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新たな生活と…

一応日曜日投稿!

 時は少し遡る。


 ☆☆☆☆☆☆


 吐血(リバース)の最中に敵からの攻撃を察知した。


 パシンッ!!


 あっぶなー!

 風圧を感じてとっさに避けた。しかし、避けれたからいいものの、この威力だと当たっていたら死んでいたな……。

 あと少しで殺されるところだった。

 大丈夫だ。セーフセーフ!!


 くそ! ゴブ太郎だけじゃなく私まで……。

 なんてやつだ。まるで悪魔のようだ……。


 なんとか人間の魔の手を回避した私だが、既に体力も底をついていた。

 一旦離れてタマちゃんの元へ向かう。

 タマちゃんにゴブ太郎達の事を伝えないといけない。


 タマちゃんは私を待ってた。

 タマちゃんはやはり心配そうな目で洞窟を眺めている。

 なんて伝えたらいいんだろうか……。

 こんなとき、どのように接していいかなんてわからない。でも、いつまでも黙ったままでいるわけにはいかない。


 そうして私が思考を巡らせていると、人間たちが出てきてしまった。


「シャー!!」


 タマちゃんが凄く怒っている。

 私が伝えるまでも気が付いた様だ。

 こいつらが、ゴブ太郎達を殺した事に。


 ダメだタマちゃん! こいつらに逆らったら殺されちゃう!! 早く逃げよう!!

 私はタマちゃんに逃げるように伝えるが、頭に血が上っているのか聞き入れてくれない。


 気持ちはわかるけど……、卑怯な手を使ったとはいえ、ゴブ太郎達を殺すような奴らに勝てるわけがない……。


 やつらはタマちゃんに目を向けると、ニヤけた顔でタマちゃんに近づいてきた。

 やはりこいつらはタマちゃんも殺す気だ。血も涙もない屑野郎!!!


 そしておもむろに手を伸ばし、驚きの行動にでた。


 なんと人間の女がタマちゃんを抱えたのだ。

 怒るタマちゃんの攻撃を気にした様子もない。

 森の王者たるタマちゃんの攻撃が一切効かないなんて……、こいつらの強さは私の予想を超えているのかも知れない。。

 いや、それよりもこいつらは何をする気だ?


 いや、予想は付く、こいつらはタマちゃんを誘拐する気なのだ。

 ゴブ太郎達を殺すだけじゃ飽き足らず、純真無垢なタマちゃんを誘拐……。

 こいつらは、私が思っていた以上に強く、そして悪いやつなのかも知れない。


 いや、ぼけっとしている場合じゃない!!

 私はゴブ太郎からタマちゃんを託されている。このままみすみす連れ去られてたまるか!


 私はすぐにタマちゃんに飛び移る。


 タマちゃんを捉えた人間達はゴブリン達を蹂躙しながら森を抜けていた。

 ゴブ太郎達の仇を打とうとしているのだろう。或いはタマちゃんを助けようとしているのかも知れない。

 だが、全く歯が立っていない。まるで草を刈り取るようにゴブリン達を殺していく。


 この人間達は強い。もしかしたら、ゴブ太郎より強いのかも知れない……。

 卑怯な手を使われたと思ったけど、正面から戦ってゴブ太郎達が負けたのか……?

 私の中の価値観が大きく崩れた音が聞こえる。


 その後、人間達はあっさりと町にたどり着いた。

 案外近い場所に町があったことに驚く。

 思えば、今生で初めての人間の町だ。


 森での生活に慣れ過ぎて、ものすごく違和感がある。

 まだ入り口しか見えないが、生まれ変わる前は私もこんな町に住んでいたのだろうか……?


 町にたどり着いた人間達は何やら話をしている。

 だが、何を話しているのかさっぱりわからない。私の知っている言語とは違うみたいだ。

 そこは元々期待していない。


 リーダーらしき赤毛の男が1匹で歩き出す。

 こいつはゴブ太郎の仇として一番観察していたが、どうにも体調が優れないようだ。

 私の攻撃が効いているのかも知れない。

 ざまあ見ろこの赤毛猿!!


 そして、タマちゃんを捕まえている糞野郎。

 こいつもタマちゃんを掴んだまま1匹でどこかに歩き出した。あとの2匹は知らね。

 私はタマちゃんと一緒にいるから、自然とこの糞野郎と一緒に行く羽目になる。


 タマちゃんと一緒に連れ去られている事しばらく。

 一軒の建物の前に止まる。どうやらこの中に閉じ込めるつもりらしい。

 

 コンコン


 糞野郎が扉をノックをする。どうやら中にも人間がいるらしい。

 すると1匹の人間が出てきた。女だ。THE女って感じだ。

 ボンキュッボンとはこの女のためにある言葉なのかもしれない。

 タマちゃんを誘拐した糞貧相な女とは全然違う。


 しばらくこの2匹で話していると、タマちゃんを置いて糞チビ野郎が離れてい行く。


 そして扉を閉めると、ボンキュッボンがタマちゃんを見つめてニマニマしている。

 そうか……、タマちゃんはこいつに売られたんだな……。


「@@@@@@@@@@@@@@@@@」


 ボンキュッボンが何かしゃべっている。独り言とは、こいつは独り身が長そうだ。

 そう考えていると――

「シロ」

 ――何やら名前を呼び出した様子。タマちゃんの事を呼んでいるみたいだが、タマちゃんの名前は違う!!

「チビ」


 む、何やら色々な名前を試しに呼んでいる様子……? ってポチって何!? 犬!?

 そうして適当に名前を呼んでいると……。

「タマ」


 !?


 タマ、その単語にタマちゃんが反応する。

 私もびっくりしている。

 まさか名前を当てるとは……。

 タマちゃんをタマちゃんと呼んだことで、ボンキュッボンの評価が少し高くなる。


 そして当のボンキュッボンはタマちゃんの名前を探し当てて満足顔だ。

 その後、ボンキュッボンはタマちゃんを抱きかかえてほおずりし始めた。


 気持ちはわかる……。

 だが、そこはゴブ太郎のポジションだ!


 タマちゃんが心なしか安堵した表情をしている。

 名前を呼ばれたことで、タマちゃんも少しだけ心を開いてしまったようだ。


 タマちゃんが認めるなら、私もこいつの事を認めるのも吝かではない。

 その後、ボンキュッボンから食事を出されたタマちゃんは、意外なほどあっさりと夕飯を食べていた。

 元々疲れていたのもあるが、このボンキュッボンがタマちゃんのご機嫌伺いに必死だったのもあるのだろう。

 私もボンキュッボンから夕飯を頂く。

 ボンキュッボンからの食事はすごくうまかった。なんと、久しぶりに食事でレベルアップだ。このボンキュッボンはゴブ太郎と比べてもかなり強いような気がする。


 食事をしてお腹が膨れたタマちゃんは眠りについた。私も一緒にタマちゃんの背で眠る。


 ******


 そして翌日、私は進化していた。


【名前】

 バター

【種族】

 アサシンモスキート

【ステータス】

  LV:1

 力:1

 耐久:1

 魔力:1 

 敏捷:50

【種族スキル】

 吸血

 原虫生成

【固有スキル】

 消音飛行lv4

 貯蔵庫lv3

急なインフレを起こしました。

進化はもう少し引っ張ろうかと思ったのですが、このタイミングがベストかなと。

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