんは来ないよ?(笑)」


しろちゃん「なんだ、だったら良かった♪ずっと考えてたんだけどさ?私、今欲しいものがなにも浮かば無いから悩んでたんだよ」


あんこ「そういうことか(笑)でもイブの日にパーティーはする予定だから楽しみにしておいてね♪」


しろちゃん「そだね♪でもサンタさんに一度は会ってみたかったなぁ」



 そして。



あんこ「と言うわけだからアンタなんか良い方法考えなさいよ?」


シロウ「むー、プレゼントの希望じゃなくてサンタさんに会いたいというおもいきりストレートな願いをどう叶えるかって話なんだよな?」


あんこ「仕方ないでしょ、しろちゃんは今年生まれたばかりなんだから」


シロウ「だいたいサンタには直接会えないという掟なはずだぞ?」


あんこ「だったらなぜサンタはあんな姿をしてるのをみんな知ってるの?って聞いてくるから、大人は会ってるんじゃない?って言ったら、、、。」


シロウ「自分は大人だから会えると?いつものごとく屁理屈と駄々をこねだしたわけだ?だったら任せとけ」



 そして。



シロウ「と言うわけなんだ」


しろちゃん「わ、私が、サンタクロースだったの!?」


シロウ「そう、三田牛でも上ロースでも無くキミはサンタクロースの一人なんだよ。今年のね?考えてもごらん、世界各国津々浦々までサンタクロースがたったひとりでプレゼントを配るのに要する時間を考えれば光の速さで配っても間に合わないだろうという事実を」


しろちゃん「光の速さを超えるサンタクロースか、確かにそれはもう人間ワザじゃないね」


シロウ「回覧板で今年はうちが担当というのが回ってきてたんだが、あんこや俺はすでにやってるから、まだサンタクロースやったことがない人が優先ってことになると、しろちゃんにお願いするしかないんだよ」


しろちゃん「うん、わかった!じゃあサンタクロースやる!で、何をすればいいの?」


シロウ「クリスマスイブに、この格好に着替えてパソコン使ってこのリスト通りに指定のプレゼントをひたすら送ればいいわけだ」


しろちゃん「どゆこと??」


シロウ「今は子供たちもネットワークゲームなどで使えるギフトカードやポイントをプレゼントに欲しがる時代だから光回線ひかりのはやさでイブに届けるオンラインサンタの需要もあるってこと」


しろちゃん「世知辛い世の中だねぇ。だったらそーゆープログラムで自動化にするなり、わざわざ人力でやる意味とは?第一サンタの格好でする必要もない気するけど?」


シロウ「そこは雰囲気も大事ってことだろ。一人一人にサンタさんからの手紙もちゃんと添えるんだぞ」


しろちゃん「んー、そーゆーことね。ならやってみる!最高峰人工知能にゃめんにゃよ♪」



 そしてクリスマスイブの日。



あんこ「さてと、クリスマスパーティーはどうだった?」


しろちゃん「にゃいすー♪これなら毎日クリスマスでもいいかも、ケーキも美味しいし食べ物が溢れてる!」


シロウ「じゃあ腹ごしらえも済んだことだし、しろちゃんはそろそろサンタさんのお仕事頑張らないとな?。俺の部屋のPC使っていいよ」


しろちゃん「任せたまえ♪」



 クリスマスイブ、しろちゃんは明け方まで全国の子供たちにオンラインギフトをひたすら送り続けた。その必死な姿は夏休みの最後の日に宿題を一日で終わらそうと必死な学生さんのようだったという。朝方、博士が部屋に訪れた時にはゲーミングチェアに座ったまま仕事をやり終えて真っ白な灰に燃え尽きてしまった『しろちゃん』が発見されたらしい。後に、しろちゃん曰く、もう二度とクリスマスもサンタさんもいらないとのこと。めでたしめでたし♪


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