驚愕の事実
主人公目線で話を書くのが一番難しいです……。
アベックの乗る馬車に同乗すると、馬車はすぐに次の町にたどり着いた。
以外と早いものだ。
町としての規模は前のところよりも小さいようだが、元気な人がたくさんいる。
いい街だな……。
この町でも前の町のように荒らして回ろうかと思っていた。
着くまでは……。
今でも人を殺したい気持ちは残っているのだけど、何かがおかしい。
いや、今がおかしいのではなく、前までの私がおかしかったように思う。
アサシンモスキートになってから気が高ぶっていた。
種族特性とかだろうか?
種族が原因と考えるのには理由がある。
そう、私はいつの間にやら進化していたのだ。
気の高ぶりが一切なくなっている、間違いなくこれは進化の影響だ。
思えばアサシンモスキートに進化してからの私は、衝動の赴くままに動きすぎていた。
スカルでグレイなモンスターみたいだ。
だけど今は違う。
進化したおかげで、人間に対する殺意はそのままに冷静でいられる。
そして気になるのは進化した結果だ。
はてさて、アサシンの次はなんだろうか?
早速自分のステータスを確認する。
【名前】
バター
【種族】
クイーンモスキート
魔王
【ステータス】
LV:1
力:2
耐久:2
魔力:2
敏捷:300
【種族スキル】
吸血
原虫創造
眷属支配
無音飛行
【固有スキル】
貯蔵庫lv10
!!
種族名より先に私の目に入ってきたのは、敏捷を除くステータスだ。
そのステータスを見て私は涙した。涙なんて出ないんですけど。
ついに! ついに!
ステータスが2になった!
今まではいくらレベルが上がっても敏捷以外は1のままだった。
それがとうとう2になった。この嬉しさは言葉では表せない。
ずっと1のままかと思っていた。
気分的にはカンストしたくらいの気持ちだ。
おそらく人間からしたら大したことではないのだろう。
しかしそもそもの話、私のサイズで人間と比べるということが異常事態に思える。
そして敏捷は破格の上昇だ。
長かった……。
そしてもう一つ気になることがある、種族が増えていた。
種族が増えてるっていう表現はおかしい気もするけど、増えてるものは仕方ない。
魔王……? 蚊の魔王? ちょっと違うけど、べるぜ……?
うーん、なんだろうこれ、詳細を見てみよう。
魔王:人間を滅ぼす者
端的かつ、なんと物騒な……。
でも、確かに私の中には人間を滅ぼしたい衝動がある。
この称号のせいかな? いや、元々そう思ってた気もする……。
人類滅べなんて、転生する前から何度となく思った事か。
しかし魔王か、魔王城とかあるのかな?
配下とかは? 眷属支配ってあるからこれで作れってことなのかな?
勇者と戦うのかな?
どうやって戦うんだろうか……、私が勇者と戦う方法より、勇者が私と戦う方法が気になる。
殺虫剤を持って魔王と戦う勇者か……、ちょっと見てみたい。
そして進化後恒例の種族確認タイムだ。
前回はかなり物騒だった、アサシンだからね。
今回はクイーンモスキートという種族名。
名前から言ってモスキート種のかなり上位種のように思える。
今いったいどんなことになるのだろう。
クイーンモスキート:モスキート種の最終進化形にして至高のモスキート。全てのモスキート種を従えることができる。モスキート種が最終進化した例は確認されたことがなく、幻の存在とされる。見た目は通常のモスキートと区別がつかない。オスの場合はキングモスキートとなる。
至高のモスキートってなに?
って……あれ?
ゴシゴシ
私は目頭を押してからもう一度種族詳細を確認する。
ちょっと気になるところが……。
オスの場合はキングモスキートとなる?
えっと、オスの場合はキングモスキート、そして私はクイーンモスキート……?
って言うことはつまり……、私ってメスだったの!!?
私は転生してから最大の衝撃を受けたのだった。
次回作は会話できる主人公にしたいと常々思います。




