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第13話 冒険者ギルドの定休日

 ギルドの中庭からはあの二人の悲鳴が聞こえ続けているが、アラタは仕事に精を出すことにした。

 したのだが、

 時折やってくる冒険者の人にその人のランクに合わせた『クエスト』と呼ばれる仕事を紹介するだけだし、そもそも小さなギルドなせいかあんまり冒険者が来ない。

 言ってしまえば、ようするに暇だ。

 今日は、となりに教育係のスライムさんもいた。

 彼も暇なのかもしれない。


「教育係のスライムさん、暇ですね」

「そうっスか?」

「ところで、僕、自分のステータスを見てみたいんですが、コマンド魔法〔ステータス〕を唱えても、自分のステータスが見れないんですが......」

「そりゃそうっス。あなた冒険者じゃないですから」


 (あ、冒険者じゃないとステータス見れないのか! じゃあ、僕も冒険者になりたい! いや、自分のステータス見てみたいだけなんですけどね......)


「僕も冒険者になりたいです!」

「この冒険者ギルドは、いちおう冒険者ギルド協会に登録している正規冒険者ギルドっス。

 なので『恩寵』の受けていない者はなれないっス」

「? それって正規冒険者ギルドでなければ、冒険者になれるってことですか?」

「そうっスね。闇冒険者ギルドなら冒険者になれるかもっス。でも法律違反っス」


 法律違反かー。と思いつつ、闇冒険者ギルドなる所へ行ってみようかなとか思ったアラタであった......

 教育係のスライムさんは、疑いの目をアラタに向けた。


「法律違反をすると、牢屋にいれられるっス。法律違反はいけないッス」

「え、ええ。法律違反はいけないッスね......」



 女神様の特訓はかなりスパルタであったようで、その後も「ひ~」とか「はひ~」とかいう叫び声は聞こえてきていた。

 夜になる頃にはマルコはすっかりゲッソリしてしまっていたが、なんとか一時間は飛空術を維持できるようになったそうだ。

 ベアーの方は相変わらず飛空術は無理だったようだが、マルコのようにはゲッソリはしていなかった。おそらく体力は物凄くあるんだろう。


「これで、マルコ坊ちゃんは【蒼き死の病】回復の魔導詠唱を依頼することができるようになったでやんす」

「マルコ先輩、やりましたね!」

「アラタ君、当然だよ。俺は神童と呼ばれた男だからな」

「そ、そうですね。その通りだと思います!」


 アラタはいちおう先輩を立ててそう言った。

 しかし、1日で飛空術を一時間できるようになるのは確かにスゴいことである。


「明日、もう一度、修道院病院へ行くでやんす。明日は親分も行くでやんすよ」


 明日は冒険者ギルドの定休日なのである。


「え? 僕も行くんですか?」

「当たり前でやんす。親分が行かなくてどうするでやんすか? だいたい親分は親分としての自覚が足りないでやんす」

「いや、あの、自覚って言われましても......」


 ともかく明日、修道院病院へ行くことになりまして、あー、ついでに闇冒険者ギルドっていうのにもちょっと行ってみようかな......とか思うアラタであった......


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