side勇者:上には上がいる話
すみません、投稿遅くなりました。
そして久しぶりの勇者回です。
文字数にするとそんなに久しぶりではないんですけど、期間にすると久しぶりなのは何故でしょうかね(すっとぼけ)。
初心者用の狩場があれば、当然上級者用の狩場もある。
ここはAランク以上の強さを持つものだけが立ち入りを許されている山、デング山。
弱者が立ち入ればすぐに山の養分となる。
☆☆☆☆☆☆
デング山の頂上付近、観光スポットとして有名になりそうなほどの景色の良い場所だ。しかし、そこには誰もおとずれない。
巨大なモンスターがいるからだ。
鬼、この世界ではオーガと呼ばれているモンスターだ。人型のモンスターの中では一番大きく、その背丈は3メートル近くにもなる。
オーガは強く、冒険者の一つの指標となっている。このモンスターを倒せればAランク冒険者となれる。
勿論パーティを組んで一体だけを倒すのであれば、Cランクで上位の実力を持つパーティなら可能だ。
たが、Aランクとして認められるには一対一で倒す必要がある。倒せる者はごく一部である。
ズシンッ!!
そんな強大な生物、オーガが勇者の手によって倒されていた。
「さすがですね、勇者様。勇者様の手に掛かればオーガもゴブリンと変わりません」
同行している姫は勇者の強さをそう褒めたたえる。
「僕もだいぶ強くなりましたからね。でも、油断はできないです」
あたり一面にオーガの死体が転がっていた。この山ではオーガがゴブリンのように現れる。
A級の冒険者でもパーティを組んで挑まなければ到底登れない山だ。
そんな山を勇者は悠然と登っていた。
勇者は召喚された日から目覚ましい進歩を遂げている。その強さは召喚されたときの比ではない。
「油断は一番危険ですからね。先日、田舎町のほうでCランクの冒険者がゴブリンの討伐をした後に亡くなったそうです。原因は不明ですが、直前に討伐したゴブリンが原因ではないかと噂されています」
「そんなことがあったんですね……。ところで、Cランクってどれくらいの強さですか?」
勇者は強くなることに夢中で世情には疎かった。自分がこの世界ではかなり強いほうだという自覚はあるが、実際に世間ではどのような指標があるのか一切わからないのだ。
「そうですね……、冒険者としてはそこそこの強さに分類されます。田舎のほうであれば、町一番の実力者と言われてもおかしくないくらいですね。でも、勇者様と比べると弱いです。一対一であれば召還したばかりの時の勇者様と同じくらいの強さだと思います。もちろん、ゴブリンなんかに負けるような事はありえません」
「そうですか……、それは……、強いんですか? 召還されたばかりの僕って姫様にコテンパンにやられちゃいましたよね?」
急激に強くなった者は、その強さにおぼれる傾向がある。だが、この勇者は強さにおぼれる事はない。
召喚されたばかりの時に、目隠しをした王女と戦い、敗れているからだ。その時の記憶があるからこそ、勇者は常に強さを目指せるのだ。
「ふふふ、それもそうですよ。だって私とっても強いんですから。実は城で一番強いのって私なんですよ? 勇者様と一緒に戦えるようにずっと研鑽してきたんですから!」
王女はいつにもまして元気な笑顔でそう言った。
実際に王女は強い。城内だけではなく、外でも護衛を必要としない。護衛が足手まといになるからだ。王女はそれほどの強さを持っていた。
「え……、そうなんですか? あの時すごく落ち込んだんですよ? 女の子に負けるなんて、この先大丈夫かなって、だから頑張って鍛えてたんですよ?」
「すみません、勇者様に頑張ってもらうために、ちょっと張り切っちゃいました。私にとって勇者様は特別な存在なんです。勇者様には強くなって頂きたいのです」
勇者と王女は共に歩む者。そのため、自分だけではなく勇者を強くする事も自分の役割だと思っている。
「う……、確かに、強くはなりましたけど……」
今一納得のいかない勇者だが、先ほどの冒険者の話が気になっていた。
ゴブリン討伐の後死亡した冒険者の話だ。
「ところで、先ほどの話ですが、少し気になりますね。ゴブリンが急に強くなったとかですかね?それとも毒?」
「わかりません。私も風の噂で聞いた程度なので、詳しい事は知らないんです。調査しますか?」
「念のためお願いします。些細な事でも魔王の情報につながるかもしれません。魔王はまだ現れてないんですよね?」
魔王討伐のために召喚された勇者だが、未だに魔王は表れていなかった。
「はい。魔王の発生と勇者の召喚は同じ時期にあるのですが、全く同時ではないですからね。今回の魔王の誕生は遅いみたいですね」
「そうですか……、でも良かったです。同時だったり、魔王のほうが早かったらと思うと……」
「魔王が先の場合は魔王の初期能力が低くなるので、どちらが先でもあまり変わらないんですよ」
どちらが先に現れたとしても世界が調整する。この世界はのようにできている。
「え、そうなんですか? それも世界のルールなんですか? 魔王や勇者って一体何なんですか?」
「それは……、私にもわかりません。ただ、そういう者、そういうルールなんです」
魔王と勇者、古よりこの世界に現れる存在だが、なぜ現れるのか未だに判明していない。
しかし、この世界では重要な役割を持っている。
ちょっと話飛んでるように感じますかね?
もしかしたら話の順番入れ替えたりするかもしれないです。




