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side冒険者:夜襲①

 今回は別視点です。


 ちょっと長くなったので分割します。

 会話を入れると思ったより長く……。


 ベビーモスキートの時のステータス表記間違えてたので修正してます。

 敏捷32→22

 やはりたまに見直したほうがいいですね。

 バターとタマの散歩中に遡る


 ジカの森、ここは新人冒険者達が訓練もかねて最初に来る森

 一番強い魔物はゴブリンくらいで、新人の冒険者でも危険性は少ない。

 と、言われている……。


 その森の泉で、三人の新人冒険者が狩りをしている。


 狩りをしているのは、剣士二人、狩人一人のパーティだ。


 バシッ! 今このパーティに一つの命が刈り取られた。


 「やっぱりこんな森じゃ物足りないな」

 ゴブリンを切り伏せて言うのは、このパーティのリーダ―で剣士のモルだ。

 赤味のかかった髪で、顔だちは整っている。

 やや小柄ながらも素早さを生かす装備で高い攻撃力を誇る。


 「でも、新人はまずこの森って決まりだから……」

 そう答えるのは大柄の剣士ゲソ。

 パーティの盾役で、慎重だがやや押しに弱い。

 顔はあまりよろしくない。


 「ゲソの言う通りだ。森での戦闘は平地とは違うからな。訓練通りにいかないこともある」

 ゲソに乗っかるのは狩人のソヨ。

 細身で長身の若干目つきが鋭い男だ。

 パーティ唯一の後衛で、弓と短剣を使う。そしてパーティのまとめ役でもある。


 彼らは15歳になり冒険者登録を済ませたばかりの新人だ。

 

「でもなー、刺激っての? 単調な狩りじゃなくちょっと危険に飛び込みたくなるっていうか……。ゴブリンの巣穴行っちゃう? 」

「ダメだよ! ゴブリンの巣穴はEランク以上じゃないと危険だって講習でも言ってたよ」


 冒険者にはランクがある。

 下からF、E、D、C、B、Aそして規格外のSランクだ。

 彼らはFランクに属する。

 冒険者は15歳から登録するかとができ、まずは一律でFランクになる。


 一律でFランクで登録するため、素人と変わらない物もいれば、彼らのように訓練を積んできた者たちもいる。

 Eランクになるには冒険者のプロとしての力、つまり素人とは隔離した実力を示さねばならない。

 一般的に冒険者と名乗れるのはEランクからになる。


 

「でも兄貴達からもEランク以上の力はあるって言われてるじゃん。大丈夫だって!」

 ゴブリンは一般的に、1対1であれば素人でも勝てると認識されている。

 だが当然群れの場合は別だ。巣穴のゴブリンが相手の場合はEランク、つまりプロの冒険者でないと太刀打ちできない。


「たしかにこのままゴブリンをせこせこ狩ってても訓練にはならなそうだな。俺も巣穴に行くのに賛成だ」

 モルの意見にソヨが賛成する。


 ソヨが賛成したことにモルは上機嫌になる。

 リーダーだから強行しようと思えばできるが、賛成があるのとないのでは大違いだからだ。


「これで2対1だな。それじゃあ巣穴にいくぞ野郎ども!」

 ゲソはまだ不満そうだが、二人が賛成しているのであればそれを覆す力がない。

 仕方なくゲソも従うことにした。


 ソヨは乗り気のモルに、いつものように突っ込む。

「で、巣穴ってどこにあるんだ?」

「…………知らね」

「だと思った」


 モルの行き当たりばったりの提案を叶えるのはいつも二人の役割だった。


「巣穴を探すならまずは足跡からだな。ゴブリンそのものでもいいけどな。」

 足跡を辿るかゴブリンの後を付ける。巣穴を探す場合の常套手段だ。


「足跡ならさっき殺したやつの足跡を辿ればいいんじゃないか?」

「さっきのやつはダメだな。水辺だったから足跡がもうわからなくなってる」

 足跡と聞いてモルは提案したが、そういえばぬかるんでたなと諦める。 



 三人が巣穴を探して歩き回っていると、いつの間にか蚊に刺されている事に気が付いた。


「うわ、蚊に食われてる」

「僕もだ。虫よけ使ってたのにな……」


 蚊に食われたと喚くモルとゲソに、ソヨが訂正を入れる。

「虫よけ使って刺されたなら、蚊じゃなくてモスキートだな」

 

