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夏だ! 海だ!! 水着だ!! ドキッ、女だらけの海水浴! (男もいるよ)

クトゥルフ神話編です。

「海だーーーーー!!」

「「「いえええええい!!」」」

ヒバナのそんな宣言にノリノリで乗る私たち2人と1匹。あ、男はカゲロウさんね。

テストも終わり夏休みに入ったので、初弾の中で海に来ていた。

もうカゲロウさんと兄は別人と考えてる。てかそうでもしないとやってらんない。

「ささ、早く水着に着替えようや!!」

私たちはまだ水着に着替えてないのはロンちゃんが「折角やしみんな同時にお披露目しよ!」っていったからで、その時は別によくない? て思ったけど確かにちょっとワクワクするね。

「自分ら準備できたか? ほないっせーので!」

メニューから装備一斉切り替えを選択し、水着に着替える。

「「「「おぉぉぉ!!」」」」

女性陣は自分以外の水着に歓声を上げ、カゲロウさんがどこか恥ずかし気に視線を彷徨わせる。

……あれ? これ男女で役割逆じゃない? ま、まぁいいや。

ヒバナは赤と青を主体としたビキニを着ていて、私ほどではないけどちっちゃいにも関わらずどこかセクシーさも出ている。しかもセクシーさと同時にかわいさもあって、とてもよく似合っていた。

ロンちゃんもビキニだけどヒバナと違いフリルがついてるタイプで、オレンジと白の縞々模様だ。

ロンちゃんの子供らしい元気さや可愛らしさを前面に押し出している。かわいい。

ちなみに私もロンちゃんと同じようにフリルが着いた水着だ。でもワンピースタイプで水色と白の縞々模様なんだけど……若干ロンちゃんと被っちゃったな。

カゲロウさんはいたって普通のトランクスタイプで、そういえば兄こういうシンプルなのが好きだったな~と家族で海に行ったときのことを思い出した。

あ、ちなみにしらすも水着を着てて、布の面積が少ないマイクロビキニだった。

「ふふん、どう、弟子ちゃん? セクシーでしょ?」

うん、そうだね、せくすぃだね。

「さ、さっそく泳ごうトーカちゃん! あそこのなんかよくわかんないのが浮いてる所まで競争ね!」

「え、やだ」

「即答!? なんでぇ!?」

「だって現実ならともかくこっちでヒバナに勝てるわけないじゃん。AGIいくつよ今」

「888」

たっか、まぁ私のDEXの方が高いんだけどね!

「拍手喝采大歓声やな!」

「パチパチパチ」

「いいでしょ? この流れするためだけに調整したんだから」

無駄に凝ってる、ホントヒバナはこういうの好きだよね。

「よっし、ほんならウチが勝負したる! あそこまでやな!! 負けへんで~」

「ふっふっふ、私に勝とうなんて2年早いわ!」

「意外ともうすぐやな!?」

流石ロンちゃん、ヒバナのくだらないボケにもしっかりツッコんでくれるとか優しい。

……てかあの浮いてる変な奴、なんか動いてる気がするんだけど……まぁきっと波に揺れてるだけだよね。

「よ~い……ド」

「ちょっとまったぁ!!」

「む、なんやトーカちゃん」

「しっかり準備運動してからね、いきなり入るとケガしちゃうから」

これが結構本当のことで、しっかり準備してからじゃないと海の中で足がつりやすくなったりするんだよね。

「わっかったよおかーさん」

だれがおかーさんか、まだまだピチピチのJKだよ。

その間カゲロウさんはガチで砂の城を作っていた。どれぐらいガチかっていうとまだ土台しかできてないにも関わらずその力の入り方がビシビシ伝わってくるレベル。

2人に準備運動をやらせていると、かっこいいシブメンのおじさまがやってきた。

「お、今日は美人の先客がいるじゃねえか」

「ん? あ、大三郎さんやん! やっほー」

「よぉ嬢ちゃん、今日はたくさん連れがいるんだな」

たしか漁師の人だったかな? てかなんか面識あるみたいな会話だね。

「知り合い?」

「そそ、たま~にこの人の船に乗せてもらっとってな、釣ってすぐ捌くくれんねん。それがえらい旨いんよ!!」

へ~、たしかに美味しそうかも。

「今から漁に行くんだが、乗るか?」

そう言って自分の船をくいっと示す大三郎さん。やっぱいぶし銀はかっこいいね、うん。

「ホンマ!? せやったらちょっと一発競争してから行くわ、ちょっと待っとって~」

「おう、わかった。で、どこまで泳ぐんだ?」

「あの浮いてるとこ! よしヒバナちゃん、行くで! よーい……ドン!」

ロンちゃんの合図と同時に2人が飛び出す。うっわなにあの速度、はや……

「……ん!? おい! お前ら!! あれは漂流物なんかじゃねえ! 早く戻ってこい!!!!」

切迫したような表情で大三郎さんが叫ぶが、時すでに遅し。2人はもう辿り着いていて……

「んなぁぁぁぁぁ! また負けたーーーー!!」

「ふっふっふ、ロンちゃんじゃまだまだ勝てないよ!」

そんな風に会話をしていた。

改めてその目印をよく見てみると、なんとなく吸盤みたいなのが……へ、吸盤!?

「ちっ!」

大三郎さんが片手に一本ずつ釣り竿を持ち、2人を吊り上げようとする。

ちなみに針は2人に突き刺してた。そりゃあ引っ掛けるようなとこ水着しかないし、それを引っ張ったら大変なことになるもんね。そうなったらウチの子達のあられもない姿を見た罰で大三郎さんを処刑しなきゃならない。

でも流石に一人じゃ辛そう、STRが高いカゲロウさんに頼むか……てまだ城造ってたの!? うわスゴ! めっちゃリアルでかっこいい!

そ、そんなことより! あれはヤバイって本能が告げてる。早く2人をフィッシングしないと……!

「兄! 釣り竿片方もって! 全力で吊り上げて!」

「? あ、あぁ、わかった」

よくわかっていないながらも手伝ってくれる。

「ねぇ大三郎さん、あれなんなの!?」

「あぁ、あれは海フィールド最強のエネミー……ちっ、わりぃな、先に2人を吊り上げる。説明はあとにしてくれ!」

「う、うん」

エネミーっていってたし一応戦闘準備はしておこう。

「しっ! 釣れたぁ!!」

「「うひゃぁぁ!」」

2人が空中に上がると同時に、水中から影が迫ってきて、その姿を外にさらした。

「ありゃあ海で最強のエネミーであり神話生物……」

それはなんとなく類人的な外観をしているが、タコに似た頭部がついており、顔には触手がかたまって密生している。ウロコに覆われたゴムのように見える体、前足と後ろ足にはかぎ爪、背中には細長い翼が生えていた。この怪物は……肥満ぎみに膨れ上がって……ベタベタした感じで視界いっぱいに広がり、ゼラチン状の緑色の巨体が海面から浮かび上がるように進み出てきた。山が歩いた、あるいは山がよろめいたという感じだった。

「クトゥルフだ!!!!」

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