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第18話 魔導の青い光

 王城内の魔導草は青い花粉を散らしていた。

 ナユタが魔導草をかきわけて進むと、草たちはさらに青い花粉を散らし、王城は花粉で充満した。


 王城内のいたるところにある魔導ランプが自動的に点火していく。

 ランプの白い灯りが、青い花粉で充満した王城入口の大広間を照らす。

 大広間が青白い光で包まれた。


「王様? 王様でございますか?」


 どこかからか、声が聞こえた。

 ナユタは声のする方へ向かったが、どこにも誰もいない。


「誰だ? 誰かいるのか?」

「あなたは、王様ではありませぬな」

「そうだ。その通りだ。俺は王ではない」

「では、ここへ来てはなりませぬ」

「来たくて来たわけでない。この世界は何だ? お前は誰だ?」

「私は王のご帰還をお待ち申し上げておる者でございます。

 あなたは王様ではありませぬ、ここへ来てはなりませぬ」

「どこにいるのだ、姿を現せ!」

「何をおっしゃっているのでしょう。目の前にいるではありませぬか」


 目の前にいる者、それはひときわ大きな花を咲かせた魔導草であった。


「な? 草か! 草がしゃべっていたのか!」

「そうでございます。私は魔導草でございますが、

 草が話しをしてはいけませぬか?」

「い、いや、別にかまわんが、草がしゃべっているのを初めてみたぞ」

「ともかく、私は王様をお待ちしているのです。

 王様でないあなたは、早くお帰りになるべきでしょう」


 帰れと言われても、帰り方が分からない。ナユタがそう言うと、魔導草は「ではどうやってここへ来たのですか?」と聞くから、彼は襤褸をまとった老人に連れてこられたことを説明した。


「盲目の老人?」

「そうだ。して、この世界は何なのだ?」

「ここは滅びゆく空間軸でございます。

 ゆえに王のご帰還をお待ちしているのです」

「王が帰還すると、滅びが止まるということか?」

「そうでございます。早く帰りませぬと滅びに巻き込まれますぞ」


 ナユタとしても滅びに巻き込まれたくはないのだが。


「だから、どうやって帰って良いのか分からぬのだ!」

「あなた様から魔導草の匂いがしますぞ」

「それがどうしたのだ?

 そこいらじゅうに魔導草が生えておるのだから、当たり前だろう」


 魔導草が呆れた顔をしたように見えた。


「ああ、何という愚か者なのでしょう!」

「草に愚か者などと言われたくないのだ!」

「あなた様は魔導草を食べましたね?」

「もう何度も食ってるぞ。魔導草を食ったら何だと言うのか!」


 ナユタは幼い頃から魔導草を食べている。何でも食べる野生児であった。


「魔導草を食ったから、魔導草に怨まれて、こんな世界に連れてこられたということか!

 おのれ魔導草め!」

「私たちは人を怨んだりは致しませぬ」

「いいから早く俺を元の世界に戻すのだ!」

「怨んでいるのではありませぬ。あなた様は魔導草を食べました。

 それゆえもう、あなた様は滅びの一部となっているのでございます」

「何を言っているのか分からぬのだ! 早く俺を元の世界に戻すのだ!」


 ナユタは自分が理解できない状況に直面して、精神状態が極限に達しつつあった。


 ナユタの体が青く発光し始めている。

 それを見て焦ったのは、目の前の大きな花を咲かせた魔導草であった。


「あ、あ、あ、何をなさっておるのですか!」


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