「ん? 同じだろ?」


「違う!!!!!」


 急に表情を変えて怒鳴ったソヨだが、すぐに冷静さを取り戻す。

「す、すまん。だが、蚊とモスキートは別だ。蚊は昆虫だがモスキートは虫型の魔物だ」

 蚊はあくまでも昆虫だが、モスキートは蚊の容姿、能力を持つ魔物だ。

 寿命や、変態と進化の違いなど様々である。


 急に表情を変えたソヨに若干引きながらモルは思い出す。

「そ、そういえばお前は虫マニアだったな」


「狩人は全員虫マニア検定を受けている。俺はまだ下級だけどな。」

 森の中には沢山の虫がいる。中には毒を持っていたり、昆虫のような姿の魔物もいるため、狩人になる場合は虫マニア検定を受けることが必須だった。


 しかし、狩人の技能として検定を受けたにしては虫への執着が強いように思う。

「お前ってそこまで虫が好きだったっけ?」

 彼らは幼馴染で、幼少のころからお互いを知っている。

 その記憶だとソヨはそこまで虫が好きだったようには思えない。

 勿論、子供のころに昆虫採取くらいはしていたが。


「虫マニア検定を受けようとすると自然とこうなるぞ? 講義を受けているとだんだん虫が好きになってくるんだ。結構楽しいぞ?」

 嬉しそうに答えるソヨに、若干引きつりつつゲソが呟く

「せ、洗脳……」


「何か言ったか?」

「なんでもない……」


 探索を続けていると、ゴブリンの足跡を見つけた。足跡を見つけてしまえばこっちのものだ。

「途中で途切れてなければいいけどな」


 足跡を辿っていくと、ゴブリンの巣穴はすぐに見つかった。

 すぐには乗り込まず、木の陰から様子を伺うことにする。


「思ったより大きいな」

 遠目に見るゴブリンの巣穴は思ったよりも大きく感じた。

 もちろん彼らはゴブリンの巣穴を直接見たことはない。だが、彼らの師匠である現役の冒険者から話を聞いていたので、ある程度のイメージが付いていた。

 

 彼らは知らない。ここがゴブリンの巣ではなくホブゴブリンの巣だということを……。


 ゴブリンとホブゴブリンでは強さが一回り違う。

 ゴブリンが単体Fランクなら、ホブゴブリンは単体でEランクの強さをもつ。

 もちろん、巣穴に向かう場合も一回り違ってくる。

 ホブゴブリンの巣穴の場合は、Dランクだ。


「念のため夜襲にしよう」

「あれ?ゴブリンって夜行性じゃないの?」

「どこでそんなこと聞いたんだ?ゴブリンは昼行性だ。少なくともここのやつらはな。」


 ゴブリンを夜行性だと思っている人は多い。

 しかし、実のところ昼行性のゴブリンほうが多い。

 もちろん住む場所などにより夜行性のゴブリンもいる。

 広く分布している魔物は場所によって多少の差異が発生する。これらは亜種と呼ばれる。


「とりあえず交代で見張りを立てるぞ。俺、ソヨ、ゲソの順番だ。交代までしっかり寝ておけよな!」

 夜まで休憩するため、洞窟から離れたところでキャンプを張ることにする。


「何かあったら起こすからなー」


 そして夜は更けていく。


 ちょっと解説も入ってるんですけど不自然ですかね?

 会話の流れとかはあとで修正するかもしれないです。


 主人公を置いてけぼりにして次々明かされる世界観……!


 次回は火曜日の夜に更新します。

 場合によっては日付をまたぐ可能性があります。

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