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空の王者と森の王者

 口調がちょいちょい変わるのはテンションを表しています。

 読みずらいですかね?


 色々練習中なので、チャレンジしていきたいと思います。


 蚊として生まれ変わり、数日が経過していた。


 私は獲物を探して飛翔している。

 転生してたった数日で、私の獲物となった生者の数は数百に達している。数えてないけど気持ち的にはそれくらい。

 おかげで、そろそろ成体になれそうな気がする。

 早く血がほしい。私は血に飢えている。血に……飢えている!


 なんて考えながら飛んでいると、唐突に突風に見舞われた。

 私は風に吹き飛ばされて木に打ち付けられた。もう慣れているがつらい。


 実は、転生してから幾度となく突風に見舞われており、その度に吹き飛ばされていた。


 この森はおかしい……、私の体を易々と飛ばすような突風が、日に何度も吹き付ける。

 前世ではこんな突風はなかったのに……! 記憶がないからわからないけど。


 幸いなことに体が軽く、木に打ち付けられてもダメージはほとんどない。


 突風で辟易しているが、私の欲望は収まらない。血に飢えている。

 

 そして、血を探して飛び回っている私の目に、とんでもないものが映り込んできた。


 ま、まさか、あれがこの世界に……!?


 それは、私にとって驚天動地であった。



 ******  



 私は今、血を吸っていた。いや、啜っていた。血を……啜っていた。


 ちゅうちゅうちゅちゅっちゅ

 おいしいにゃ~♪

 ちゅちゅっちゅちゅうちゅう

 おいしいにゃ~♪


 おいしすぎて思わず、にゃ~♪って出ちゃいましたにゃ♪

 最近何か大事なことを忘れてるきがするにゃ~♪

 私何か大事な目的を持ってた気がするにゃ~♪


 そう、私は今ネコちゃんの血を啜っている。白い毛並みが美しい美人さんだ。いや、美猫さんだ。

 そして、ネコちゃんの血、おいしいです。


 いや~、目の前にネコちゃんが現れたときはびっくりしました。ゴブリンなんかがいる世界でよく生き残ってますね。

 きっと皆、ネコちゃんのかわいさにメロメロなのでしょう。動物保護ばんざい! ネコちゃん世界一カワイイよ!

 カワイイは正義! カワイイってだけで生きちゃうネコちゃんすごい!


 それにしても、ネコちゃんの血はおいしいのですが、どうにもお腹にたまる感じがしません。人間さんやゴブリンなんかはお腹が膨れるような感覚があるのです。例えるなら飲み物とお食事くらいの違いです。どういった違いがあるのでしょうか、これは要検証です!


 そして、このネコちゃんちゅうちゅうは、大事な儀式でもあります!


 私はこれから、蚊として一人前になる。そう、進化です! ベビーから成体への変態が始まります。 

 その儀式をネコちゃんで行えることに、私は幸せを感じました。I'm happy!!


 ******



 進化はあっさりと終わった。あまり変化した気はしないが、体が一回り大きくなった気がする。


 【名前】

  バター

【種族】

  モスキート

【ステータス】

  LV:1

  力:1

  耐久:1

  魔力:1 

  敏捷:30

【種族スキル】

  吸血

【固有スキル】

  消音飛行lv2


 ステータスもあまり変化がなかった。

 おい!!!!!!!!!


 え?もしかしてずっとこんな感じですか??

 いや、まだ進化の余地を残している気がするし、一段階だとこんなものなのでしょう。

 ブチから通常種になっただけのようなものなのでしょう。キングにだってなれるはず!

 私の戦いはこれから!


 そうそう、モスキートの種族説明を見ないと! ベビーの時はモスキートの赤ちゃんとしか表示されなかったですからね♪

 ついにモスキートの秘密が明らかに…!


 しかし、詳細を見た私はすぐに後悔することとなった。




 『害虫』

 それだけだった。


 えっ!?

 あ、え、えっ!?

 いや、知ってますよ!!!?


 あれ……、それだけ? 

 そうか、モスキートなんて世間様ではその程度の認識なのですね……。

 私も同意見です。


 ま、まぁ今のところ食べて寝ていれば勝手にレベルが上がるみたいだから!

 これから! これから!

 焦る必要なんてないですから!消音によるサイレント性能と吸血による成長能力は最強なんだから!

 私こそが空の王者!なんちゃって♪


 私は気を取り直して、またお空へ飛び立つ。

 次なる獲物を求めて。


 さらばネコちゃん! 何か困ったときは私を呼んでね! 


