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第110話 cabbagen ring


シロウ「しろちゃん宛に荷物が届いてるんだけど?」


しろちゃん「あっ!どうしよう〜」


四葉「そんなに慌ててどうしたの?」


しろちゃん「おそらくキャベツかと、、、」


 案の定、荷物の中身はキャベツの山でした。


シロウ「まぢかぁ、やっと冷蔵庫のが片付いたと思ったら」


四葉「キャベツ、、、それもこんなに沢山。何玉入ってるのよコレ?」


しろちゃん「10玉。1玉70円だったからさ」


シロウ「まぁ、やっちまったもんは仕方がない。しばらくまたキャベツづくしになるけどな」


しろちゃん「いやそれは」


 隣にいた、しろたんも首を横にふるのでした。


四葉「誰かにあげるというのは?」


しろちゃん「そうだね、そうしよう♪」


シロウ「じゃあリヤカーを貸してあげるから近所に配りに行くというのはどうだ?」


しろちゃん「そうする。四葉ちゃんも手伝ってくれる?しろたんも一緒に来る?」


しろたん「うん♪」


四葉「仕方ないわねぇ」


 そして。


しろちゃん「キャベツいりませんか〜?」


近所の人「ごめんね、こないだキャベツ安かったからウチもまだたくさんあるのよ」


 というわけでなかなかうまくいかず、途方に暮れていると向こうから顔見知りのマッチョが走って来るのが見えた。


ブライアン「よう、しろちゃん。3人お揃いで何やってるの?」


しろちゃん「あぁ、ブライアン。聞いておくれよ、キャベツがさぁかくかくしかじかで」


ブライアン「あぁ、そいつは大変だな(笑)じゃあ1玉買うよ。いくらだい?」


しろちゃん「え、買ってくれるの!?ハ、ハチジュ、、、」


四葉「200円!円安だから、、、インバウンドで」


ブライアン「そっか、円安でインバウンドなら仕方ないよな。でも1玉で十分だよ」


しろたん「、、、ないの」


ブライアン「ん?しろたんどうしたの?」


しろたん「売れ残ると、おうち帰れないの」


しろちゃん「そ、そうなんだよ。全部売れないと家に帰れないんだ」


ブライアン「そいつは困ったな。でもさすがに10玉は、、、」


しろちゃん「てかブライアンは、なんで走ってたの?」


ブライアン「あぁ、ボディビルの試合が近くて。あと少し減量しないといけなくてな」


しろちゃん「だったらキャベツがオススメだよ!グッドタイミング♪」


ブライアン「え、そうなの!?」


しろちゃん「うん、トップアスリートはキャベツで追い込みをかけるって何かで聞いたことあるよ」


ブライアン「いや、俺はただ通ってるジムの知り合いに数合わせで参加を頼まれただけだから、そこまでガチ勢でもないよ(笑)」


四葉「でも大会で優勝したら、リョーコさんも惚れなおすかもしれないよ?」


しろちゃん「リョーコさんも誘って一緒に応援しにいくからさ♪」


しろたん「いくいく♪」


ブライアン「まったく商売上手だな(笑)

わかった、10玉全部買った!」


しろちゃん「毎度あり!じゃあコレ、ブライアンの家まで運ぶよ♪あと、さっきソコで取れた白トリュフもサービスしちゃう!」


ブライアン「え、そんなモノまで良いのか?」


しろちゃん「もちろん♪友達じゃないか」


 そして。


ブライアン「さて、キャベツの千切りに白トリュフを削ってと。(モグモグ)トリュフって初めて食べたけどこんなものなのか、、、」


 ブライアンは奇妙な夢を見ました。


ブライアン「ここはどこだ?」


しろちゃん「そこの汗臭い人、此処は狭間の地cabbage(キャベジ)。貴方はcabbagen ringを手に入れ、この世界の王となるのです」


ブライアン「しろちゃん、じゃないか。てか、いったい何を言ってるんだ?」


しろちゃん「語りべの私もよくわからないんだけどね。だいたいどの作品も【誰かがいらんことをして世界が滅びそうになって、なんとかしようとするものの余計に酷いことになって、主人公に無茶ぶりするところから始まる】って感じだね。既に世界が崩壊しかけという設定だから初っ端から激ムズの死にゲーで草ワラよ」


ブライアン「いや、死にたくはないんだが。どうすれば元の世界に戻れるんだ?」


しろちゃん「ヒントは地面に書いてるみたいよ。嘘もあるけどねワラ」


ブライアン「どれどれ【そこの崖から飛び降りてみ 飛ぶぞ?】って。飛んだらそれでおしまいな気がするが」


しろちゃん「もうワガママだなぁ。じゃあ、背中を押してあげるよ♪(ドン!)」


 そして。


ブライアン「ここは、、、ベッドの上?」


リョーコ「良かったぁ、意識が戻ったみたいね」


ブライアン「リ、リョーコさん!?なんで?」


しろちゃん「危うく自分たち事件の加害者と被害者になるとこだったんだよ?」


四葉「あれからネットで調べたら、白トリュフじゃなくてソレ、毒キノコだったの。それで急いでブライアンさんの家に戻ったら既にガンギマリ状態で倒れてて」


しろちゃん「すまない、悪意はあっても悪気は無かったんだ。ついガンギわまってしまって」


ブライアン「感極まってみたいな言い方だな(笑)まぁ間違いは誰にでもあるから気にするな♪」


リョーコ「あなた、1週間も生死の境を彷徨ってたのよ。ほら鏡見てごらん、ゲッソリよ?」


ブライアン「どれどれ、こりゃ酷いな(笑)てか1週間って明後日が大会じゃないか!これでは、、、」


リョーコ「残念だけどね、でも私はゴリマッチョよりも今みたいな細マッチョの方がカッコイと思うけど(笑)なんての?フィジークってやつ?」


ブライアン「か、カッコいいって?今、確かにそう聞こえたよな?しろちゃん!」


しろちゃん「うん、ブライアン良かったね♪」


リョーコ「どちらにしろ、健康的な方が良いからまず身体を治さないとね(笑)それに男は中身よ?エアコンのフィルターを掃除してくれるような男いないかしら」


ブライアン「俺に任せてください。得意ですから」


しろちゃん「だってさ(笑)良かったね、リョーコさん♪」


 こうして、cabbagen ringは腸内細菌によりキャベツの食物繊維と共に黄金樹となり、ブライアンはフィジーク部門で大会に出場し「よ!ガンギマリのギリシャ彫刻」という、しろちゃんのかけ声に場内はわいたそうです。そしてまた一つ素敵な男性になれたような気がしたのでした。めでたしめでたし♪

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