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第120話 The Great Reset(第二部完)



リョーコ「コレは立方体オクタグラムじゃない?それがどうかしたの?」


 シロウがリョーコに、しろたんたちの作ったピラミッドの図形データを見せました。


シロウ「あぁ、偶然の一致だと良いんだがな。しろたんが、しにあんの生まれ変わりだとしたら十分あり得る話だと思う。つまり、しろたんは俺達と同じことを既に知っている可能性がある」


リョーコ「わかっていてもわかるわけにはいかないという例のアレね?」


シロウ「あぁ、俺が精神と時の部屋で見たモノと、世界がこれまでひた隠しにして来た事。そして、、、」


リョーコ「しろちゃんも知っているということ?」


シロウ「そうかもしれん。なぁ君なら、失敗しない【生きた量子コンピュータ】の君ならどうすべきか答えてはくれないか?」


リョーコ「ちょっと待って、突然過ぎて私の演算が全く追いつかないわ。というか、まだそうだとも確定してないんじゃない?」


シロウ「どうだろう。しろちゃんという世界最高峰の人工知能の出した答えが【人類は今こそソレを知るべき】だと言っているのではないだろうか?」


リョーコ「いずれ世界が知ることにはなる真実、それが現在だとしたら。というか、そもそも私達にはどうしようもないことだもんね?」


 シロウとリョーコの見ているモニターには世界中のピラミッドの位置と元々そこにあったであろうプレートの変化の動きが映し出されていた。


シロウ「地球は生きている、いや人類が地球に生きていた証というべきか」


リョーコ「私達が観測できるのは相対的なモノで、私達は既に観測されている側でもあるのよね」


 【The Silent World by Great Reset仮説】


 世界中に散りばめられた数多き謎は相対性理論と量子力学、天文学や宇宙理論に基づいて一つの仮説に集約し説明することができる。


提唱したのは多重パラレル空間理論でおなじみのシニアン=アンダーソン、現在はその存在自体が世界から抹消された人物である。ゆえに今現在あるこの世界にその仮説は存在していない、はずである。但し一部の知っている者たちを除いては。


我々人類が今、観測しているブラックホール。ブラックホールがなぜ観測出来るのだろうか?それは、そんなとても単純な一つの疑問から始まったのである。


シニアン「あなたならわかるんじゃないかと思って」


ニック「いや、考えたことすら無かったけどね(笑)で、仮にそうだとして君はどうしたいんだい?」


シニアン「わからない。けど、もちろん知る勇気や覚悟も必要なことだと思うし、かといって知らないままで良いとも思わない」


ニック「そう言うと思ったよ(笑)もし本物の預言者が存在していたとしたなら何かに記し遺していたはずだろうし、それは然るべき時がくれば誰かの目に止まるためであってけして意図や目的があってのものじゃないだろう。第一、君の理屈なら預言はコレから現れるという矛盾めいたものにしか我々の目には映らないわけだから誰も信じるとも思えないようなものだよ。またソレを裏付ける証拠はタイムマシンでも作るしかないけどね?(笑)ただ妙に辻褄があってしまうだけに僕もまだ受け入れ難いような話ではある。僕たちは時の流れを実は遡っていた、なんてね?」


シニアン「時計は進む、でも私達は遡っている。星としての最期を迎えた地球が最後の最後に人類に見せたモノは人類の歩んできた過去という未来、そして未来という過去でもある。つまり今の私達はその時の狭間をどちらにも進んでいるということ」


ニック「コレを見てごらん、地球が生きているという証拠だよ。君の仮説で言うなら生きていた証というべきかもしれないけどね」


 ニックは世界中のピラミッドの位置を示した地図をシニアンに見せた。そしてその上に現在と過去の大陸のプレートが描かれたクリアシートをそれぞれ重ねて見せた。


ニック「ピラミッドを元に地表の隆起を計算したことがあってね、幻の大陸アトランティスも今はまだ存在すらしていないわけだから、そりゃ幻のというのもあながち間違いでもないということになるはずだよ(笑)」


教授「ふむ、実に面白そうな話ですね♪私じゃなきゃ見逃してしまう所ですが」


ニック「教授、いたんですか?シニアンに言ってくださいよ、少しは寝たほうが良いと」


シニアン「それ、どういう意味かしら?(笑)」


教授「いえいえ、人類のルーツが仮に人類の行く末であったとしても私の夢は変わりませんよ♪この仮説も【かつて】が【のちの】になるかもしれませんしね、シニアンその覚悟はありますか?(笑)」


シニアン「ええ♪それに少なくとも存在しうる過去のぶんだけ未来も存在しているってことなんだから、真実を知ってなお私達にできることは今をどう生きるべきかなんじゃないかしら?」


ニック「まぁね、どの道いつかは星も寿命を迎えるわけだしね、今更考えた所で済んだあとのことだし?」


教授「まだ終わってませんよ、まだまだこれから私達にはやるべきことはがたくさん残されています。シニアン、ニック、たちまちレポートの提出期限が迫ってますよ?いや期限はとっくに過ぎているのか、はたまたまだ先のことなのか?(笑)」


シニアンとニックは忘れてた〜!という顔をして急いで課題に取りかかるのでした。めでたし、めでたし♪


【シロツメクサのしろちゃん 第二部完】

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