side冒険者2:帰還
ジカの森を探索し、ついにホブゴブリンの洞窟を発見したザボン一行
森の最強種であるホブゴブリンを相手に善戦するが、そこにリーダー格のホブゴブリンが表れる。
最強のホブゴブリンとの戦いは如何に
☆☆☆☆☆☆
パシンッ!
「どうしたリーダー?」
「いや、蚊に刺されたみたいでな」
首筋に痛みが走ったので、咄嗟に叩いた。
蚊は人類の敵だ。絶滅すればいいと思う。
「蚊は潰さないほうがいいぞ。血を吸われている最中に潰すと唾液が体に残って痒みが強くなる」
「うげぇ、そういうことは先に言うか、いっその事言わないでくれ。って大丈夫だ、逃げらた」
手に血が付いていない。セーフだ、逃げられたから潰せてない。
蚊に逃げられたのはイラッとしたが、ギニュの話を聞いた後だと返って良かったとも思える。
「それは良かった。蚊が可哀想だもんな」
「そっちが本音か」
ギニュは狩人としては優秀なのだが、たまに変な事を口走る。
「叩かないほうが良いのは本当だぞ?」
ギニュの事は置いといて、俺は先ほど切り伏せたホブゴブリンを見下ろす。
「ホブゴブリンとしては強かったが、所詮はホブゴブリンだったな。こんな雑魚が相手だと弟達も浮かばれない……」
達成感も何もない。
最初は剣幕に押されたが、冷静に対処したら作業の様な戦いだった。
「これで一応依頼は達成だな。さすがにこいつら以上のやつがこの森にいるとは思えない」
「そうだな。おっと」
少し体がよろけてしまった、体に疲れがたまっているようだ。
弟の事が、思ったよりも精神に来ていたのかも知れない。
「大丈夫ですかザボンさん? 顔色が悪いようですけど」
「少し疲れたのかも知れない。悪いが早く帰ろう」
通常だと洞窟を探索してから帰るところだが、今更俺達にとって有益なものがあるわけもない。
俺達はすぐに洞窟から出る事にした。
一応ギニュが警戒しながら進んだが、何事もなく出口が見えてきた。
洞窟を出たところでアップルが足を止める。
「あら、猫ちゃん」
洞窟の外に猫がいた。洞窟に入るときはいなかったが、どこかから迷い込んできたのだろうか。
「シャー!!」
鋭い目つきでこちらを威嚇している。
凄く警戒されているな。猫にここまで嫌われるとさすがに落ち込む。
「もしかしたら、ここのホブゴブリン達のペットだったのかも知れないですね」
そう言ってアップルは猫を抱き上げる。
「おい、大丈夫か? その猫すごく怒ってるぞ」
アップルが抱き上げた猫はすごく暴れている。
まるで親の仇のようにアップルの手を引っかいていた。
「でも、この子をここに放置してたら死んでしまいます。この子のご主人を殺した私達には、この子を守る責任があります」
ホブゴブリンのペットなのだとしたら、この猫は飼い主を失ったことになる。
一度ペットとして飼われた動物は、二度と野生に戻ることはできない。
俺もホブゴブリンは憎いが、そのペットの猫まで死んでしまうのは夢見が悪い。
「分かった。手が辛くなったら交代しよう」
「私の事より、ザボンさんの方こそ大丈夫ですか? 先ほどより顔色が悪いですよ?」
「そうだぞザボン、なんなら俺が背負ってやろろうか?」
ドドリはふざけてそんなこと言っているが、正直本当に背負ってほしいくらいだ。だが、ドドリに背負われる自分を想像してなんとか耐える。
「いや、大丈夫だ。少々辛いが家に帰って休めばすぐ回復する」
「そうか? ならいいが、辛いようならサッサと言えよな」
俺の体調が悪いため、帰りは一直線に進む事にした。
道中ゴブリンとのエンカウントが多かったが、何事もなく町にたどり着いた。
「ところで、その猫どうするつもりだ?」
「恐らく私たちに懐いてくれることはないでしょう。キュリーさんに頼んでみます」
俺達にはこの猫の主人の返り血が染みついている。俺達になつくことは決してない。当然アップルもそのことはわかっていたようだ。
「そうか、あとの事は頼む。俺はもう家に帰って休みたい」
何とか町まで帰ってこれたが、俺の体力はすでに限界だった。
「そうだな、サッサと家に帰れ。ギルドへの報告は俺達に任せてくれ」
「ザボンさん、大丈夫でしょうか」
「本人が寝れば治るって言ってるんだ、大丈夫だろう。それよりその猫だな。ギルドへの報告は俺達がしておくから、さっさとキュリーのところへ連れていけ」
「すみません。助かります」
キュリーの家は町のはずれにある。
一部で魔女と恐れられているが、よく知る人間からするととても優しい女性だ。
アップルはドドリ達と別れ、キュリーの自宅へ向かった。
すみません、2000~3000文字を維持するの諦めました。
視点がコロコロ変わるので、書きやすい区切りにします。




