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異世界で運命更新中 ほっとけない自分は頑張ります  作者: ハク
異世界転生の始まりの記録
2/3

女神様(神様)のお話しします

 「あれ?」

 気づいたら自分は知らない場所に立っていた。

 見渡す限り全てが白い空間に自分はポツンと立っていた。

 「確か、学校が終わって友達と歩いて帰って、そしたらいきなり目の前が真っ白になってそれから………」

 ここに立っていたのだ。それが自分の記憶を遡った結果だった。

 とりあえず自分の状態を確認してみた。

 体、傷等見られず健康そのもの。衣服、破れている箇所なし。持ち物。財布にスマホそれと教科書無くなってる物無し。

 自分は特に問題ないのだが現在置かれている状況が問題だった。

 考えられるとしたら………

「まさか………死んだ?」

 そう考えられなかった。マンガのようにデスゲームみたいな展開もない。

 実感が湧かなかった。痛い思いもしてないのにいきなりこんな場所に立っていたのだ。死んだと言われてもはいそうですかと言える状況じゃなかった。

 「ふぅん。死んだって言う割にはあまり錯乱したりしないのね」

 いきなりだった。頭上から女の声がしたのだ。

 「とりあえず、こんにちは?かしらね。直江悠君?」

 名前を呼んだ人物は綺麗だった。

 ギリシャ神話を彷彿させる白い服に身を包み、整った顔立ちに金色の長髪をした女の人が頭上から階段を降りてくるかのように現れたのだった。

 思わず自分の口からこぼれた。

 「め…が…み…さま」

 その言葉に女神様が笑顔になると。

 「そう!女神様なのよ!神様でも仏様でもない女神様なのよ!」

 両手を天に突き上げ、テンションが上がった声で話しかけてきた。

 「…………‥…………………………………………………はぃ?」

 思わず気の抜けた声が今度は漏れた。

 「ああ、ごめんなさいね?私一応神様なんだけどね?やっぱり女神様の方が私に似合っているじゃない?なのに最近のお爺さん、お婆さんは私を神様って言ってありがたるのよねー、何?日本じゃ女神様より神様の方がしっくりくるの?私、神様ってキャラじゃないんだけど、でもでも!子供とか年齢が若い子は良い子よねー、私の事を純粋に女神様って呼んでくれるし!でも私に会うのは死後の世界だから若い子が死んじゃうのは良くない事なのよねー」

 なんか、女神様のイメージが頭の中で崩れ落ちていってる気がする、じゃなくて崩れ落ちた。

 「あの………自分死んだんですか?」

 とりあえず自分の状況を確認する為に未だに何か言ってる女神様?に聞いてみる事にした。

 「ええ、そうよ貴方は死んだの。そしてここ、つまり死後の世界に貴方はいるって事よ」

 「……………………………………………………………………」

 あまりにも呆気なく自分の死が確定した事に言葉が出なかった。

 「うんうん、分かる分かるわよ、今の気持ち、君、死んだ理由さえ知らないんでしょう?」

 そう言うと女神様は手を前に突き出すと何も無い所から光を放ち、次の瞬間には洋紙を手に持っていた。

 「えーっと、直江悠 5月5日生まれ、性格は真面目で困っている人を見ると放って置けずに手を差し伸べ、お婆さんの荷物を代わりに持ってあげる等の善行を行なっているほどの地域では噂の善人。これは天国行きね、良かったわね」