 ******


 私は次の獲物を求めていた。きっとネコちゃんの他にもかわ…おいしい獲物がいるはずだ。

 まだ、私の進化は足りない。獲物を狩り、進化しないといけない。


 しかし、人生には波がある。人じゃないけど

 進化という良いことのあとには、悪いことも訪れるのである。


 

 そいつは彗星のごとく現れた。 


 ブオン!!


 気配を感じてとっさに回避するも、風圧により少し飛ばされた。


 体制を立て直した私が見たものは……。

 強大なトンボだった。※蚊視点


 真っ赤な色合い、羽が飛行機のように横に広がり、飛行機とヘリコプターのいいとこ取りをしたような飛翔能力をもつ。

 そいつの存在は、私に絶望感を与えるには十分だった。

 まるで、ゲーム初期に現れる負けイベントのボスのようだ。


 想像してほしい。よちよち歩きからようやく自分の力で歩けるようになったところで、重火器を積んだ戦闘機に追われるような恐怖を……。


 

 な、なんで!?今までは見向きもされなかったのに!? はっ!

 

 そうだ私、進化したんだ……。進化して大きくなっちゃったから捕食対象になっちゃたんだ。

 と、とにかく逃げないと!


 私は脱兎のごとく逃げ出した。勝てるわけがない。


 私が避けたことに気がついたトンボは、すぐに振り向いてきた。その旋回性能はまるで、エーリヒ・ハルトマンが操縦しているかのようだった。そして……

 

 な、なんであの巨体であんな速度で飛べるの!?


 トンボは私の数倍もの巨体を持ちながら、速度は私の比ではかった。

 いや、速度だけではない。旋回、静止、全てにおいて私を上回っていた。


 そして、空の王者は自分だ。と誇るかのような堂々とした飛翔。 

 

 あ、あんなの勝てるわけないじゃない!!


 そして本気で迫ってくるトンボから逃げられるわけもなく、私はあえなく捕ま…

らなかった。


 ビュンと突風が吹き付けてきたのだ。

 その風の強さは、私が飛ばされるくらいの強さだった。


 この瞬間は焦った。だが――


 や、やばい!

 とっさのことで踏ん張りが効かなかった。そもそもとっさじゃなくても踏ん張りは効かない。

 私はあっさりと吹き飛ばされた。


 ――この強風が私にとっては追い風だったのだと、すぐに気が付くことになる。  


 くっ! で、でもこんなに強い風なら、あの悪魔も飛んではいられないはず!!


 そんな私の期待をあざ笑うかのように、強風を物ともしていない悪魔がそこにいた。

 いや、飛ばされていないだけで、さすがに動きは止まっている。


 チャンスだ!今のうちにどこか安全なところに!

 私がそう思い逃げる準備をしていると、見知った気配を感じた。


 その時の光景を私は一生忘れないだろう。



 バシッ!


 それは、一瞬だった。

 強風で動きを止めていた悪魔が、一瞬で消えた。

 そして、そこにはいたのは……。


 赤い悪魔をくわえたネコちゃんだった。


 なっ! さっきのネコちゃん!?


 私は衝撃を受けていた。

 私がどうあがいても勝てないと諦めた空の王者。

 そんな絶対的な存在を、まるで虫けらのようにくわえる白猫がいた。その姿は、森の王者そのものだった。


 可愛さだけで生きている愛玩動物だと思っていた。そんなことはなかった……。

 ネコちゃんは強かった。私なんかでは到底勝てない。

 ネコちゃんは可愛いだけではなく、森の王者として最強の地位にいた。


 私の何倍も強い赤い悪魔、の何倍も強いネコちゃん。

 その強さは計り知れない。


 と、そこまで考えてようやく思い出した。


 私、最強を目指してたんだ!!

 最近グルメツアーが楽しくって忘れてました!!!


 まさか世界が作り出した最カワ生物に思い出させられるとは、思いもしませんでした。


 ネコちゃん。いや、森の王者よ!いつか貴方を超えて見せる!



 でもその前に、しばらく休憩……。


 私は森の王者の背中で休むことにした。

 文章で違和感のあるところがありましたらご指摘をお願いします。

 何回も見直して直してはいるのですが、主観での修正には限界があるもので。。

 

 

 次回更新はGW中になります。GW中は毎日更新!って方もいるのでしょうね。。。

 私は無理そうですorz

 次回は4/29(日)の10時を予定してます。


 それはそうと、蚊は100人に聞いて100人が害虫と答えると思いますが、ボウフラは微妙ですよね。

 蚊にさえならなければ100%益虫なのですが、蚊の存在が大きすぎます。

 個人的にボウフラは可愛くて好きです。

 もちろん好きだからって繁殖なんてしませんよ?

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