 天国行きと言われても素直に喜べなかなった。

 「あとは死因ね。死因は……………………」

 そこで女神様は動きを止めた。というか顔面蒼白になっている気がする。

 「あの、女神様?どうしたんですか?」

 恐る恐る聞いて見ると女神様はビクッとして目を盛大に泳がせながら。

 「え!えーっとねぇ………トラック………そう!トラックに衝突して死んだのよ?」

 「なんで疑問形なんですか?………でも目の前が真っ白になったのはトラックのライトのだとすれば納得いきますね」

 「流石善人信じてくれたわ………良かったわ………」

 「何か言いました?」

 「何も言ってないわ!!」

 顔をドアップにして念押ししてきた女神様、正直、ドキドキするけど確認するべき事がある。

 「じゃあ自分はこのあと天国に行くんですか?」

 その言葉に女神様はまた止まった。そして自分から距離を取ると。

 「そうよ、このままじゃ私大変な事になる!こんなのがバレた時には私、最悪神様から天使に降格?冗談じゃないわ!どうしよう、どうしよう!?」

 なにか知らないけど、女神様がなんか凄い慌てているのだけは分かった。

 「もしかして天国に行けないんですか?」

 すると女神様はまた目を盛大に泳がせながら

 「いや!天国には行けるのよ!行けるけど………………………………それじゃあ私が困るのよ!」

 後半が聞き取れなかったけど、行けるのならなにが問題なんだろうか?また女神様が距離を取ると

 「なんとか時間を稼がなきゃ………それまでどこか行って貰って………待って?どこか?行って?………そうよ!その手があったわ!」

 女神様が満面の笑みで戻って来るとこう言った。

 「貴方、異世界転生してみない?」

 「異世界転生………ですか」

 「そう!異世界転生!子供の頃に夢見た事が今現実に!しかも!今なら女神様の加護つき!これは行くっきゃないわね!しかもこれから行く世界は剣と魔法のファンタジーな世界!流行りに乗っかって行っちゃいましょう!ね!ね!ね!」

 凄いグイグイ来るんですけどこの人!いや女神様か、でもなんか必死な感じがしてるな、まさか………

 「女神様、何か隠してませんか?」

 「(ギクッ)何も隠してないわよ、むしろこれは粋な計らいなのよ!?天国に行ってもあれよ?全部忘れて生まれ変わるのよ?それよりも今すぐ転生して生きた方が断然良いじゃない!」

 「はぁ、確かに一理はあると思いますけど………」

 「ね!私の加護つきなら上手くいけば貴族みたいな暮らしも出来るわよ!」

 もう自分の両手握って懇願してる感じもしてきてる。なんかもうなんて言うか………

 「わかりました。異世界転生します」

 「本当!ありがとう!これなら時間………じゃなかった加護を貴方に授けるわね!」

 握った両手をブンブン振り回して喜んでくれてる女神様を見て、良かったと思った。

 「じゃあ加護を授けるけど貴方にピッタリな加護を選んで頂戴?」

 どこから出したのか能力とその詳細が書かれた紙を渡された。なんか聞いた事ある展開だなと思ったけど口に出さないでおこう。

 しばらくして1つの加護に目に止まった

 「この“天寿”って加護にします」

 「え?それってただ死因が老衰で決定される加護よね?ショボくない?他にもあるわよ、勇者の素質とか大賢者の素質とか錬成師の素質とかあるじゃない?」

 なんだろうチョイスが偏っている気がする………

 「いえ、これで良いです。生き返るだけでもありがたいですし」

 「なんて善人なのこの子!欲がないわ!もう特別に私のスペシャル加護を2つあげるわ!」

 「いや、要らないですけど………」

 「私の加護はね女神の眼と女神の祝福よ」

 話し聞けよ。

 「女神の眼は運命の分岐点にたった物を見る事が出来るわよ!ちなみに時代を担う人はならすぐに反応するわ!そして!もう1つは女神の祝福!これは善行を積むと貴方に祝福という名のボーナスが入るわ!なんのボーナスはその時のお楽しみよ!」

 「はぁ………」

 もう完璧に女神様のペースに飲まれていた。

 「それじゃあ、早速、貴方を新しい世界に送るわよ!」

 「なにか、急いでいる感じしませんか?」

 「そんな事ないわよ!」

 顔が切羽詰まっていますけど本当ですか?

 「それじゃあ、行ってらっしゃい!まぁ、何かあったときはアシストしてあげるからねー」

すると足元から光を放ち始め、体の全てが包まれた時、自分の意識が薄れていった



 「ふぅ、危なかったわ、とりあえず時間は稼げたわ………しっかしホントの事もなんとかしないと」

 女神様の手に握られている紙に直江悠の死因はこう書かれていた。


 直江悠 死因 女神様の雷に打たれた事による感電死


 「まさか私の八つ当たり気味の落雷があの子に当たっていただなんて、これだけはなんとか隠し通さないと」

 女神様はまだ知らない、彼が女神様の送った世界で巻き起こす事件など想像を超える事になろうとは女神様はまだ知らない。

 送られた直江悠も知らない、自分のこれからが波乱万丈な生活になるとはまだ知らない。

 送られた世界も知らない、たった1人異邦人が世界を大きく変える事になるとは、送られた世界も知らない。

 

 

 


 

 

次回初めての異世界どんな世界なのがやっと始まります。

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